[PR]

専門学校で充実した学生生活を過ごし、CGプロダクションやゲーム会社に就職した先輩たちへのインタビューを通して、CGの専門学校の選び方と、在学中のスキルアップ術を紹介していく本連載。 第3回目では、東京デザインテクノロジーセンター専門学校(以降、TECH.C.)に入学した後、アニメーターを志した二丹田 晴加氏を紹介する。 入魂のデモリールが Tango Gameworksの目に留まり、2016年4月からの入社が決定するまでの経緯を振り返ってもらった。

(※本記事は、CGWORLD Entry VOL.015からの転載です)

『サイコブレイク』のプレイ画面。Tango Gameworksの開発者は、全世界のマーケットを対象とする、リアルな世界観のゲームを得意としている。 「日本のRPGも、北米のフォトリアルなシューティングゲームもやり込んできたので、テイストの好き嫌いはまったくありません」と二丹田氏は語る
©2015 ZeniMax Media Inc. All other trademarks or trade names are the property of their respective owners. All Rights Reserved.

自分の目だけでは欠点に気づけない

TECH.C.校内で開催された合同企業説明会でTango Gameworksのアニメーターに見せたデモリールがきっかけとなり、内定が決まった二丹田氏。 「作品を見たインゲームのアニメーターと、カットシーンのアニメーターが2人揃って"とても良く出来ていた"と報告してきたので、面接にご足労いただきました」 と、リードアニメーターの本多宗介氏は当時をふり返る。「タイミングとポージングの基礎が備わっており、"いっぱい動かしたい"というやる気が伝わってきた点が好印象でした」。 特にタイミングの感覚は、教わっても、本を読んでも、一朝一夕には身につかない。だからこそ、その感覚が既に身についている人は、入社後の成長が速いという。

「集中的にアニメーションをやると決めてからは、YouTubeやVimeoに投稿されているアニメーターのデモリールを何度も見返し、自分の動きと何がちがうのかを考えました」(二丹田氏)。 導き出した結論を踏まえて動きを何度も修正し、TECH.C.の先生たちに見せてはアドバイスをもらったという。 「プロですら、自分の目だけでは欠点に気づけないことが往々にしてあります。周囲の上手い人たちの目を借りて"フィルターの目"を細かくすることがすごく重要です。 多くの人に意見をもらいながら反復作業を行い、スピードアップも心がける。そうやって経験を重ね、腕を上げるほど、難しくて面白い仕事を任されるようになります」(本多氏)。

学生時代の作品 01
2年次のゲームプロジェクト


TECH.C.のゲームプロジェクトで二丹田氏が担当したキャラクターのアニメーション。 「幼い男の子という設定だったので、かわいらしい動きにするように心がけました。身体の動きに合わせて帽子やローブも動くように設定しており、特にローブの微調整には時間をかけました」(二丹田氏)

学生時代の作品 02
3年次のデモリール


デモリールの冒頭を飾る6秒のOPアニメーション。"アニメーションが得意"だとアピールするため、キャラクターがダイナミックに動く作品仕立てになっている。 「インパクトのある構成にしようと、先生に相談しながら順番を決めました。Tango Gameworksのアニメーターには、OPを一番評価していただきました」(二丹田氏)

Q1
TECH.C.を選んだ理由は?

TECH.C.の1教室あたりのコンピュータの台数は多くても30台。1度に講義を受ける学生の数は15~20人程度となっている。 このような少人数体制で講義を受けられることがTECH.C.を選んだ理由だと、二丹田氏は語る。 「自分から先生のところまで質問に行くことが苦手だったので、先生の目が届きやすい、なるべく少人数の講義が良いと思っていました」。 二丹田氏の場合はアニメーションに特化した個別指導も受けられたので、着実なレベルアップができたとふり返る。 「2年の春のゲームプロジェクトで初めてアニメーションを担当し、段階的に難しい課題に挑戦していきました。 現役アニメーターの先生が出す課題は、特に楽しかったです」。

Q2
TECH.C.での最大の学びは?

二丹田氏が3年に進学してから受講を始めた、現役アニメーターの先生による講義は特に印象に残っているという。 「平日はアニメーターとして仕事をしている先生で、土曜だけTECH.C.に来て、色々な指導をしてくださいました」。 出された課題を翌週までに仕上げ、講評をしてもらい、また新たな課題に挑戦するサイクルを繰り返すことで、徐々に作品のレベルが上がっていったとふり返る。 「週末のたびに答え合わせをしてもらっているような感覚でした。特に勉強になったのは構図ですね。 横長の画面のどの位置に、どのくらいの大きさでキャラクターを収めると気持ちが良いのか、作品のブラッシュアップを通して教えていただきました」。

~学校紹介~
東京デザインテクノロジーセンター専門学校

実際のゲーム開発に近いプロセスを経験


  • 毎年9月に開催され、国内外から多くの来場者が詰めかける「東京ゲームショウ」。この会場での展示を目標に、例年多くのTECH.C.在校生がゲームプロジェクトに挑戦する。 学生たちはゲームの企画を自分たちで立案し、プレゼンテーションを行い、学生間の投票を経て有望な企画を絞り込み、α版、β版の発表会を経て、東京ゲームショウ当日を迎える。

開発の途中には、ゲーム開発者を招いて講評を受ける機会もある。 実際のゲーム開発に近いプロセスを経験することで、実践的な問題解決力やプレゼンテーション力を身につけることがねらいだ。 二丹田氏も、在学中に3つのゲームプロジェクトに参加している。

TEXT_ 尾形美幸(CGWORLD)



  • ●学校情報
    東京デザインテクノロジーセンター専門学校
    〒169-0075
    東京都新宿区高田馬場2-11-10
    TEL:0120-00-5586
    URL:http://www.tech.ac.jp/