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デル主催CGコンテスト「CGごはん」結果発表!優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

デル主催CGコンテスト「CGごはん」結果発表!優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

学生部門・最優秀賞:『喫茶店の味』 獲得点数:41点

伊藤賢吾さん(デジタルハリウッド大学)
CG全般を勉強するのが好きです。将来的には広告系の映像業界でゼネラリストとして働きたいと思っています。最近はスクリプトやプラグイン開発の勉強もしています。

Taste from a Coffee Shop
Simple yet addictive taste, served on a silver plate, I recreated that Napolitan spaghetti from a coffee shop. I tried and made sure that the noodles, sauces and ingredients that entangle each other do not look like CG.

●使用ツール
Cinema 4D, After Effects

学生部門最優秀賞「Dell デジタルハイエンドシリーズ UP2720Q 27インチ4K ワイドモニター」をプレゼント!


●審査員コメント 抜粋

株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
とにかくそそられます!リアルに食べたくなる!素晴らしいです。料理のシズル感とは、言葉にできない気持ちの高まりです。それをこのCGはクリアしていると思います。コメントにもありますが、CGっぽくならない努力が表現できているのかと思います。素晴らしいシズル感なので、更においしくなるポイントをお伝えすると、パスタの麺線表現(麺の動き)をもう一工夫するとさらに良くなると思います。広告の写真ではパスタの麺は切れ端を見せないように隠しています。麺自体がもう少し丸みのある動きで表現できるとよりおいしさを感じると思います。

【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
昔、喫茶店で食べたナポリタンの懐かしい味を思い出しました。パスタに絡んだソースや具材がCGとは思えないリアルさで感動です。懐かしさと暖かさが交互する素晴らしい作品だと思います。

西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
ナポリタンの特徴を良く捉えた良い作品です。 色調、質感など素晴らしく作ってあるなと思います。 ただ"作ってあるな"感になってしまっているのは今一歩だったかもしれません。 麺の一本一本(主に切れ端)にどうしても作り物感を感じます。その辺りを修正出来れば更に良くなると思います。

StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
まず麺にピーマンやソーセージなどの具材が破綻なく配置されているのが素晴らしい。上手く何かしらのシミュレーションを使ったのだろうか。各食材のSSSが効いた質感も素晴らしく、CG臭さを出したくないという作者の配慮を感じる。カメラで実際に撮ったかのようなポスト処理も良く出来ている。後はほんの少しだけ、湯気のようなシズル感を感じさせるエフェクトが乗ってくればより完成度が高まる。

トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
想像の出来る味、それが意外にもハードルは高い。子供の頃、元々ナポリタンが好きではなく、どうも貧乏くさい味だと感じていた。ただ、歳を重ねるごとに何故か好きになっていき、今では無かったはずのノスタルジーに浸る為のアイテムだと思うレベルまでになっている。非常に不思議な料理だと、個人的には感じる。そんな一皿を、納得の仕上がりに引き上げているのは、いい意味で、全てに感じる安っぽさだと思う。少し太めのパスタ、ラフに刻まれたピーマンとウインナー。それらが雑だが、必然と絡み合う。それがここで求められている一皿なのだと思う。質感も素晴らしく、ナポリタンにあってはならない高級感を上手く取り払い、それでも美味しそうに見える最低限の艶を散りばめている。構図もよい。決して貶しているのではなく、ナポリタンとは、そうでなくてはならないのだ。

【デジタルアーティスト/朝倉 涼
スパゲッティの柔らかそうんな感じや、炒められてしんなりとしたピーマン、ケチャップソースの感じ等、見ているだけで味が想像できる素晴らしい作品だと思います!喫茶店スパゲッティ特有のちょっと過剰に茹でられて伸び気味な感じまで伝わってくるのがお見事でした!

株式会社MAPPA/CGI部】
具やソースの絡み方がリアルで、香りまで感じます。チェック柄のシート(手前にシミがあるのが細かくてgood!)やコップの模様なども喫茶店の表現に一役買っていて、タイトル通り喫茶店で出てくるおいしそうなナポリタンに仕上がっています。

株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
シンプルに「美味しそう!」と感じました。難しいパスタの表現にちゃんとチャレンジしていますし、ガラス布金属の質感の差も表現されています。誰もが感じる「あのナポリタン」を連想させる表現できるセンスを感じます。お皿の手前をもう少し見せてあげると構図も決まってくると思います。

【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
形状、シルエット、質感と、どこを取っても神経の行き届いた完成度の高いナポリタンですね。欲を言うと、ピーマンとテーブルクロスの緑が近い色なので、テーブルクロスの緑を別の色にして、画面内の暗い部分を増やすと、画が引き締まり、ナポリタンの色が際立つように思います。

【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
全体的なまとまりの良さに好感を抱きました。

学生部門・第2位(優秀賞):『#たこ焼きパーティー』 獲得点数:30点

藤原優哉さん(OCA大阪デザイン&IT専門学校)
主にMAYAを使用して3DCGの勉強をしています。ゲームの背景に興味があるので、これから背景の作品も制作したいと思っています。
Twitter:https://twitter.com/f200047y

●作品解説
大阪出身なので大阪にまつわる食べ物を作りたいと思い制作ました。暖色系でまとめることで、より食欲がわくように工夫しました。家でたこ焼きをしていることがわかるよう意識して配置とレイアウトをしています。

#TAKOYAKI Party
I made this because I wanted to make food related to Osaka, my home town. By puttting together in a warm color system, I tried to make it more appetizing. I consciously placed and layed out to show that TAKOYAKI party took place at home.

