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スマートフォンだけで簡単にゲーム配信ができるアプリケーション「Mirrativ(ミラティブ)」を開発・運用する株式会社ミラティブ。「エモモ」と呼ばれる3Dアバターを通じてコミュニケーションを促進し、ゲーム配信を軸にコミュニティ形成をねらう同社には、「スモールチームでスピード感をもって開発を進める」という文化が根差している。高品質な3Dモデルを毎週実装するスピード感や、デザイナー・エンジニア主導の開発スタイルについて、同社のコアメンバー2名に聞いた。

TEXT_神山大輝 / Daiki Kamiyama(NINE GATES STUDIO)
EDIT_小村仁美 / Hitomi Komura(CGWORLD)

記事の目次
ハイクオリティの3Dアバターが支える「ゲーム配信ならではのコミュニティ形成」
デザイナードリブンでリッチな表現にこだわった開発
「小さく速くつくり、速くリリースする」スピード重視の社内文化
デザイナーとエンジニアがタッグを組み、1本のゲームをリリース
フルリモートを前提とした働き方の設計
アバター文化を軸にスマホ版メタバースへ

募集職種

▼デザイナー
①3Dモデラー
②3Dモーションデザイナー
③3Dデザインマネージャー
④アバター2Dデザイナー(イラストレーター)
⑤2Dアートディレクター
⑥3Dモデラー(第二新卒)
⑦3Dモデラー(業務委託)
⑧2D背景デザイナー(業務委託)
⑨テクニカルアーティスト

▼エンジニア
①Unityエンジニア
②テクニカルアーティスト

https://www.mirrativ.co.jp/recruit/

ミラティブでは、雇用形態問わず、幅広い職種の採用を強化しています。
3Dデザイナー向けの資料を公開しているので以下からぜひご覧ください。

ハイクオリティの3Dアバターが支える
「ゲーム配信ならではのコミュニティ形成」

CGWORLD編集部(以下、CGW):まずはお二人の自己紹介をお願いします。

下原雄大氏(以下、下原):3Dデザインマネージャー兼テクニカルアーティストの下原です。3Dアーティストのマネジメント業務に加え、新規機能の開発やアバター開発のリード、シェーダなどテクニカル面のアップデートを担当しています。


  • 下原雄大氏
    株式会社ミラティブ
    3Dデザインマネージャー兼テクニカルアーティスト
    大阪芸術大学を卒業後、DONUTSに新卒入社し、3Dデザイナーとしてゲーム運営・新規開発に従事。2018年12月にミラティブにジョイン。現在は3Dチームのマネージャーとしてマネジメントや新規開発を担う


菅谷琢磨氏(以下、菅谷):Unity リードエンジニアの菅谷です。アバター全般の機能開発およびイベント運用を担当するほか、ミラティブ内でプレイ可能なミニゲームの開発などを担当しています。


  • 菅谷琢磨氏
    株式会社ミラティブ
    Unityリードエンジニア
    東北大学大学院修了後、DONUTSに新卒で入社し複数のリズムゲーム開発に携わる。新規開発と運営の両方でリードエンジニアを経験した後、2020年にミラティブにジョイン。現在はUnityエンジニアとして、Mirrativ内のアバター機能「エモモ」の開発・運用に力を注ぐ


下原:当社は「Mirrativ(ミラティブ)」というゲーム配信プラットフォームの開発および運用を行なっています。スマートフォン1台でゲーム配信が可能で、3Dアバターを通じた交流など、コミュニティ色の強いサービスになっています。

CGW:数多くの配信サービスがある中で、「ミラティブ」アプリならではの特色について教えてください。

下原:「配信」というと、1人の人気配信者がいて、その人の視聴者が何千人といるような姿を想像しますが、ミラティブの場合は「1人の配信者のゲームプレイを、仲の良い数人が見ている」という小さなコミュニティがたくさんあるようなイメージです。「友だちの家で一緒にゲームを遊んでいる感じ」というコミュニケーション空間がコンセプトになっています。

菅谷:ゲーム配信って、間がもつんですよ。雑談だけだと、常に何か話していなければならないという配信者側の負担もありますし、視聴者側もずっと聞いているのは大変だったりします。ただ、ゲームが中心にあることで、仲の良いメンバーが長くミラティブ内に滞在するという状況をつくれているんですね。そして、そのコンテンツを他社、つまり世の中のゲーム会社のおかげで供給し続けられるのがミラティブの強みだと感じています。我々は内側からアバター開発やミニゲーム開発をはじめとするサービスを提供し、外側からも良質なコンテンツが提供される。2つの軸でアプリを成長させることができています。


