CREA MODE真辺菜月と楽しく学ぶ

ZBrushでデジタル原型 A to Z! ver.1

キャラクターを魅力的に描くコツは?

サードウェーブが展開しているクリエイター向けPCブランドraytrekの協力のもと、

「魅力的なキャラクターを作るためのZBrush講座」が全3回に渡って連載される。

キャラクターの動作を魅力的に表現することに定評のあるフィギュア原型師 真辺菜月氏による制作プロセスの全貌を、

「AMD Ryzen 5000シリーズ・プロセッサー」搭載の「raytrek ZBrush動作検証済みCREAMODE 真辺菜月コラボ」モデルを用いて
解説する本企画に向けて、同氏に「キャラクターを魅力的に描くコツ」とZBrush講座に向けた想いを聞く。

Profile

真辺菜月 CREA MODE

 

10月7日生まれ・千葉県出身(まなべなつき・クレアモード)
フリーランスの原型師として、メーカー様の原型制作。
及び、デコマスフィニッシャーとして活動中。
またイベントにて、ガレージキットの原型・販売・通販。

http://creamode.info/

https://twitter.com/creamode

「ものづくりが好き」という想いを貫き、漫画家から原型師の道へ

ーまずは自己紹介をお願いします。

真辺:フィギュア原型師の真辺菜月と申します。現在は「CREA MODE」名義で活動しており、近年では『Fate Lingerie ver.シリーズ』、『メリナ 2nd ver.』、『刀剣乱舞-ONLINE-より 5振製作』、『ウマ娘 1/7 メジロマックイーン、ライスシャワー』の原型を担当していました。実は、フィギュア原型を始める前は漫画家を志していました。漫画は高校1年生の頃に描き始めて、応募したコンテストで運良く佳作に選んでいただき、担当さんまで付いていました。高校時代は、授業を受けた帰りに出版社に出向き、深夜にネームを描くという生活を送っていましたが、この生活と予備校を両立できず、結果的には大学進学をせずに漫画家としてやっていくことになりました。

ーそこからフィギュア原型に至るまでは、どういった道のりだったのでしょうか。

真辺:20代前半までは、投稿しては戻されて…という繰り返しでした。出版社を4つを渡り歩きましたが、結果的にはデビューには至らなかったんです。自分のやりたいことは漫画を描くことでしたが、「できそうなこと」は造形でした。というのも、もともと絵を描くのは好きでしたが、ものを作ることも好きだったんですね。それこそ以前は、球体人形などをつくっていたこともあって。まずは手作業でアナログ原型を始めて、最初にワンダーフェスティバルに出展したのが2013年。そこからお仕事を頂くようになり、徐々に3DCGでの原型にシフトして行きました。現在はフルデジタルで、3年目になります。

ー原型師はアナログ作業の方も多いと思いますが、どういった理由からデジタル移行を決意したのでしょうか。

真辺:最初の5年間はアナログで作業をしていました。いわゆる手原型です。ただ、鎖などの幾何学的なものはデジタルの方が良いだろうという感覚がありましたので、最初は小物などから、段階的に移行しました。1ヶ月ほど、手原型と3Dプリンターで出力したパーツを組み合わせたハイブリッド型の制作を行っていましたが、その後に『刀剣乱舞』シリーズに着手したタイミングで完全移行しました。『刀剣乱舞』は甲冑や刀をはじめ特殊な小物などが多く、高速で作業する必要がありましたので、必然的に手原型ではなくデジタルで造形を行うことになりました。

ーZBrushによる制作に移行した際、どういった点に苦労しましたか?

真辺:目で見た現物とプレビュー画面の内容について、視差の違いがありました。最初のうちは顔の大きさ1つ合わせるのも大変でしたね。大体いつも小さく作ってしまって…1.5倍くらいならちょうど良いかな?というところで、スケールの試行錯誤が多かったです。先駆者のブログなどを参考にしながら、独学で学んでいました。

ー確かに、最近はZBrushもWeb上の情報が増えてきた印象があります。真辺さんの目線から、フィギュア原型師として尊敬する方はいますか?

真辺:手原型で尊敬する人と、デジタル造形で尊敬する人は異なるのですが、デジタル造形で言えばCKBさんしのぶとみやこさんです。どちらもZBrushユーザーで、CKBさんはイラストに合わせた忠実な原型が非常にうまく、作業スピードが早いのも特徴だと思います。しのぶとみやこさんは明るい表情付けが非常にうまく、とにかくキャラクターが可愛いんです。全体で見たときに、造形としてのまとめ方がうまいのがおふたりの共通点だと思いますね。原型に掛ける想いや、「これをつくりたかったんだな」という熱量は、パーツを見ればすぐに分かるんです。その意味では、他にもたくさん尊敬する方がいます。

魅力的な人物の造形をつくる上では「フェティシズム」が重要

ーこれまでも数多くの作品を生み出してきたと思いますが、ご自身の作風について、どういった部分が評価されていると考えていますか?

