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検証! 慣性式モーションキャプチャ「MVN」<br />第1回:セットアップから撮影まで

検証! 慣性式モーションキャプチャ「MVN」
第1回:セットアップから撮影まで

MVN STUDIOとモーションセンサの通信設定

アクター側でのセットアップが完了したら、続いて「MVN STUDIO」を起ち上げ、簡易キャリブレーションを行う。まずは、スーツ側の送信機とPC側の受信機の通信設定を下記のステップで行う。その手順は以下の通り;

(1)PCにデータ受信機×2を接続(USBに挿し込む)
(2)受信機の電源がONになるのを確認(ランプ状態は緑)
(3)送信機×2の電源をON(ランプ状態は緑)
(4)受信機/送信機のランプがそれぞれ青になれば無事にセットアップ完了
 
 

送信機と受信機の通信設定の様子
 

通信設定の完了後、キャリブレーションを行う。こちらもわずか4ステップで済んでしまう;

(1)「MVN STUDIO(データのキャリブレーションや記録、出力等を行うアプリケーション)」を起動
(2)ウィザードに従って新規のセッションを作成
(3)データ通信が始まりアクター情報を認識
(4)アクターは「Nポーズ(気を付けの姿勢)」を取る(約4秒)

以上の手順を経て、撮影開始となるがキャリブレーション自体は約5分で完了したため、スーツ装着に要した時間を加味してもわずか10分程度で全てのセットアップが完了したことになる。
 

簡易キャリブレーションの様子

MVNstudio操作画面

キャリブレーションのセットアップ作業画面。身長や足のサイズ、肩幅などを設定することで誤差のないキャプチャが可能となる
 

"ごく普通の会議室"にて、セットアップから撮影の実演を解説してきたわけが、MVNのセッティング、キャリブレーション、そして撮影という一連の作業がいかに手軽にできてしまうのかお分かり頂けたと思う。特に、MOCAP用に特別の設備を取り揃えることが難しい中小プロダクションや、撮影空間に縛られずあらゆるシチュエーションでのMOCAPを必要とするプロダクションには有用なのではないだろうか。続く第2回目では、野外での撮影などカメラレス、スタジオレスのMVNならではの特徴をより詳しくお伝えすると共に、撮影後のデータの運用方法についてレビュー予定だ。

MVN機材一式

MVNシステム構成

■MOCAPスーツ、センサ、バッテリ

小型慣性センサは標準で17個(オプションにて、1台のPCで最大20個まで使用可能)。センサとPC間はワイヤレスで通信し、スーツは動きやすい伸縮自由なライクラ素材を使用。各センサ間のケーブルは埋め込み配線となっており、激しい動きにも対応する。また、ソフトウェアを上位版の「MVN STUDIO Pro」にすれば、1台のPCで最大4人までの同時キャプチャが可能。スーツのサイズは、S/M/L/XL/XXLから選択

■MVN STUDIO ソフトウェア

MVNに付属するキャプチャデータを簡単な操作で記録/出力できるソフトウェア。リアルタイムにデータを表示し、23ボーンの出力が可能となっている。再生、編集、キャリブレーションもこのアプリケーションで行い、汎用ファイル形式 BVH、FBX、MPG、AVIムービー形式(MVN STUDIO ProではC3D形式も可)など多彩な出力をサポートしている。またオプションにて、Autodesk MotionBuilderプラグインにも対応、CGキャラクターのリアルタイムプレビューも可能

対応OS:Windows XP/Vista/7
CPU:デュアルコア以上
グラフィックスボード:DirectX 9対応のボード
入出力端子:USB2.0×2ポートまたはハブ

ゼロシーセブン公式サイト

「MVN」に関するお問い合わせ

ゼロシーセブン株式会社
TEL:03-3560-7747(担当:池田)
FAX : 03-3560-7748
e-mail:info@0c7.co.jp

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