  • ◀ミラティブアプリの配信イメージ

下原:ミラティブには同じゲームをプレイしているユーザー同士が集まりますので、必然的に濃いコミュニティが形成されるんですね。KPIの面で見ても良い影響がありますし、「ゲームを知ってもらえる」「ゲームを継続的に遊んでもらえるコミュニティができる」というのはゲーム会社にとっても大きなアドバンテージになりますので、Win-Winの関係で協業をさせていただいております。だからこそ、様々なタイトルとのキャンペーンを多く実施させていただいているわけです。

デザイナードリブンでリッチな表現にこだわった開発

CGW:そのようなユーザー同士のコミュニケーションを支える3Dアバター機能「エモモ」については、どのように開発されていますか?

下原:ユーザーの皆さまが顔出しをせずに配信ができるよう、「エモモ」というアバター機能を開発・運用しています。スマートフォンアプリながら高品質な3Dモデルが特徴で、新しい衣装をイベントなどで毎週リリースしています。衣装デザインは社内のデザイナーが手がけており、ラフの段階でOKになれば三面図を起こしてモデル制作に取りかかります。当社はモデリングにある程度の分業制を敷いており、髪や目、靴などのパーツごとに分けて制作を進めたのち、Unity上でセットアップを行なっています。リリースの3ヶ月前からデザインを進めていることが多いですね。



▲エモモの衣装の一例。和風やゴシック、ゆめかわ系など、非常にバリエーション豊かだ


▲「焔獄のサタン Roulette」衣装の三面図

▲左:三面図を基にモデリング/右:Unityに持ち込み揺れものなどのセットアップを行う


▲Unity上の内製ツールで動作を確認


  • ◀衣装リリース告知のバナー


CGW:このアバターが動いたり喜んだり、ギフトを贈り合うことで、ユーザー同士のコミュニケーションを促進しているということですね。エモモならではの特徴などがあれば教えてください。

菅谷:見た目に関する部分は、デザイナードリブンで動くことが多いですね。プランナー発信ではなく、デザイナー自身が「こういう衣装をつくりたい!」とユーザーの反応を見ながらデザインを進めるスタイルは珍しいかも知れません。エンジニアとしては、デザイナーの要望にできるだけ忠実に応えて、見た目の部分のクオリティを上げていくことに徹しています。

下原:表現面での特徴としては、ミラティブではアプリの仕様上スマートフォンの処理能力をほぼ全てアバターに使えるため、頂点数やテクスチャ解像度などがリッチに使えています。モデルのつくりはシンプルに、それでいてデザイナーの考える理想像を3Dでリッチに見せるためのシェーダやマテリアルはこだわって開発する。セル調CGの表現において、妥協せずに調整を行い、質の高いモデルをつくり続けたいとは考えています。

▲髪には歪みテクスチャを用いた天使の輪表現や、頂点カラーによる肌に透ける前髪表現、影色の彩度補正など、リッチに見せるためのしくみが数多く用意されている。髪色のグラデーション(左)や星を散りばめたような表現(右)もそのひとつ


菅谷:アバターの素体についても、ボーンの後付けや柔軟な揺れもの制御、角や帽子などの小物の位置指定など、後から自由にカスタマイズを行えるしくみにしています。2Dデザインの際も3Dモデリングを行う際も、「つくるときの表現の幅を狭めない」ということを大切にしています。


▲ヒール靴用のブレンドシェイプOFF(左)/ON(右)


▲振袖の衣装に追加されたボーン

下原:ユーザーにとって、「誰でも簡単にかわいいアバターが作れる」ということを重視しています。細かくパラメーターをいじって目の位置を調整・・・といった機能は意図的に入れていません。アバターの作成の難易度が上がってしまい、かわいいアバターを作りづらくなってしまうからです。また、アバターといえば衣装のコーディネートですが、エモモにおいては衣装を揃えた時の見た目のクオリティを優先し、細かい組み合わせによる貫通や破綻はある程度許容しています。たとえば、タイトなズボンを履いてる時に、フリルなどが付いたニーソックスを履いたら当然ズボンからフリルが貫通するのですが、そもそもそんなコーディネートはしないですよね。3D的な縛りはある程度割り切って、色んなクリエイティブに富んだ衣装デザインを進めていける環境をつくっています

