>   >  「Adobe CS6 VIDEO EVOLUTION - 超進化型ツールが変える映像制作」レポート
「Adobe CS6 VIDEO EVOLUTION - 超進化型ツールが変える映像制作」レポート

「Adobe CS6 VIDEO EVOLUTION - 超進化型ツールが変える映像制作」レポート

進化した Adobe Premiere Pro CS6

次に行なわれた Premiere Pro CS6 の新機能紹介では、ゲストとして株式会社マリモレコーズ 江夏由洋氏が登壇。編集ソフトの将来はどうなっていくのか、HD の次のステージにくるものは何か、次世代アプリケーションとして 64bit とファイルベースネイティブ対応の制作環境がいかに優れたものになっているかを紹介した。

編集ツールとして、これまで Final Cut Pro に引けをとっていた感のある Premiere Pro だが、CS6 では Final Cut Pro のユーザーも無視できない大きな進化を発揮したと江夏は語る。サポート形式が広がり、Final Cut Pro、Avid のプロジェクトを読み込むことができるのだ。つまり、Final Cut Pro や Avid のユーザーが Premiere Pro を導入しやすくなり、ワークフローに Premiere Pro を取り入れやすくなったと言える。

  • 株式会社マリモレコーズ
    江夏由洋氏

    Premiere Pro CS6 プレリリース版のコミュニティーで世話役を勤めていた。元大手民放キー局のテレビマンという経歴を持つ映像作家でもある


まず目についたのが、インターフェイスの改善だ。読み込んだフッテージはサムネイルで表示されるので確認しやすく、またカーソルのスクラッチ動作でプレビューを行なえるホバースクラブも実装している。そして何といっても Mercury Playback Engine の強化は見逃せない。この機能はすでに CS5 で導入されたものであるが、今後重要が増してくるであろう 4K 素材を5つ同時にノーレンダリングでシームレスに再生してみせた。

大きく改善された Premiere Pro CS6 のインターフェイス。読み込んだフッテージがサムネイルで確認できる。複数素材の同時再生も難なくこなした




なお、会場で使用したメインマシンは最新の Intel Xeon Processor E5-2687W をデュアル(合わせて 32 スレッド)搭載、メモリ 128GB を積んだ HP 製のハイパーマシンで、そのスペックに会場からもニコニコ動画のコメントからも驚きの声が上がっていた。再生時の解像度はハーフサイズではあるが、MacBook Pro でも同様のファイルを再生してみせ、高いパフォーマンス性能を示した。

また昨今のデジタルビデオツールの進化に合わせ、CS6 では RED や一眼レフの多くの動画フォーマットにネイティブ対応した。RAW データを直接読み込むことで、変換に要する手間をかけることなく編集作業を行なえる。さらに再生しながら色見を調整したり、Premiere Pro 自体に調整レイヤーを追加できるようになったことも見逃せない。ワープスタビライザーによるローリングシャッター補正、マルチモニタの編集など、Premiere Pro CS6 の躍進が期待される大きなバージョンアップであることが印象づけられた。

Mercury Playback Engine の強化により、4K のネイティブ素材をリアルタイムに再生しながら Ultra キーエフェクトでキーイングの処理をし、さらに調整レイヤー追加による3ウェイカラー補正ができるなど、驚きの処理能力をみせつけた

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