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第10回:導入して初めてわかる必要な知識

第10回:導入して初めてわかる必要な知識

調整の頻度

2回目以降のモニタ調整は 経年劣化 を補正するために行います。そのためモニタによって劣化のスピードが違いますが、だいたい1ヶ月に一度くらいのペースで行えば、大きなズレはないと思います。
調整期間については、ルール化しておくと運用が楽になります。調整用ソフトウェアには一定の使用時間(または日数)が過ぎると「調整してください」というアラートが出る機能が付いているので、これらを利用すると便利ですよ。

例:アラートを出す期間を設定

「例:アラートを出す期間を設定」
ColorMunki 付属のソフトウェアのスクリーンショット。1〜4週間の間でアラートを出す設定が行える

調整期間を決める際には、調整用ソフトウェアによっては、モニタ調整後に 調整の前後を比較する 機能を備えたものがあるので、それを利用して大きなズレが生じる期間を見極めると、利用しているモニタに適した補正期間が決められるでしょう。こちらもナナオ(EIZO)のサイトに、良いページがありましたので併せて読むと理解が深まると思います。

<よくわかるカラーマネージメント(カラマネ小話) なぜ必要?モニターのキャリブレーション>
http://www.eizo.co.jp/products/eizolibrary/calibration/index.html

調整開始までモニタを暖める

モニタ調整を開始する前には、モニタの特性が安定するまで少し待ってあげてください。電源投入直後から徐々に発色特性が変化し、15〜30分程度で安定してきます。モニタによって違いがありますがだいたい15〜30分程度を目安にしておくと良いと思います。

測色の流れ

最後に、モニタ調整を実際に行なった時の流れを、ハード型とソフト型で比較してみました。どのように調整が行われていくのかを確認してみてください。

ハード型・ソフト型の測色の流れ

「ハード型・ソフト型の測色の流れ」
行程ごとに流れをまとめたもの

ハード型の例として、EIZO ColorEdge シリーズ のモニタに対して、測色機 ColorMunki Design を外付けした場合、を取り上げました。調整ソフトは ColorEdge に付属している ColorNavigator 6 を使用しています。

ソフト型の例では、一般的なモニタに対して、測色機 ColorMunki Design を外付けした場合、を取り上げました。調整ソフトは ColorMunki に付属している ColorMunki Design を使用しています。
それぞれの流れを行程ごとにまとめてあります。手順や動作順序は基本的には同じですが、ソフト型の方が手間がかかってしまうのが特徴です。

今回は、実際に複数のモニタを調整してみて気がつく点について解説しましたが、いかがでしたか? これからの導入や機材入れ替え時に評価するポイントが分かりやすいように、実際の動作についても触れてみましたのでご参考にしていただけると嬉しいです。次回も、導入にまつわる問題について解説していこうと思いますので、ご期待ください。

TEXT_長尾健作(パーチ)

▼Profile


長尾健作(ながおけんさく)

広告写真制作会社(株)アマナにて、3DCG 制作などの事業立ち上げを行なった後、(株)パーチ を設立。広告業界・製造メーカーに向けて、3DCG による新しい広告制作手法の導入/制作サポートを手がける。各種セミナーでは、制作業務の効率化・コスト削減を実現するためのノウハウを提供。「3DCGのためのカラーマネジメントセミナー」も実施している
 
 

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http://www.eizo.co.jp/
products/eizolibrary/index.html#tab04

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