CGW:モデラー自身が、揺れものなどの設定まで行うのでしょうか。

下原:はい。当社の3Dチームは現在11名で、内訳はモデラー8名、モーションデザイナー2名、マネージャー1名となっています。当社では3Dデザイナーと呼称しておりますが、基本的にはモデリングからUnityでのセットアップ、それに加えてUnity Timelineでのギフト演出の制作までを担当しています。視聴者が配信者に贈るギフトの演出は毎月新しくつくっており、これもデザイナー自身が演出を考えています。



▲クリスマスのギフト演出(上)と、UnityのTimeline機能による演出制作の様子(下)

菅谷:アバターをつくって着せ替えして終わりではなく、アバター同士がプレゼントのやり取りを行う、つまり体験そのものをギフトという形式で提供できるのは、相互のやり取りの中でも重要な部分です。オブジェクトをたくさん置きすぎるとアプリが重くなったり、実機上で動くかわからないものもありますが、まずはデザイナーにつくってもらって、その後我々エンジニアが負荷を計測して改善するというながれで作業しています。

「小さく、素早くつくって提供する」スピード重視の社内文化

CGW:衣装のつくり方やギフト演出の考え方など、デザイナー自身が自由な発想を活かして制作しているように見受けられます。一般的なトップダウンのつくり方というより、主体的にボトムアップで発想をしている感覚でしょうか。意識されている社内文化などはありますか?

下原:当社ならではの文化で、「できるだけスピーディに試して、結果を評価して、次のアクションに繋げる」ということは強く意識されています。小さく、速くつくってフィードバックを受け取るという「Minimum Viable Product(MVP)」の考え方が根付いていますね。リリース2週間前に特殊なシェーダの要望が来て、1〜2日で書いて、評価した上で運用に乗せきる、というようなスピード感は、当社の文化と言って良いのかも知れません。昔、とあるVTuberとのコラボレーション案件では、着想から1日で衣装を実装したということもありました。さすがに今はないと思いますが、現場の勢いなども開発に重要な要素だとは考えています。

菅谷:一般的にエンジニアは完璧主義者が多いと思いますが、当社ではなるべくNOは言わないようにしています。「何となく上手く動いている」という特殊効果も、動いているなら良しということで実装してしまう。「今は問題が見えていないが、今後出るかも知れない。だからNO」ではなく、まずはリリースしてみるという文化があります。もちろん、何か問題が起きれば、すぐにトラブル対応ができるよう準備しながらです。バグが絶対ないもの、どのようなルールになっても破綻しないものをつくるより、スピード感をもって進めていくことを心がけています。

デザイナーとエンジニアがタッグを組み、1本のゲームをリリース

下原:大規模なチームではないので、エンジニアとデザイナーの連携も非常に密になっています。面白い開発事例としては、2021年8月にミラティブ内のミニゲームとして「エモモRUN」という、アバターによる視聴者参加型ランゲームをリリースしましたが、こちらは私と菅谷の2名だけで制作しているんです。


  • ◀「エモモRUN」

CGW:開発が2名というのは驚きました。デザイナーとエンジニアが1名ずつということでしょうか。

菅谷:そうです。Unityエンジニア1名とデザイナー1名で、1つのゲームをつくっています。本来ならディレクターやプランナー、2Dデザイナーなどが入ってくると思いますが、小さく作って早く出すというコンセプトなので、スピード感のある2名編成でやっています。デザインに関わるところはデザイナーが直接触れば良いので、私は基盤だけ制作して、「あとはよろしく!」という感じでした。

下原:エンジニアにはエンジニアにしかできない実装をしてほしいので、基礎機能をつくってもらったあとは自分が見た目に関わる部分全てとエフェクト周りをUnityにどんどん入れていきました。開発を進めながら、実装的にややこしい演出などがあれば、菅谷に相談してすぐに実装してもらうというながれでした。例えばUIの動きひとつとっても、アニメーションの感覚を口頭で伝えるのは難しいので、Unity側でビジュアルスクリプトで組んで「この挙動で実装してほしい」と依頼して、これを基に適切な実装をしてもらうというながれになっていました。


▲Unity上のビジュアルスクリプティングでデザイナーが挙動のベースを制作

菅谷:言ってしまえば下原がPMとレベルデザイナーを兼任しているようなもので、とにかく自由に開発しているんですよ。ただ、こうした作品に対してNOを突きつけてくる社員はいません。むしろ「スモールにつくったものをどう料理すれば面白いか?」を一生懸命考えてくれる文化があって、例えば「エモモRUN」などはシーズンごとにレアアイテムを入手できる機会として活用しています。我々は臆せず、良い作品をつくるだけなんです。

CGW:その意味では、デザイナーとして入社した方も、自身が望めばこうしたゲーム開発に主体的に関わっていけるのでしょうか?

