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3DCGコンテンツの制作を手がけるプロダクションにインタビューを実施し、オートデスク製品の導入理由やその魅力を聞く本企画。第2回となる「ゲーム業界編」では、Luminous Productionsにインタビューを行い、制作現場の声を聞いた。時代の変化が著しい昨今、ゲーム制作の最前線で3DCGはどのように使われているのだろうか。


TEXT&EDIT_三村ゆにこ / Uniko Mimura(@UNIKO_LITTLE



CASE01:Luminous Productions

諦めることなくクリエイティブに挑める開発環境

タイトルのファンのみならず、多くのクリエイターに夢と希望を与え続けてきた『FINAL FANTASY』シリーズ。文化と言語の壁を越え、30年以上に渡り今もなお世界中で親しまれ続ける中、2018年に『FINAL FANTASY XV』(2016)の開発スタッフが中心となって発足したのがLuminous Productionsだ。同社の技術力とクリエイティビティの粋を集めた自社ゲーム開発エンジン「Luminous Engine」は、「アーティストのクリエイティビティの強化」を設計思想とし、先進的なUIとプリレンダーでしか行えなかった表現をリアルタイムに描画できるゲームエンジンとして、日々開発が進められている。

「グラフィックアセットの表現力に、かなりの力量・熱量を注いで技術開発してもらえます」と話すのは、同社でテクニカルアーティストを務める村松 瑞樹氏だ。ともすれば、資産を集中して「ゲームを成立させること」に力を注ぎがちな開発現場において、レイトレースに力を注ぐことは、ゲームの面白さには直結しない技術かもしれない。しかし村松氏は、「そんな中、ただひたすら "美しいビジュアル" を求めて技術開発に取り組んでくれる姿勢に、懐の深さと余裕を感じます。アーティストのわがままに付き合ってくれる会社ですね」と話す。何気なくゲームをプレイしていると、思いがけずクリエイティブの力を思い知り衝撃を受ける瞬間がある。実写さながらの映像美や幻想的なシーンの数々は、こういった高い志と強いこだわりによるものなのだろう。

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同社の優れた開発力は、表現力のみならず「アーティストの作業効率化」という点においても抜かりがない。同じくテクニカルアーティストの岸 明彦氏は「アニメーションを繋ぐ「遷移」は一般的にはプログラマーが行なうことが多いかと思いますが、Luminous Engineから出力される画を含め、細かいところまでアーティストが自らの手で調整・編集することが可能です」と説明する。「Luminous EngineをMayaに実装することで、Maya内でプレビューしながらシミュレーション設定することができます。アーティスト自身がMayaとLuminous Engineの両方でシミュレーションの動作を確認しながら作業できるため、クオリティだけではなく作業効率をも上げているというわけです」(岸氏)。

キャラクターアーティストの芝 猛至氏も同様に「プリレンダリングと遜色ないクオリティのデータ作りを目指しています。最終的な見た目はArnoldでレンダリングしていったん指標を出し、それから実機上でも同等クオリティの映像を出していくという方法が採られています」と話しており、アーティストの感性を損なうことなく、自身の手で最後まで効率的に作業できることは、グラフィックの美しさをとことん追求する同社にとって、欠くことのできない条件となっている様子が窺える。オリジナルのエンジンがあるということ、そういった仕組みとツールを開発できるプログラマーがいること。そしてそれらを実現する背景に、Mayaの存在が大きく関与しているということも特筆すべき点である。

  • (左上から時計回り)岸 明彦氏、村松瑞樹氏、山本健斗氏、芝 猛至氏(以上、Luminous Productions)

▲Mayaに実装しているという骨物理シミュレーション「Bonamik」(ボナミック)は、『FINAL FANTASY XV』を制作していた当時からスクウェア・エニックス テクノロジー推進部(以下、ATD)が作り続けているシステムだ。今回はATDとの協業により、これまでの倍程度の骨数でもきちんと動くよう、物理的に正しい動作をさせるためにロジック変更等を行なうなど大規模なメジャーアップデートが行われた

言わずもがな、同社ではMayaがメインツールとなっている。Mayaから書き出したデータをLuminous Engineで読み込むというフローとなっているわけだが「人によっては、慣れているという理由で3ds Maxを愛用しているクリエイターもいますが、コンバート時にMayaで出力するという方法で十分対応できています」と芝氏。

さらに「Mayaには非常に多くの機能が揃っておりドキュメントも整備されているので、新しいフローで作業する際の大きな障壁がありません。その上で新たな機能をフローに採り入れられないかと開発に相談し、試行錯誤できるのもMayaの魅力の1つではないでしょうか。さらに、複数のツールをまたいで作業する場合もツール間の連携がしっかりとしている上、可能な限りクッションを減らすことができるというのはメリットとして大きいですね」。そう話すのはエンバイロメントアーティストの山本健斗氏だ。山本氏はHoudiniを使用する場面においても、Houdiniが提供する『Houdini Engine for Maya』を使うことでHoudiniの機能をMaya上で使うことができる点などを挙げ、HoudiniやUE4といったツールがMayaに対応しているのは、ひとえにMayaがメジャーなソフトであるからこそだと評価している。

▲「Luminous Engine World Editor機能」により、プロシージャル植生配置のネットワークを組んでいる例

今後リアルタイムで高品質な映像表現を創造し、ユーザーを魅了していくことを1つの大きな目標としており、さらにハイクオリティな表現を実現していくため先入観念なく様々なアプローチで研究・追求していくという同社。「グラフィックスは人に情報を与える大きな力をもっている」と考え、グラフィックスをゲームの単純な記号化だけに収めず、リアルタイムの高品質な表現を融合させた新しいゲーム体験へと結び付けていく。AIやプロシージャルにおいては、ライティングの自動処理関連やサーバを踏まえた運用、LODの最適化など、大規模な制作を考慮した上での「設計」、「ゲームグラフィックス」、「リアルタイム性」、「ゲームとの親和性」を追求するため、技術的アプローチにもより一層力を入れて行くとのことだ。

ツール開発からが同社のクリエイティブである。美しいビジュアルを実現するために「アーティスト・ファースト」を貫き、テクノロジーを尽くして開発に力を注ぐ同社をこれからもオートデスクが支えていく。

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