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『DARK SOULS』シリーズを筆頭に、ワールドワイドでヒットするアクションゲーム開発で定評のあるフロム・ソフトウェア。その同社が福岡スタジオの開設に向けて、新規スタッフを募集中だ。開発全般を統括し、福岡スタジオでスタジオマネージャもつとめる竹内将典氏(専務取締役)に、スタジオの方向性や求める人材像などを聞いた。

CGWORLD(以下、CGW):フロム・ソフトウェアの概要と福岡スタジオの立ち上げについて教えてください。

竹内将典氏(以下、竹内):弊社は1986年に創業し、当初はビジネスアプリケーションを開発していました。ゲーム業界には1994年に参入し、これまで『キングスフィールド』『アーマードコア』『DARK SOULS』などのゲームをリリースしてきました。私もその頃に入社し、20年近くゲーム作りに携わっています。本社は東京ですが、開発規模の大型化に伴い、2016年春にCG制作を専門に行う福岡スタジオを開設することになりました。

DARK SOULS Ⅲ(ダークソウル3)
©BANDAI NAMCO Entertainment Inc. / ©2011-2015 FromSoftware, Inc.

CGW:福岡にスタジオを構えることになった理由は何でしたか?

竹内:国内外のさまざまな都市をリサーチしましたが、人口分布で若い人の割合が多い点が決め手となりました。大学や専門学校が豊富で、優秀な新人を雇用しやすい点も大きいですね。スタジオを開設するというのは、企業にとっても大きな決断になります。数十年かけて現地に根を張り、人材を育成していく上で、これらは重要な要素の一つでした。

▲博多と天神の中間に位置する、中洲川端のエリアに2016年春からオープンする

CGW:採用計画について教えてください。

竹内:新卒を中心に3年間で2ー30人くらいの規模を予定しています。育成面での限界もあるので、毎年10人ずつといった具合ではなく、優秀な学生がいれば時期を問わずにコンスタントに採用していきます。また、新卒だけでなくもちろん中途採用も行っており、20代なら現場のリーダー格、30代以上であればマネジメント的な業務をお願いしたいと考えています。

CGW:新卒採用を重視されているのは、どのような理由でしょうか?

竹内:私たちが作っているゲームは、国産ゲームの中でもかなりユニークなポジションにあると思っています。据え置き型ゲーム機向けであること、ダークファンタジー的な世界観であること、海外市場も前提のコアユーザー向けタイトルであること、などです。『DARK SOULS』シリーズが顕著ですが、「固い・怖い・痛そう」イメージの他社ではあまりやっていないゲームなんですよ(笑)。そのためには、まだ知識やセンスが固まりきっていない若手を採用して、ゼロから社内で育成した方が早いという結論に至りました。

CGW:東京と福岡で採用規準などは変わりますか?

竹内:そこはまったく同じです。福岡を中心に現地採用を重視する予定ですが、応募自体は全国から歓迎です。福岡で採用されても、将来的に東京スタジオで勤務するといったキャリアパスも考えられます。個々の希望に応じて柔軟に対応していきます。

▶次ページ:採用で重視する点とポートフォリオで必要なこととは?


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CGW:新卒や若手の採用で重視される点は何ですか?

  • 自分が一番好きなことは何で、ゲーム作りを通して何を表現したいかが、はっきりしている人がいいですね。とにかく破壊を極めたいんだとか、ロボットを動かしたいんだとか......。それらが弊社のゲーム作りや、ゲームの方向性とマッチしている人を採用したいです。これにはゲーム業界の構造変化とも関係があります。

CGW:どういうことでしょうか?

竹内:弊社がゲーム業界に参入した20年前と違って、最近の家庭用ゲーム開発は大規模化が進んでいます。『DARK SOULS』シリーズではピーク時で協力会社さんを含めると3〜400人に至るほどです。そのため、さまざまな得意分野のあるクリエイターが組み合わさって、チームとして開発を進めています。だからこそ「これがやりたい!」という思いがはっきりしていると良いと思います。

CGW:チーム開発だと、お互いの長所・短所を補えますしね。

竹内:ただ、学生のうちはなかなか自分自身のことがわかりませんよね。それを探求できるのが学生の特権でもあります。だからこそ、学生の皆さんに言いたいのは「自分の信じる個性を伸ばして欲しい」ということです。もちろん、その結果「自分に個性がない」という結論になっても、いいと思います。裏返すと何でも対応できる可能性があるということですからね。実際、人生の先輩としてアドバイスすると、特定のパラメータはある年齢までしか伸びない気がするんですよ(笑)。

