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Vol.11:続・キー合成 ※サンプルデータあります!

Vol.11:続・キー合成 ※サンプルデータあります!

キー合成はNUKEの強みのひとつだ。KeylightPrimatteUltimatteという代表的な3つのキーヤーに加え、NUKE独自のIBK Colour、IBK Gizmoを用いたImage Based Keyingという手法も標準で搭載されている。
さて、前回にひき続きキー合成を取り上げるが、今回はキー合成のクオリティを上げるべく、インテグレーション(なじませ)について紹介していこう。「百聞は一見にしかず」ということで、NUKEのサンプルデータを用意(後述)したので、ぜひダウンロードした上でのご一読いただければと思う。

TEXT_テラオカマサヒロ(Galaxy of Terror



<1>キー合成の問題点

キー合成での一番の問題点は恐らくエッジ処理だろう。前回も同様のことを述べたが、そのエッジ処理が上手くいかない場合に、マット(キー抽出の結果のアルファチャンネル)の調整でなんとかしようとしている人をよく見受ける。筆者の持論ではあるが、キー合成の問題の多くは、キー抽出で起こっているわけではなくて、ディスピル処理やそれに付随するFG(Foreground)の処理で起こっていると筆者は考える。
正確には、完全なキー抽出が可能であれば完璧な合成が可能であるが、それは難しく、ディスピル処理やそれに付随するFGの処理でかなりの部分を解決できると考えているわけだ。

連載「NUKEプラクティカル・ガイド」(第11回:続・キー合成)

<1> (左)ディスピル処理が上手くいっていない例/(右)それをディスピルだけ調整したもの

実際、もちろんCGでのアルファチャンネル出力のように、完璧なキー抽出ができるわけではない。なので、キー抽出で起こる問題を完全に解決するよりも、ディスピル、 FGプレートをできる限り調整して合成結果を好ましいものにする方が、近道あるというのが筆者の考えである。
そもそも、スクリーン合成というのは、例えば、現実では撮影できない状況を再現するために行われていたりして、合成されるべく背景が暗いのに、キーイングがしやすいように、撮影したグリーンスクリーンがある程度の明るさを持っているってケースなんかは本当に多い。
そしてこの場合に、被写体のエッジ付近のピクセルに何が起こっているかをじっくりと考察してみよう。そもそもキー合成において完全不透明な部分ではあまり大きな問題が起こりづらい。しかしエッジ部分にはモーションブラーやアンチエイリアス等で、背景が透けており被写体とグリーンスクリーン等がブレンドされているピクセルが存在する

連載「NUKEプラクティカル・ガイド」(第11回:続・キー合成)

<2> モーションブラーや被写界深度によるボケ等で半透明部分には、背景色がブレンドされたものが表示色として現れている。これは、度合いの大小はあれど、アンチエイリアス部分にも確実に同様の効果が現れわており、これらをいかに処理するかで、キー合成のインテグレーションも大きく左右される

また、撮影された素材は、当たり前ながら純粋に2D素材であり、そういうモーションブラー部分などは、そうやってブレンドされた状態で撮影されている。
くどいが要するに、被写体がこの色で、グリーンスクリーン分がこの色で、といったdeepデータのように収録されているわけではない。したがい、被写体のモーションブラー部分の半透明部分にブレンドしてしまっているグリーンスクリーン成分、つまり撮影時の背景成分をキャンセルする必要がある。

連載「NUKEプラクティカル・ガイド」(第11回:続・キー合成)

<3> ちなみに、deepデータであれば、サンプルしたピクセルが半透明である場合、手前のピクセル情報と透けた先の奥のピクセルの情報を取り出せる

【サンプルデータを無償配布!】

今回は確実な結果のでる deepデータを用いて、検証することにする。作例データを公開しているので、下記リンクからダウンロードしてデータを見ながら読み進めていただければと思う。

連載「NUKEプラクティカル・ガイド」(第11回:続・キー合成)

○ダウンロードリンク
cgwjp_nukePracticalGuide011_data.zip

※データダウンロード先URLの表示/データはnuke9で開くことを推奨します、 nuke8でも開きます。また、Non Comercial版でも開きます。Non Comercial版は www.thefoundry.co.uk/ products/nuke/ の「Product downloads」から入手可能です。

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<2>半透明の向こう側

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