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Vol.56:顔の変形

Vol.56:顔の変形

感情を引き出す

「顔の変形」は、12 の基本原則における「誇張」の拡張版と言えるでしょう。ウォルト・ディズニーアニメーションでは、12 の基本原則である誇張を次のように定義しています。「戯画化されたリアリズム。説得力があり、人々の心に強く訴えるもの。物事の核心に迫り、そこに見たエッセンスを発展させるべきもの」(『 The Illusion of Life 』より引用)。ここで言うリアリズムとは、現実世界の動きや感情を単純にトレースするという意味でのリアリズムではなく、現実に起こっている動きや情動、感情や表現の核心部分に迫ることで物事の本質を見極め、それをさらに発展させることを指しています。またこれによって、より深く、より強く人の心に訴えるアニメーションを作ることができるとも言われています。誇張というと、単純に画を歪曲させたり暴力的な動きを作りがちですが、本来の誇張の意味はもっと複雑であることが理解できるはずです。

誇張の最大の目的は、キャラクターのもつ感情を最大限にまで引き出すことにあります。悲しさはより悲しく、嬉しさはより嬉しく描くことが目的となります。そういった意味で、キャラクターの顔や表情をどのように動かしていくのかというのは非常に重要な要素です。この連載ではこれまで身体での感情表現をメインに扱ってきましたが、今回はキャラクターの感情の変化に合わせて、表情をどのように変形させていったのかという部分について解説していきます。

TEXT_森江康太(トランジスタ・スタジオ/ディレクター)
書籍「アニメーションスタイル+」著者。MV『Express』等の作品で監督としても活動している。
トランジスタ・スタジオ公式サイト
0130.web(個人サイト)
@kohta0130(Twitter)

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CGWORLD 2015 年5月号 vol.201

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