CGW:身につまされます(笑)

竹内:もう一つ大事なのは、ゲームを作ったり、何か表現することが"楽しい"と思えることです。ゲームビジネスにおいては作品性と商品性のバランスが重要ですが、弊社では作品性にやや重きをおいています。「作品性を極めれば、商品性がついてくる」という考え方です。そのためには細部までこだわって作ることが重要です。「神は細部に宿る」という言葉がありますが、私も真実だろうと思っています。

CGW:ゲーム機の進化で「細部まで表現できる」時代でもあります。

竹内:まさにその通りで、昔はゲームのグラフィックには限界がありました。しかし今では望むもの以上の表現ができる時代になっています。そうなると、同じCGを作るにしても、楽しみながら作らないと、そうした表現に到達できないのです。実際に細部までこだわろうとすると、地道な作業の繰り返しが多くなります。ところが日本人は真面目なので、楽しいと思っていなくても、そこそこできてしまうのですね......。

CGW:そうした人材では、そろそろ限界にきているということですね。

竹内:そもそもゲーム作り自体が地道な作業の繰り返しです。クリエイターといっても、それを楽しめる人と、楽しめない人がいます。それを楽しめる人でなければ、弊社に入社しても辛くなるのではないでしょうか。採用時にもそうした資質があるか否か、慎重に見極めるようにしています。

CGW:見極める材料の一つがポートフォリオだと思いますが、やはり細部に注目されますか?

竹内:そうですね。先ほども言いましたが、「自分が何をやりたいのかわからないポートフォリオ」は避けて欲しいですね。授業の課題を並べたポートフォリオが悪いというわけではありませんが、やはりその人らしさが出ませんから。その上で弊社のゲーム作りに適した内容だと望ましいです。まずは福岡スタジオで王道のファンタジー系、メカ系のゲーム作りに携わっていただく予定です。

CGW:ゲームが好きであることは重要ですか?

竹内:弊社タイトルのファンでなくても構いませんが、ゲーム全般が好きであることは重要だと思っています。20年近く前、3DCGがゲームで表現できはじめた頃は、可能性を広げるために映像業界やCM業界など、幅広いクリエイターの才能が求められました。しかし、今はある程度産業が成熟して、個々のゲームの完成度を極める方に進んでいます。そうした時代では、やはりゲームが好きであることが重要です。

CGW:社内での育成を重視されているとのことですが、アーティスト向けの研修で特徴的なものはありますか?

竹内:新卒であれば入社して早い段階で、ゲーム向けのシェーダーについて講習会などを行っています。ゲームは静止画やムービーとは異なり、同じCGでもリアルタイムレンダリングが中心です。そのためリアルタイム特有のシェーダー技術や理解が必要になります。これを早い段階で理解しておかないと、後々トラブルの種になりかねないのです。学生のうちはMayaや3ds Maxでモデリングして、レンダラーでレンダリングして、画像に出力することがCG制作だと考えがちですが、ゲームでは不十分です。アーティストであっても、ある程度テクニカルな内容を理解する必要があります。

CGW:美大出身などでCGをまったく学んでこなかった学生についてはどうでしょうか?

竹内:そういった人も大歓迎です。結局CGソフトは表現上のツールにすぎないので、アナログな素材で絵をしっかり描ける人、絵を描くのが大好きな人であれば、素養があります。ツールの使い方については、入社してからしっかり教えますよ。それに長年見てきて、そうした「基礎力」が高い人ほど、ある時点で急速に伸びて、3DCGしかやってこなかった人を追い抜く傾向にあります。

CGW:これまで新卒中心にお話しを伺ってきましたが、中途採用で求める人材像はありますか?

竹内:一定以上の経験やスキルもさることながら、やはりチームワークが重要ですね。そのため大規模開発での経験があると望ましいです。市場のモバイルシフトに伴い、国内企業では大規模開発そのものが減っていますが、弊社のタイトルと同程度の規模感で開発経験があると望ましいですね。

CGW:ありがとうございました。最後に何かアピールしたい点があれば、ぜひお願いします。

竹内:最近では家庭用ゲームにおいても国内市場向けの開発事例が増えていますが、弊社タイトルは世界中のユーザーに遊ばれています。日本で、福岡で、世界に向けてゲームを開発し、発信できるチャンスですので、ぜひ多くの人にご応募いただければと思います。

TEXT_小野憲史
PHOTO_弘田 充


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