Blackmagic Designは、Mac OS X/Linuxに対応した「Fusion 8」と、50以上の新しい編集/カラーグレーディング機能が追加された「DaVinci Resolve 12」を発表した。
詳しくはこちらこちら

■ 「Fusion 8」について

Blackmagic Designは、Mac OS XおよびLinuxに対応する「Fusion 8」を発表した。Fusion 8は、世界最先端のビジュアルエフェクト・モーショングラフィック・ソフトウェア。今日まで、FusionはWindowsのみに対応する製品だった。今回、登場した新しい「Fusion 8」は、すべてのポピュラーなオペレーティングシステムで使用できる。「Fusion 8」は、NAB 2015のBlackmagic Designブース(#SL219)にて、Mac OS XおよびWindowsを使用して展示される。
2014年11月、BlackmagicはWindows対応のFusionを無料で、全く新しいFusion StudioをUS$995で発表し、ビジュアルエフェクト業界に旋風を巻き起こした。それ以前は、Fusionなどハイエンドのビジュアルエフェクトツールには何千ドルものコストが必要であっため、これらのツールを使用できるのはハリウッドの精鋭ビジュアルエフェクトアーティストに限定されていた。しかし今日、FuisonがMacおよびLinuxに対応したことで、これまで以上のユーザーがFusionを使用できるようになった。モーショングラフィックアーティスト、放送デザイナー、映像編集者、ビジュアルエフェクトアーティスト、3Dアニメーターなど、無数のクリエーターにFusionの扉が開かれたのである。
Fusionはハリウッドの主要なビジュアルエフェクト/モーショングラフィックツールであり、過去25年に渡って何千本もの劇場映画やテレビ番組で使用されてきた。主要な作品に『マレフィセント』、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』、『シン・シティ: ア・デイム・トゥ・キル・フォー』、『アメイジング・スパイダーマン 2』、『ハンガー・ゲーム』などの映画、そして『宇宙空母ギャラクティカ』、『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』などのテレビ番組が挙げられる。
Fusionは、ノードベースのパワフルなインターフェイスを搭載。洗練されたビジュアルエフェクト合成を驚くほど簡単に構築できる。ノードは小さなアイコンで、エフェクト、フィルター、他のイメージ処理操作を表示。ノード同士をあらゆる順番で接続することで、無制限のビジュアルエフェクトを作成できる。ノードはフローチャートのように論理的に配置できるため、ユーザーはフィルターやエフェクトを含む複雑に入れ子化したレイヤーを探し回る必要がない。タイムラインベースのアプリケーションと同様、Fusionで作成するプロジェクトでは、ノードをクリックするだけで確認・調整が可能だ。
数多くの内蔵ツールで構成されるツールセットは、キーイング、オブジェクトのトラッキング、ロトスコープ、イメージのリタッチ、タイトルのアニメート、高品質なパーティクルエフェクトの作成などに対応。これらすべての作業を真の3Dワークスペースで実行できる。Fusionは3Dモデル、ポイントクラウドデータ、カメラからの読み込みにも対応。さらにMaya、3ds Max、Lightwaveなどから3Dシーン全体を読み込み、他のエレメントとシームレスにレンダリングできる。ディープピクセルツールを使用すれば、ワールドポジションパスを使って、霧や光のボリューメトリックエフェクト、レンダーしたオブジェクトの反射のマッピングを追加できる。つまりユーザーは、優れた大気効果を作成して、数秒でレンダリングできるのだ。
Fusion 7およびFusion 7 Studioは、Windowsに対応。今年の7~9月に発売予定の「Fusion 8」および「Fusion 8 Studio」は、Windows、Mac、Linuxに対応する。
今回のアップデートで、ユーザーは編集やカラーコレクションで使用するコンピューターにFusionをインストールし、作業を開始できる。Fusion 7 Studioユーザーは、現在のドングルをMac/Linuxバージョンで使用できる。さらに「Fusion 8」で作成したプロジェクトは、3種類のOSすべてのプラットフォームで互換する。
「FusionをMacで少しでも早く使用できるよう、私たちは努力を重ねてきました。今年のNABにて、FusionのデモンストレーションをMacで行えることを非常に楽しみにしています」と語るのは、Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏。「数多くの新しいアーティストたちがFusionを使用できることを、大変喜ばしく思っています。彼らが新しいFusionで作成する作品を見るのが楽しみでなりません!DaVinci Resolveと同様、Fusionも年間の維持費や定期購読費などは一切なく、クラウドへの接続も必要ありません!」。