下原:それはもう、やりたいと言ってくれればぜひです。

菅谷:「エモモバトルドロップ」というミニゲームでも、マシンデザインなどはデザイン部分から含めて丸ごと下原以外のデザイナーが手がけています。先ほどのギフト演出しかり、デザイナー自らが発案したり、発想を活かせる土壌になっていると思います。


  • ◀「エモモバトルドロップ」

フルリモートを前提とした働き方の設計

CGW:密に連携を行なっているという部分について、現在ミラティブではフルリモート勤務が基本となっているとお伺いしています。コミュニケーション面に工夫はありますか?

下原:はい、当社では原則フルリモートで、コロナ禍が終わっても継続する予定です。私自身もいまは地元の奈良県に戻っております。新しく入ったメンバーも土地柄は様々ですし、住むところは自由です。こうした中において、コミュニケーション量が減るのは、確かに大きな課題でした。現在はGatherで常時接続しているほか、月に1度の全社会でオンラインのボードゲームによる交流をしたり、声をかけたい社員がいればすぐにMeetが立ち上がるようなしくみを採り入れたりしながら業務を進めています。


▲Gather上での交流会の様子

菅谷:フルリモートを出社の代替、劣化版と考えるのではなく、フルリモートならではの方法論によって生産性を上げることができるだろうと感じています。コミュニケーションについては、社員手動で課題解決を進めていったという実績があります。フルリモートならフルリモートなりの良いやり方をみんなで見つけていこう、というながれがありました。当社は変わることを良しとする人が多いので、強引な方針転換というよりは、ごく自然にフルリモートに行きついたという印象です。


▲下原氏のリモートワーク作業環境

アバター文化を軸にスマホ版メタバースへ

CGW:最後に、今後ミラティブとして目指す表現の方向性について教えてください。

下原:第一に、グラフィック面のクオリティの追求をし続けたいと考えています。スマートフォン向けアプリケーションにおける3Dモデルは、年々クオリティラインが上がり続けています。業界全体の動向を見ながらアップデートを続け、品質の良いグラフィックスを提供し続けていきたいです。

また、いずれゲームとライブ配信はいま以上に交じり合って、融合を果たすだろうと考えています。『Apex Legends』や『Among Us』は配信を通じて広がったゲームですし、現在は多くの会社が配信ガイドラインをつくったり、配信をサポートするツールを提供しています。ゲーム自体が時代に合わせて変化している以上、次のフェーズで我々が何を果たすべきか? その未来におけるSNSはどういったものかを、想像しながら仕事をしています。コミュニケーションのためにエモモがありますので、お互いをわかり合うというアクションを、エモモを通じてより深く行えればと考えています。

菅谷:最近は「メタバース」というワードを良く耳にします。Mirrativも一種のメタバースといえますが、流行り廃りに関係なく、我々はこれまでやってきたことを続けていきます。Mirrativが提供するアバター文化、ゲーム配信を通じた誰かとのコミュニケーションなど、Mirrativ独自の文化には価値があります。空間があるだけではなく、その中心部分にはゲームがあり、これを軸にコミュニティ形成を促すことができるサービスとして、今後も同じ方向性で進んでいきたいです。

一方、アバターについては、デザインやアクションについて、技術的な縛りが自由なコミュニケーションを妨げてしまうと考えています。エンジニアとしては、そうした制限をなくしていきたい。同時に、今ミラティブが提供するサービスと、それを取り巻く文化について、さらに多くの方に知ってもらうべく、今まで以上に情報発信に努めたいと考えています。


ミラティブでは、雇用形態問わず、幅広い職種の採用を強化しています。
3Dデザイナー向けの資料を公開しているので以下からぜひご覧ください。

募集職種

▼デザイナー
①3Dモデラー
②3Dモーションデザイナー
③3Dデザインマネージャー
④アバター2Dデザイナー(イラストレーター)
⑤2Dアートディレクター
⑥3Dモデラー(第二新卒)
⑦3Dモデラー(業務委託)
⑧2D背景デザイナー(業務委託)
⑨テクニカルアーティスト

▼エンジニア
①Unityエンジニア
②テクニカルアーティスト

https://www.mirrativ.co.jp/recruit/