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気になるソフトとハードをぶった斬り!

検証! Autodesk Entertainment Creation Suite Premium 2012シリーズ
第3回:Maya × Mudbox

前回、3ds Max × MotionBuilder に続く、Autodesk Entertainment Creation Suite Premium 2012(以下、ECSP)レビュー第3弾。
最終回となる今回は、シンプルで直感的、さらに他ソフトとの連携が強化されたデジタル・スカルプティングツール Autodesk Mudbox 2012(以下、Mudbox) を取り上げ、実際に作業を行いながら、その操作性を紹介していく。

<b>Mudbox</b> 2012の画面キャプチャ

Mudbox の特徴

Mudbox は、Autodesk の製品との連携はもとより、非常にシンプルなインターフェイスと直感的なスカルプティングを特徴とするツールだ。 筆者は以前、他のスカルプトソフトを使っていたが、Mudbox はペイント機能の充実に加えてスカルプトもでき、Autodesk 社製品との連携相性も高いため、今では同ソフトを好んで使っている。

スカルプトツールとしては ZBrush が代名詞のようになっているが、ZBrush に行えて Mudbox に出来ないことは基本的にはない。そうなると、ペイントとスカルプトとのバランスの良さ、外部ソフトとの操作性の統一感などが、Mudbox 独自の魅力と言えよう。

バージョン2012 になり、従来のユーザーには嬉しいインターフェイスとヘルプの日本語対応や、ホットボックスとマーキング メニューの追加が実現した。
Mudbox オンラインヘルプ日本語版

こうした地道な使い勝手の向上を重ね、シンプルなインターフェイスは保ったまま、より手に馴染みやすいツールとして進歩している。

<b>Mudbox</b> の作業画面

Mudbox の作業画面。シンプルな構成のインターフェイスに、画像編集ツールでも見られる馴染み深いツールが並ぶ。ビューポートは AO/Ambient Occlusion や IBL/Image Based Lighting などが反映された状態で表示され、レンダリング品質に近い見た目で作業を進められる

<b>Mudbox</b> のセットアップ画面

初回起動時に、スプラッシュと共に表示されるセットアップ画面。キーアサインのほか、UI に使用する言語を選択できるようになった。なかなかパンチの効いたアイコン

四角と球のオブジェクトを作成

スタートアップメニューも日本語化され、非常にとっつきやすく感じられる。またオンラインヘルプも待望の日本語版が用意された

四角と球のオブジェクトを作成

Maya(あるいは Sketchbook )ユーザーには馴染み深いホットボックスとマーキングメニューが採用された。見た目は Maya のものよりデコレーションが進み、どちらかというと Autodesk 123D 的なあしらいとなっている。影響範囲を明るく強調表示してくれる点は分かりやすい

最新バージョンの Mudbox では 、ペイント関係に、かなり充実した機能強化が行われている。中でも目玉と言えるのが、UV レスのペイントを可能にした、PTexペインティング 。ウォルト・ディズニー社が開発し、『塔の上のラプンツェル』 などでも使用された技術で、平たく言えば、UV 展開不要/解像度を気にせずモデルへのペイント作業ができるというものだ。既存の行程と比べ、 UV 展開をスピーディな制作を実現するのではと期待されており、UV 展開が苦手で堪らない人にとっては、まるで夢のようではないだろうか。

さらにバージョン 2d012 では PTex を有効にすることで、複数のメッシュで構成された複雑なモデルであっても、メッシュをロードして直ぐペイントを開始することができる。また途中で UV が必要な場合でも UV 空間にベイク→イメージ ファイルとして書き出しも可能だ。
もちろん、採用されたばかりの機能なので、まだ夢のように効率的には動いてくれない部分もあるし、採用しているツールもまだそう多くないという現状がある。しかし、広くワークフロー内で定着してくれば、自ずと真価を発揮してくることだろう。
この他にもペイント機能では、レイヤーーマスクのペイントとブレンドモード、編集可能なステンシルといった機能強化が図られている。

PTex によるペインティング画面

PTex によるペインティング。UV 展開の必要がなく、モデルをロードすれば直ぐにペイント作業が始められる。さらに、PTex の特性として必要な箇所を精細に書き込むことができる。PTex ファイルとして保存できるほか、通常の UV マップによる画像として書き出すことも可能だ

四角と球のオブジェクトを作成

Maya のビューポートでも PTex でペイントしたアセットを表示することができる。事実上解像度に依存しない PTex だが、まずは作業のベースとなる解像度を決める必要がある。モデルにちりばめられた格子を見ながらエッジのぼけ具合で必要な解像度を把握する(輪郭がボケているほど低解像度、はっきりしているほど高解像度)。この格子は、アサインしているマテリアルに関係なく PTex セットアップ時に表示される

新機能・編集可能なステンシル

ステンシルの編集

2012の新機能、ステンシルの編集

リアルなテクスチャの制作にはやはりステンシルでの作業を欠かすことができない。そのため、これまでのバージョンでは、モデルに合わせてステンシルを移動させながらがペイントしてきたが、丸みのある形状や複雑な形状などへの書き込みはどうしても困難だった。また、ステンシルの色調や汚れ感などを変更しようと思うと、わざわざペイント作業を中断して Photoshop などの画像編集ソフトに移行し、加工し直す必要があった。

しかし 2012 の新機能『ステンシルの編集』を使えば、こうした煩雑さから解放されるはず。例えば、丸みがかったパーツがあるようなモデルの場合、ステンシル自体をスカルプトブラシのグラブやスムースで四角いイメージをモデルに合わせて変形させてしまうことが可能なのだ。

四角と球のオブジェクトを作成

グラブやスムースで四角いイメージをモデルに合わせ加工できる

ペイントツールを使った調整01
ペイントツールを使った調整02

ステンシルの色調やコントラストなどを変更したい場合は、ペイントツールの機能で直接ペイントしながら部分的に調整するか、全体的に変更したい場合はレイヤーーータブからカラー調整を選択して行なってもよい

例やマスクの使用

さらに汚れなどを加えたい時は、ステンシルにスタンプでペイントしたり、「ステンシルの編集」と同様に 2012 で追加されたレイヤーーマスクなどを使って、より複雑な加工を施すことが可能だ

これらの新機能おかげで、ほとんどの必要な作業を Mudbox 内で完結させることができるようになった。この強化されたペイント機能により、Mudbox はスカルプトツールとしてだけでなく、ペインティングツールとしても、強力なものになったと言えるだろう。

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