購入と価格
「Fusion 8」(Mac OS X/Windows)は、今年の7~9月よりBlackmagic DesignのWebサイトで無償ダウンロード開始予定。「Fusion 8 Studio」(Mac OS X/Windows/Linux)はUS$995で発売予定。現在のFusionユーザーはBlackmagic DesignのWebサイトより無償でダウンロードできる。

■ 「DaVinci Resolve 12」について

Blackmagic Designは、50以上の新しい編集/カラーグレーディング機能を追加するメジャーアップデート、「DaVinci Resolve 12」を発表した。今回のアップデートには、新しいモダンなインターフェイス、マルチカメラ編集、パワフルな新しいメディア管理ツール、VST/AUプラグインに対応した全く新しいプロ仕様のオーディオエンジン、ショットマッチング、3Dキーヤー、遠近トラッカー、カーブ編集機能の向上などが含まれる。「DaVinci Resolve 12」は、NAB 2015のBlackmagic Designブース(#SL219)にて展示される。
「DaVinci Resolve 12」は、新しいモダンなインターフェイスに対応。全体的な配色が明るくなり、新しいフォントを採用して目への負担を軽減しているため、長時間の作業にも容易に対応できる。新しいインターフェイスは拡張可能で、Retinaディスプレイなどの高DPIモニターでも美しく見えるよう設計されている。新しいトップダウンのナビゲーションによりスピーディにレイアウトを選択でき、ユーザーは作業空間を柔軟にカスタマイズできる。
「DaVinci Resolve 12」の新しいマルチカメラ編集機能により、エディターは複数のソースからプログラムをリアルタイムで編集することが可能となる。「DaVinci Resolve 12」は、タイムコード、オーディオ波形、あるいはイン点/アウト点を元に、複数のカメラアングルを同期できる。オーディオおよび/あるいはビデオを編集している最中に、ソースモニターはグリッドに複数のカメラアングルショットを表示し、これらのショットを同期再生する。
マルチカメラ編集機能に加えて、「DaVinci Resolve 12」では、多くの主要な編集機能が向上。トリムモード、マルチスリップ、スライド、リップル、ロール編集の機能が向上し、エディターは同一のトラック上でも複数のポイントを選択して、クリップの動的トリムや非対称トリムが可能である。タイムラインは、入れ子化、同時編集、拡大/縮小に対応し、規模が大きく多くのシーンを含むプロジェクトの編集が飛躍的にシンプルになる。また、新しいトランジションカーブ機能により、エディターはトランジションパラメーターのカスタムカーブを作成/編集できる。新しいオンスクリーンコントロールを使ってタイムラインビューアから直接モーションパスを確認/調整することも可能だ。
「DaVinci Resolve 12」は、全く新しい高性能オーディオエンジンに対応。高サンプリングレートに対応し、JKLトリムを行っている際の逆方向再生やテープスタイルのスローモーションスクラブなど、リアルタイムのオーディオ再生性能を大幅に向上させる。VSTおよびAUプラグイン、そしてそれぞれのカスタムインターフェースがサポートされており、各クリップ/トラック全体で使用できる。オーディオパラメーターの調整は保存可能で、編集可能なオートメーションおよび完全なカーブエディターに対応している。つまり、エディターたちはプロジェクトをAAFファイルで直接ProToolに書き出してオーディオのフィニッシング作業を行うことが可能になったのだ。
