「手に入る最も高いスペックを実現する」

cumuloworks 江口氏の

趣味とロマンが詰まった制作環境とは

bycumuloworks

「その時に手に入る最高のスペックを実現する」という強いこだわりを持って制作された

ハイエンドマシンを駆使し、高品位なモーショングラフィックスや3DCG制作を行うcumuloworks。

自作PCが趣味でPCパーツにも明るい江口氏が業務用PCの心臓部に選んだのは、「AMD Ryzen 9 5950X」だった。

AMD CPUが採用された理由と、その使用感を聞いた。

Interviewee Profile


(左)cumuloworks 江口智哉 氏

 

フリーランス モーションデザイナー・3DCGジェネラリスト
国内の映像業界での経験を活かしつつ、3DCG・シミュレーション・スクリプティングなど様々な技術を用いて、幅広いタイプの映像制作に取り組んでいる。日々の制作と並行して、デザイン教室や映像系イベントで講師活動をしている。最近のプロジェクトに、JR東日本・セントラル警備保障株式会社「まもレール」、「IRIAMリニューアル」プロモーション映像など。

https://cumulo.works/

仕事用の環境とプライベート用環境をセパレート。自宅兼オフィスでの制作環境のこだわり

ー自己紹介をお願いします。

 

江口智哉(以下、江口):cumuloworksの江口と申します。現在はモーショングラフィックスと3DCGをベースに、広告系の案件や音楽関係のMVやライブイベントに関する業務を行っています。メインで使用すツールはCinema4DとAfter Effectsです。もともと高校時代から映像制作を始めて、大学に入った後はフリーとして制作の仕事を受託していました。その後、一度は会社員になったものの、昨年9月にふたたびフリーに戻り、現在に至ります。フットワーク軽く、クライアントとのやり取りも含めて自分1人でやりたいという気持ちが強かったですね。

cumuloworks SHOWREEL

Designship オープニングムービー(キービジュアルのモーショングラフィックスとファーストカットを担当)

ー学生時代からお仕事をされていたとのことですが、映像制作のきっかけを教えてください。

 

江口:高校の自由研究課題を発表する際、PowerPointだと動きが足りない感じがしたので、フリーの映像編集ソフトでアニメーションを作り込んだということがありました。周りはみんなPowerPointや紙の印刷でしたが、自分だけもう少しインフォグラフィックス的なものというか。そこからデザイン全般に興味が湧いて、映像制作を志すようになりました。以降はテレビやWebに向けた広告系の映像を作っていましたが、最近だとバーチャルシンガーのお仕事などもあって、僕自身もファンだったりするのですごく楽しいですね。自分だけでは対応できない案件などが来た場合は、友だちとチームを組んで仕事をすることもあります。

理芽 1st ONE-MAN LIVE「ニューロマンス」にて、オリジナル楽曲「やさしくしないで」の映像演出を担当

ー現在は自宅兼オフィスで業務を行っていると伺っております。業務環境を教えて頂けますか?

 

江口:部屋は同じですが、仕事用の環境とプライベート用の環境は完全に分けています。PCについても、メインPCとプライベート用PCを分けていて、L字デスクにそれぞれを置いています。「After Effectsのアイコンの横にゲームのアイコンがあったら集中できないのでは?」と思ったので、環境としては用途に応じてPCごと完全にセパレートしています。



右側が仕事用の環境、左側がプライベ―ト用の環境

ー2台のPCを使い分けているとのことですが、まずはメインPCの構成を教えてください。

 

江口:いずれも自作PCになりますが、映像制作用のPCは使用時間も長いので、「手に入る最も高いスペック」を基準に選んでいます。CPUはRyzen 9 5950X、GPUはGeForce RTX 3090を2枚積んでいます。コストパフォーマンスも考えますが、それよりは出来る限り理想に近いものという判断ですね。もともと自作が趣味でもあるので、パーツの増設も自分で頻繁にやっています。メインPCに関しては冷却にもこだわっていて、今回は全て自分で水冷の仕組みを取り入れています。自分で構成を考えて組んで行くプロセスが楽しいんですよね。

コンシューマ向けで最高のスペックを目指した「なにも心配がいらない」PC

ーこだわりを持って制作された自作PCに、AMD Ryzen 9 5950X プロセッサーを選定した理由を教えてください。

 

