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第 6 回:作画の技法を 3DCG に活かす

第 6 回:作画の技法を 3DCG に活かす

こんばんは、サンジゲン のまみやです。絶賛放送中の 『ブラック★ロックシューター』(以下『B★RS』) ですが、フジテレビでは先週ついに最終回を迎えました。みなさま、ご覧いただけましたでしょうか?
制作に追われていた現場も、最終話の O.A. だけは清々しい気持ちで観ることができたのではないかと思います。当日は、ニコニコ生放送で吉岡 忍監督と今石洋之 CG 特技監督、さらには当社の松浦(裕暁氏)を交えてのトークショーが行われておりましたが、監督目線ならではのお話をたくさん聴くことができました。そんな最終話のカットは次週ご紹介します! その前に今回は、怒涛の展開をみせた 第 7 話「闇に駆ける星に願いを」 のカットをご紹介いたします。

『ブラック★ロックシューター』第 7 話・場面写真2

© BRS on TV

第 7 話「闇に駆ける星に願いを」(その1)

【CUT 148】〜"コマを増やす"という、リミテッドの表現〜
(アニメーター/石田竜平)

ストレングス(STR) が、インセインブラックロックシューター(IBRS) をぶん殴るカットです。3D でアニメーションを作る場合、普通は作画に近づけるためにアニメーションのコマを抜く(動画の枚数を減らす)のですが、コマを抜くだけではなかなか作画っぽくなってくれません。ですので、このカットでは、意図的にコマを増やしたりしている部分を作るなどの工夫をしています。

コマ抜き部分とコマを増やした部分でメリハリを付け、ヌルっとした感じが逆に作画っぽくなるような効果を狙いました。パンチの溜めの部分でやっていますので注目してみてください。溜めているときのコブシに入るハイライトの形もメカなどに入る作画のハイライトを意識して作成したので、そちらも併せて見てもらえたら嬉しいです。
虚の世界のキャラクターたちは基本的にほぼ無表情なのですが、第 7 話からは STR が表情全開になります。サンジゲンのスタッフも STR の表情には悪戦苦闘しました。この回からの STR の表情、ぜひチェックしてみてください。


第 7 話【CUT 148】ショットブレイク。(左上)絵コンテ、(右上)アニマティクス、(左下)3DCG完成、(右下)撮影処理を施した完成形

作画のようにみせるために、コマ数を調節してメリハリをつけたり、作画のハイライトの入れ方を使ったり、と色々工夫をされています。作画風のリミテッドアニメーションは、ただコマを減らしていくのではなく、そのカットに必要なコマを残すことでもあるのですね。また、前回(第 5 回) に引き続き表情のお話がありましたが、やはりみなさん、キャラクターの表情には苦労をしているようです。第 7 話では、STR が感情むき出しの表情になるので、大変だったかと思いますが、7 話目ともなるとみなさん慣れてきたようで、今石監督の表情加筆リテイクも華麗に対応しておりました。石田さんが書かれているように、キャラクターの表情にはぜひとも注目してほしいです!(まみや)

第 7 話「闇に駆ける星に願いを」(その2)

【CUT 164】〜カメラビューのために"敢えて崩す"〜
(アニメーター/三村厚史)

このカットでは、STR の腕の動きに合わせて、カメラをパンさせていますが、キャラクターと BG をそれぞれ別のカメラで素材を出しています。3D のカメラは腕の動きに対して、都合のよいアングルや画角にしているため、決してキレイなカメラワークになっていません。
このため、同じカメラで BG の素材を出してしまうと、当然ですが変な動きになってしまいます。ですので、BG は別の固定カメラを使っています。この場合はフレームのサイズに対して倍以上のサイズの素材を用意し、After Effects で移動させることで、パンを表現しています(俗に言う、"大判パン")。

実際の STR の腕はこんなに大きくありませんが、カメラに対して腕の大きさや形を変えたり、振り上げたときに IBRS を小さくすることで、巨大さが強調されて、より迫力のある絵になったと思います。このように都合よく変形させたり、大きさを変えたりできるのも、アニメ作品の面白いところです。
見た目をセル調にするだけでなく、動きにもアニメ的な手法を上手く取り入れていくこと、またそれに対応できるリグ構造にすることで、3DCG でもより手描きの画に近い表現ができるのだと思います。


第 7 話【CUT 164】ショットブレイク。(左上)絵コンテ、(右上)アニマティクス、(左下)3DCG完成、(右下)撮影処理を施した完成形

セル調にしたり、動きもよりアニメらしくするために、色々な技を詰め込んでいるのですね。必要に応じて、モデルの大きさを変えたり、変形させたりすることは、第 3 回 の記事で櫻木さんが書いていましたが、画に奥行を持たせるのも、カメラワークによって迫力をつけるのも、アニメーターのセンスに由来する部分が大きいと思います。三村さんは絵コンテの意図を汲み、最終的に作り上げる画が見えているからこそ、様々な作画的手法を組み込んでいけるのでしょう。基本的な 3D 空間やアニメーションの中核を理解していなければ、使うことはできない複合技です! 効率的で、カットのクオリティも高まります。『B★RS』のカットには、こうした技術がたくさん盛り込まれています(まみや)

さて次回は、いよいよ最終話(第 8 話)「世界を超えて」です。ぜひ、お楽しみにお待ちください!

TEXT_間宮 舞(サンジゲン

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『ブラック★ロックシューター』メインビジュアル

TVシリーズ『ブラック★ロックシューター』

原作:BRSプロジェクト
キャラクター原案:huke
監督:吉岡 忍
CG 特技監督:今石洋之
シリーズ構成・脚本:岡田麿里
総作画監督・キャラクターデザイン:芳垣裕介
© BRS on TV

公式サイト

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