●使用ツール
Maya,Substance Painter,Photoshop,Blender


●審査員コメント 抜粋

株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
なかなかリアルなシズル感が表現されていて素晴らしいと思います。ここまで観察力があるところを拝見すると大阪ご出身のたこ焼き愛を感じます!さらにおいしさ表現をアップするとしたらソース表現のボリュームとハイライトの表現でしょうか。

【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
熱々の焼き立てがリアルに伝わり、「あついあつい」と言いながら頬張りたくなるくらい美味しそうです。塗された鰹節の量やマヨネーズのかかり具合にも食欲をそそられる作品です。

株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
出来たてのたこ焼きに乗せられたソースや鰹節などがふんわり香るイメージが出来ました。熱々のたこ焼きの上の踊るような鰹節のふわっとした表現に食欲を掻き立てられました。

【デジタルアーティスト/朝倉 涼
鰹節の踊ったできたてのたこ焼きの感じがしっかりとでていて美味しそうだなと思いました。マヨネーズの処理がなんだか惜しい!!という感じだったので、マヨネーズや青のりの感じをもう少し詰められたらグッと本物っぽくなると思います。

株式会社MAPPA/CGI部】
かつおぶしやマヨネーズに家庭感があって、写真撮る用に一皿きちんと並べたのかな~なんて想像できて楽しいです。

株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
均一になりがちなCGで作るたこ焼きですが、よく一つ一つの違う表情を表現できています。とっても美味しそうですね。お皿、紅生姜やお箸などの小物にも気を配って表現しています。ノリのスケール感、質感が上がれば急激にもっとよく見えるはずです。

【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
パッと見た瞬間「これ絶対、大阪の人だ」と思って解説を確認したら、本当に大阪の人で嬉しくなりました。たこ焼きへの愛を感じます。特に鰹節の配置は素晴らしくリアリティがあります。画面右下、皿から落ちた鰹節が、画面から見切れている演出なんかは最高です(お行儀良く食べようとしても、やつらは絶対にはみ出すんですよね)。欲を言うと、マヨネーズの表現にやや硬さを感じるので、たこ焼きの熱でもって、ヘニャっとなっている表現をランダムに入れると、さらに存在感が増すように思います。

【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
今回、たこ焼きは激戦(多い)の印象があるのですが、その中でもシズル感が最も良く表現されていたと思います。

学生部門・第3位(優秀賞):『Burger Party!』 獲得点数:26点

若杉友香さん(京都芸術大学)
高校生の時から3DCG制作を始め、現在も独学で作品づくりにチャレンジしています。まだ分からないことも多く、作りたいものの実現は難しいですが、様々な知識を増やせるよう勉強中です。最近はアニメーションにも興味を持っています。

●作品解説
「おいしく、楽しく!」をコンセプトに、ハンバーガーたちのパーティーをイメージして作りました。文字やラインの3D空間への配置やとろけたチーズの表現など、今までしたことのない挑戦をしてみました。

Burger Party!
With the concept of "delicious and fun!", I made it with an imagination of hamburgers having a party. I tried new challenges such as arranging letters and lines in 3D space and expressing melting cheese.

●使用ツール
Blender,ZBrush,CLIP STUDIO PAINT


●審査員コメント 抜粋

株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
なかなか実際の撮影では表現しづらいシズルビジュアルで、まさにCGならではのアプローチかと思います。特にバンズ(パン)やアボガドのテクスチャー表現もしっかりできていて素晴らしいです。動きのある食材や料理のシズルCGをもっと見たくなりました!

【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
動きがありとても楽しそうに表現されていて、気持ちが高まりました。アボカドやチーズ、ポテトなど全ての素材が繊細に描かれていて、まるで写真をみているようです。かぶりつきたい!!

【デジタルアーティスト/朝倉 涼
ハンバーガーや食材等、全体の質感が良いことはもちろんのこと、コンセプトとしてしっかりとパーティー感が出ている部分が非常に良かったです!バーガー店の広告のような雰囲気も出せており、画としての完成度が非常に高いと思いました。

株式会社MAPPA/CGI部】
動きのある絵にCGならではの面白さを感じます。色使いとライティングが絶妙でチーズの質感や野菜のフレッシュさが良く出ています。しかも美味しそうなだけでなく、キャラクターのような動きの可愛いさとポップさも相まって、魅力的な広告のようです。食べると元気になりそうですね!

株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
アイデアがとっても良いです。コンセプトに沿った絵作りができている点が実力を感じさせます。食材それぞれの質感も良いし、手書きの文字もあり絵全体で一つのコンセプトを表現できています。色味を工夫するとさらに完成度の高い「美味しく楽しく」になります。学生としては突出した表現力。

【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
シズル感(質感)も好印象ですが、実写のシズルショットでも難しい瞬間の演出(躍動感)が3DCGの利点を活かした表現に仕上がっていると思います。

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4位~6位(学生部門)優秀作品講評結果

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