江口:実は、昨年9月にフリーになったタイミングでPCを新調することに決めていました。会社員時代はIntel Core i9-7980XEを使っていましたが、これは個人だと手が出ない価格帯です。Intel CPUベースでしっかりとした構成にすると、150万から200万クラスのPCになってしまうんですね。ところが、Ryzen 9だと大体50万から100万のレンジで、同等以上のスペックが得られます。年代の違いもありますが、実際ベンチマーク的にもRyzen 9 5950Xの方が上なんですね。今回はコンシューマー向けの最高機種を目指したかったので、即決で導入しました。もともとAMDの発表会を生で見ていて、5000番台が出た時に「絶対にこれだ!」と感じまして、発売した瞬間に買いましたね。

 

AMD Ryzen Threadripper プロセッサーは検討しなかったのですか?

 

江口:そこはコストパフォーマンスで割り切りました。業務用CPUは、それはそれで扱いが難しい場面もあります。コンシューマー向けとして最高のところが着地点なので、今の選択が最適だったと思っています。

 

ーちなみに、プライベート用PCにもAMD CPUは搭載されていますか?

 

江口:はい。以前はRyzen 5 3600を載せていて、最近AMD Ryzen 7 5800Xに変更しました。プライベート用はとにかく小型にするというところがロマンで、出来るだけ小さい筐体にどれだけ詰め込めるかにこだわっています。基本的には熱との戦いになるのですが、自分でファンを足したりしながらエアフローを確保しています。こちらでAMD製CPUが「行けるな」という感覚を得たので、メインの方にもRyzen 9を採用したという経緯になります。

江口:ちなみに、私はフライトシミュレーターで遊ぶのが趣味なのですが、この「Microsoft Flight Simulator」は非常に処理負荷が重いことで有名なんです。特に東京上空がすごく重くて、ある程度のスペックでも10-20fps程度しか出ないんです。ただ、Ryzen 7 5800Xに変更してからは安定して30fpsは出ています。もちろんGPUがGeforce RTX 3090だからというのもありますが、CPUにボトルネックがなくなったのかも知れません。仕事用PCでレンダリングを回しながら、プライベート用PCで国際線を飛ばしたりしています。基本オートパイロット中は何もすることがないので、仕事をしながらたまに空の風景を見る、みたいな感じですね。



画像左上がプライベート用PC

ーどちらのPCもAMD CPUを使用しているのですね。映像制作を行う上でCPU負荷が高くなるケースも多いと思いますが、どういった作業中にAMD Ryzen CPUの恩恵を感じますか?

 

江口:コア数が多いのが特徴なので、コアを多く使う場合は非常に恩恵があります。After EffectsやCinema4Dはシングルコアの性能が重要にはなりますが、例えばAfter EffectsでのレンダリングではBG Renderer MAXを使ってマルチコア対応をさせているので、CPU性能がスピードに直結します。プレビュー速度も十分ですし、メニューやアプリケーションを開くのも体感的に速くなりました。今のところなんのトラブルもなく使えているので、安心感があります。

ーベンチマーク的に優れているだけでなく、安心感があるのは良いですね。

 

江口:「なにも心配がいらない」というのが本当に大きなメリットです。ここでの心配というのは、性能的な要素も含みます。業務用PCはとにかくハイスペックでしっかり動くものでなければならないので、CPUだけでなくGPUやメモリ、ストレージに至るまで、かなり考えて組んでいます。ただ、どういった構成であっても、AMD Ryzen 9 5950Xのスペックであれば「CPUがボトルネックになることは絶対にない!」と言える。これが私にとっての安心なんです。

 

ーありがとうございました。最後に、AMDのCPUラインナップは、どういったクリエイターに適していると思いますか?

 

江口:Intel CPUでないことに不安を覚える方もいるかも知れませんが、5,000番台の登場以降さらに信頼性が高まっているように感じました。昔はメモリ選定が難しかったり、ある程度の知識があることが前提ではありましたが、現在はそこも気にする必要はありません。事実として私の周りのクリエイターもAMDユーザーが増えてきていますし、スペックを考えると間違いなくコストパフォーマンスの高い選択になると思います。

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