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コロプラ流 『白猫プロジェクト』、『白猫テニス』を支えるエフェクト制作テクニック

コロプラ流 『白猫プロジェクト』、『白猫テニス』を支えるエフェクト制作テクニック

クリエイティブの部長・マネージャーに聞く エフェクトデザイナーに求められる素質

エフェクトというと、挙動のシミュレーションや描画負荷対策など「よくわからないけど難しそう」と考えている人も多いかもしれない。コロプラではどういった人材がエフェクトチームで活躍しているのか、クリエイティブの部長・マネージャーに伺った。

多様な表現を歓迎する『白猫』両作のエフェクト

これまでみてきたように、『白猫プロジェクト』『白猫テニス』でのエフェクト制作において際立っているのは、担当デザイナーの裁量の幅の広さだ。「キャラクターのエフェクトについては、ちょっと力を入れすぎなのではと感じることもあるくらいで、必要かどうかで言えば、必要ないのかもしれない。ですが、作品の魅力を示す付加価値のひとつとしてのエフェクトは、ひき続き推していきたいと考えています」と語るのは『白猫プロジェクト』チームをたばねる部長の伊藤大輝氏だ。

  • 伊藤大輝氏
    (Kuma the Bear開発本部 部長)


『白猫プロジェクト』において、スキルエフェクトはキャラクターを魅力的に魅せる最重要項目として位置づけられているという。その見せ場はやはりスキルエフェクトを打った瞬間だが、時間としてはごく短時間。バトルの中で見せ場を演出する必要があり、それを追及することをコロプラは厭わない。そのため、各担当者には裁量の幅を広く与え、"見せたいものがあるならそれを活かしていく"体制を確保することで、より良いものを作り上げていくことにつなげていきたいという思いがある。「端末スペックは日々向上し、表現の幅はどんどん広がっています。しかし、制作する側としてはそれで足りるということはなく、性能が向上すればするだけ、それを超えるものをつくりたくなってしまいます。せっかくのアイデアでも処理が重すぎるということは頻繁にありますし、軽量化という課題には常に苦慮しています」(伊藤氏)。そんな中で最良な表現の実現に向けて全力を発揮してもらうためにも、デザイナーに裁量を与えることは不可欠と言えるだろう。

コロプラに集まるクリエイターは多種多様な背景をもっている。それによって面白いアイデアが生まれることもあり、業界未経験であっても活躍のフィールドは広い。ゲーム向けのスキルは順次習得してくれればいいという考え方だ。マネージャーを務めるM.M氏も、もともとは映像業界出身。ゲーム業界における経験はなくてもどんどん自分なりのやり方を工夫し、『白猫プロジェクト』のエフェクトを確立させた立役者だ。ハイエンドなものをつくるという意識と、それをモバイルゲームの中に落とし込むいう制約が相乗効果を生んでいると伊藤氏は評価する。「『白猫プロジェクト』はリアル感の強いものから手描き感のあるものまで、表現力の幅の広さをウリにしています。ですので、セルっぽい、アニメっぽい仕上げなどではアニメ業界経験者の方も得意分野を活かしたつくりができると思います。エフェクトチームは今後も拡充していきたいと考えており、ご経験豊富で面白いものを一緒につくっていきたいという人は常に大歓迎です」(伊藤氏)。

ゲームへの思いがゲームをつくる

デザイナーに与えられる裁量の大きさと同じく印象的だったのが、仕上がったエフェクトについて説明するときの語り口である。そこから感じられるのは作品やゲームが好きだという気持ち、つくっているゲームがどうなってほしいかを語れる熱量だ。コロプラ全体で、人材採用において重要視しているのが「素直さ」だという。引き出しの多さや自発的に提案することは、どんな制作現場でも求められることだ。コロプラでは、そうした場で自分以外の意見に耳を傾け、数字や結果にも真摯に向き合う素直さが重視される。「ただ『自分はこうなりたい、こうしたい』だけでなく、まわりの意見に耳を傾け、消化していけるマインドが大事ですね」(伊藤氏)。

スキルセットとしては、『白猫』両作のエフェクトデザイナーに求められるものは多い。いわゆるエフェクト制作に加えて、モデリングや魔法陣を描くなど、より広範なデザインセンスが問われる。エフェクト経験者も大事な戦力だが、業界未経験者ならではの新しい感覚を求めているという。部長を務める大山 源氏は次のように語る。「ゲームが好きで、いろいろなゲームやエンターテインメントを吸収していると、『あのゲームの~』『あの映画の~』という話で盛り上がることができて、その中でまたアイデアを膨らませることができる。そういう引き出しの多さを求めたいですね」(大山氏)。

  • 大山源氏
    (サービス統括本部 部長)


意見を求める際も、そのアイデアをユーザーさまが喜んでくれるかどうかという視点が大事で、つくるだけではなく遊び心という観点で意見交換を重ねたいという。「みんなでつくっているので、より良くするために様々な意見を言い合える仲間がいいですね。もちろん制作経験豊富な方も求めています。新卒も含め、若いメンバーを引っ張ってくれるような頼れるベテランの方は貴重ですし、またゲーム機の性能が今ほど高くなかった時代に課題をくぐり抜けてきたノウハウは、今まさにモバイルの現場が求めているものでもあります」(大山氏)。

積み上げてきたキャリアを新たな分野に活かす

エフェクトの枠を超え「キャラクターの総合演出」として確立された『白猫』のエフェクト。デザイナーに与えられた裁量の大きさに裏付けられた表現の幅が大きな魅力を放っている。アイデアのインパクトやデザインセンス、演出力など、得意分野をもっている方には活躍のチャンスがあるのではないだろうか。デバイスの進化やトレンドに合わせてモバイルゲーム自体も常に進化していく必要がある。ゲームが好きでそうした状況にも柔軟に対応していく気持ちがあれば、ぜひコロプラの扉を叩いてみてほしい。

裁量の幅が広いからこそ生まれるやりがい

▲マネージャー・M.M氏(画像右)は映像プロダクジョンからコロプラに転職し、ゲーム開発は未経験ながら『白猫プロジェクト』のエフェクトを確立していった。関西出身のC.Y氏にたこ焼きのエフェクトをつくるよう推したのもM.M氏である。「映像業界にいた頃はクライアントの要望や案件という括りの中でつくってきましたが、今は『こういうことをやりたいよね』と考えたものを自分の裁量でつくっていくことができます。そういう意味では、作品を通して発信者になったということを実感しますね。ひとりひとりの判断で動ける裁量の大きさはとても魅力的です」(M.M氏)

RECRUITING コロプラ求人情報

コロプラではエフェクトをはじめ、様々な職種のデザイナーを募集中!
ゲームが好きで、自身のこれまでに培ったスキルや経験を活かし、新たな分野に挑戦したいという強い意気込みをもった人が求められている。
詳しくは下記Webページまで。

cgworld.jp/jobs/30379.html

TEXT_ks
PHOTO_弘田 充

Profileプロフィール

コロプラ/colopl

コロプラ/colopl

K.M氏(サービス統括本部 デザイナー)、大山 源氏(サービス統括本部 部長)、C.Y氏(Kuma the Bear開発本部 デザイナー)、M.M氏(Kuma the Bear開発本部 マネージャー)

http://colopl.co.jp/

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