「DaVinci Resolve 12」では、編集ワークフローに適応するよう、メディア管理機能が再設計された。ユーザーは、新しいコピー、移動、トランスコード、再リンク、統合ツールを使用してプロジェクトやメディアを管理可能だ。メディアを含む全プロジェクトを簡単にアーカイブ/復元することもできる。またResolve 12では、スマートビンを作成することで、大規模なプロジェクトにおいてもメディアを簡単に検索できる。スマートビンは、メタデータのタグを元にフッテージを表示する。ユーザーは、FinderまたはWindows Explorerからドラッグするだけでメディアを読み込んだり、新しい「お気に入り」機能で、ディスク上の頻繁に使用するメディアフォルダーにワンクリックでアクセスしたりできる。
DaVinci Resolveを愛用しているカラリストたちは、優れた新しいツールが導入されたことに気づくであろう。これらの新しいツールは、これまでよりさらにクリエイティブなグレーディングオプションを提供する。Resolve 12に、DaVinci独自のカラー管理タイムラインおよびACES 1.0トランスフォームのサポートが追加され、DaVinciの持つ名高い高度なカラーサイエンスが改良されたことにより、管理されたパイプラインで作業を行なっているスタジオでも一貫した結果を得られるようになる。
使い勝手のよい新しいカーブインターフェイス、複数のクリップの自動カラー分析/マッチ機能、非常に正確な3D遠近トラッカー、マットフィネスオプションの付いた新しい3Dキーヤーが追加されたことで、主要なグレーディング/カラーコレクションツールも大幅に改善された。カラリストたちは、独自のスマートフィルターを定義すること、ウィンドウをベジェに変換すること、複数のノードを統合ノードにシンプルに見やすくまとめること、複数のクリップに渡ってグレードをリップルすること、プリ/ポスト・グループグレードをクリップの各グレードに統合することが可能となった。
「DaVinci Resolve 12」は、リモートレンダリングにも対応。大規模なスタジオで作業しているユーザーは、レンダリングジョブを、同じデータベースおよびストレージを共有する別のResolveシステムに分配できる。
編集機能が大幅に改善された「DaVinci Resolve 12」は、他のNLEとの統合性も高まった。編集タイムラインは他の編集ソフトウェアと「ラウンドトリップ」が可能で、より多くの設定、プラグイン、編集を保存できる。例えば、Final Cut Pro XからXMLファイルを読み込む際、「DaVinci Resolve 12」はマルチカメラクリップを読み込んで、すべてのオリジナルのカメラアングルショットを保存できる。また、オーディオサポートも大幅に改善され、Final Cut Pro Xのオーディオタイムラインとマッチするので、より優れたコラボレーション・ワークフローを実現できる。融通の利かない特定のプラットフォームに縛られることなく、異なる分野のスタッフでも使い慣れたツールを使用できるのである。
「DaVinci Resolve 12は、非常に素晴らしいアップデートです。エディターの皆様にも、カラリストの皆様にも評価していただけることでしょう」と、Blackmagic DesignのCEO、グラント・ペティ氏は語る。「ユーザーの皆様からリクエストされていた機能を数多く組み込みました。さらに、マルチカメラやその他の優れた新しい編集機能を追加したのです。Resolveは、クリエイティブな編集にも、フィニッシングにも最適です。Resolveは、ボタンをクリックするだけで、編集からグレーディングへと切り替えられる唯一のシステムです。つまり、一切妥協することなく、スピーディかつ高品質なワークフローを実現できるのです。そしてResolveの一番の利点は、DaVinci Resolve Liteを無償でインストールして、プロジェクトに使用できるということです。定期費用などは一切かからず、クラウドへの接続も必要ありません。独自仕様のハードウェアを購入する必要もありません!」。

購入と価格
すべてのDaVinci Resolveのユーザーは、7月より、Blackmagic DesignのWebサイトで「DaVinci Resolve 12」のアップデートを無償でダウンロード可能。