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第18回:「次世代モニタ管理:ネットワーク越しに全てのモニタを管理する」

第18回:「次世代モニタ管理:ネットワーク越しに全てのモニタを管理する」

こんにちは、パーチの長尾です。カラマネを行うにあたって最も重要になる要素は《モニタ》ですが、時間とともに色が変化する《経時変化》があるため、定期的なメンテナンスが不可欠です。また、プロジェクトの変更に伴って色基準を変更することもあるかと思います。そのため、システム管理の担当者はモニタの管理をし続けるということになりますが、台数が多くなると大変な労力がかかる上に、設定ミスやクリエイターが不用意に設定を変更してしまうなどの問題が発生しやすくなります。とは言え「より良い環境を簡単に手に入れたい!」というのは、皆さん共通の願いだと思います。なので今回は、そんな理想的な環境を実現できる新しいシステムを見ていきましょう。システム管理をしている人は、導入した際の効果をイメージしながら読み進めてみてください。

こんな場合に便利な仕組み

図1は、EIZOが無料で提供してくれる新しいシステム「ColorNavigator Network」です。これはネットワーク越しに全てのモニタを集中管理できる仕組みで、対応モニタはColorEdge CGシリーズ、CXシリーズです。ColorEdge CGシリーズの本体に内蔵された測色器とあわせて利用すると、どんなに離れた遠隔地でもメンテナンス・設定変更を行うことができる優れものです。

図1:ColorNavigator Network概念図
クラウド上のColorNavigator Network Serverを介して、登録したモニタを全て管理することができる

そのため、

・モニタ数が多い
・オフィスが複数ある
・遠隔地に管理者を置く、もしくは派遣することが難しい
・管理の手間を減らしたい
・スタッフが簡単にカラマネをできるようにしたい

という場合には非常に効果的です。
管理者は、「ColorNavigator Network Server」という、クラウド上のサーバを使うことで、「ColorNavigator NX」という管理ソフトをインストールしたPCとColorEdgeを管理することができます。サーバとモニタ側が通信することになりますが、Webブラウザが通常の閲覧に利用する80番ポートを使用するため、改めてポートを開放する必要はなく、セキュリティ上の問題は低いと思います。
もし、外部へポート開放していない、もしくはセキュリティ上どうしても使用できない場合は、LAN内にColorNavigator Network Serverを設置するというやり方もあるかもしれません。このあたりのことは、EIZOさんに相談してみてください。
モニタ管理には通常「ColorNavigator 6」というソフトを使用しますが、この集中管理システムを使う場合は「ColorNavigator NX」というソフトを使用します。この2つのソフトを同時にインストールすることはできません。ColorNavigator NXは、モニタ管理に関する機能や品質に変わりはありませんが、少しだけ使い方と機能が異なります。

具体的な利用シーンからメリットを知る

このまったく新しい仕組みを使うと、どんなメリットが得られるのでしょうか? 具体的な利用シーンを複数検証してみたので、自社の環境に置き換えて考えてみてください。

1.プロジェクトの変更時に一括変更

ゲームや映画など大規模なプロジェクトに限らず、ジョブ単位でも色基準が変わってしまうことがあるかと思います。私は広告ビジュアルを制作しているので、印刷用にはAdobeRGB、Web用にはsRGBを使うため、その都度モニタとソフトの設定を切り替えて仕事をしています。このような色基準の切り替えを多数のモニタで行うのには大変な労力が要りますし、何よりミスが出やすいと思います。
図2は、ColorNavigator Networkの管理画面です。Webブラウザでサーバにアクセスして管理を行います。ここにColorNavigator NXをインストールしたモニタを登録すると、個別もしくはグループ分けして管理することができます。

図2:ColorNavigator Network 管理画面

登録されたモニタに対して、色基準を変更するには、対象となるモニタにチェックを入れて「モニタ設定」ボタンを押します。図3の設定選択画面になるので、プロジェクトやジョブごとに用意しておいた設定を選択します。

図3:設定選択画面

2.設定を複数作成して一括変更

1で設定を変更しましたが、この設定は複数用意しておくことができ、すぐに変更することが可能です。図4は、設定を複数作ったり、色基準をカスタマイズすることができる設定作成画面です。

図4:ColorNavigator Network
モニタ設定作成画面

枠Aで、プロジェクトやジョブごとの設定を多数管理します。その中身は枠BCで設定します。枠Bは、ColorEdge本体の「MODEボタン」と連動していて、CG277、CG247なら10個の色基準をカスタマイズすることができます。制作環境に合わせて値を変更したり、プロジェクト名に名称を変更したりすることができるので便利でわかりやすくなります。

図5:ColorEdge CG277前面パネル
緑色の枠部分が色基準をワンタッチで切り替えるMODEボタン

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