真辺:私がご評価いただいているのは「動きがあるところ」だと思います。『1/7 鶴丸国永』を制作したときも、メーカーの方から「まさにこういう動きがやりたかった!」とご評価いただいて。動きがあるように見せるために、ポージングを工夫したり、髪の流れや動きにもこだわりを持って制作しました。

刀剣乱舞-ONLINE- シリーズガレージキット『1/7 鶴丸国永』©2015 EXNOA LLC/NITRO PLUS

ー漫画がバックボーンにあるということが、レイアウトの上手さに繋がっていると感じました。2D的な構図に対する理解も、評価のポイントになっているのかも知れません。

真辺:たしかに、少年誌ばかりでしたので、バトルものなども良く描いていましたね。もともと戦う女性キャラクターが好きでしたので、例えば『劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 スーパープレミアムフィギュア“ライダー”』はイチから自分で構図を考えさせていただきました。この時はまだ手原型でしたが、できるだけ動きのあるような感じを出すよう工夫しています。

劇場版「Fate/stay night [Heaven’s Feel]」 スーパープレミアムフィギュア“ライダー”©TYPE-MOON・ufotable・FSNPC

ーキャラクターを魅力的に見せるための工夫やコツについて教えてください。

真辺:キャラクターはどんな認識で成り立っているのか?を徹底的に調べます。コンテンツによっては、同人カルチャーがキャラクター像をつくり上げて、公式が拾うような動きがあるものもあります。このキャラクターはセクシーに寄ったほうが良いのか、活発な動きがあるほうが良いのか、そういった判断は「ユーザーがどういう像を作り上げているか」という観点から考えています。

ーそのキャラクターの性質を理解した上での造形ということですね。同人まで含めてしっかり見ていらっしゃるのは驚きました。

真辺:『1/7 山姥切長義』を制作したときも、このキャラクターのどこが一番魅力的なのかを調べました。山姥切長義の魅力は、主に下半身の肉付きと、うっすら見えるガーターベルトだろうと思ったんです。ガーターベルトって、男性向けのものもあるんですね。こうしたフェティシズムを取り入れつつ、「とにかく顔を綺麗につくる」ということを意識して設計しました。ファンの方のキャラクター像と違わないか、『刀剣乱舞』シリーズは特にプレッシャーが掛かっていました。

刀剣乱舞-ONLINE- シリーズガレージキット『1/7 山姥切長義』©2015 EXNOA LLC/NITRO PLUS

「フィギュアを1体つくるまでの“全て”を見せる連載」を始めます

ー改めて、今回の連載について教えてください。

真辺:現在取り組んでいるオリジナルキャラクターのフィギュア原型をもとに、コンセプトから実際の制作プロセスの解説、そしてメーカーの方とお仕事をする際に必要な「監修」の知識と実践まで、一連の流れをお伝えしたいと考えています。

ー実際のお仕事のプロセスを、ZBrushをもとに解説していただくという形ですね。キャラクターについて、もう少し詳しくお伺いさせてください。

真辺:実はオリジナルキャラクターを3DCGでつくるのははじめてなんです。オリジナルは、テーマがバシッと決まったときにしか作らないので、3年振りくらいでしょうか。もととなるイラストも私が描いています。「CREA MODE」は薔薇をテーマにしていて、オリジナルをやるのであればこのモティーフを踏襲したいと考えました。ただかわいい女の子ではなく、少し異形というか、なにかエキゾチックな要素を入れたいと考えていて、このキャラクターは髪の毛で攻撃をするような設定を用意しています。

ー造形化のポイントはどこでしょうか。

真辺:やはり、髪でしょうか。型取りするときのシリコンの消費量がすごいだろうな、という気もしますが、頑張ってこのままつくろうと思っています。完成サイズは1/7か1/8を目指しており、特にメーカーで出すものではないのですが、どういったメーカーの雰囲気を目指すか?も想定しています。フィギュアは大きい一点物か気軽に飾れる小型のものか、頭部の大きさや頭身など、メーカーによって雰囲気が変わるので、なんとなく意識しているメーカーもあります。そんなことを考えていると、本当にそのメーカーから声がかかったりするし、狙ってものをつくると狙った人に届いたりします。

ーフィギュア原型をこれから志す方に向けて、今回の連載でどんなことを伝えたいですか。

真辺:自分がフェティシズムを感じるところを追求することの大切さを伝えたいです。これを大切にしていると、自分と同じような感覚の人がついてきてくれて、いつか固定ファンになってくれます。そして、それを実現するために必要なのであれば、そこで改めてZBrushの機能を勉強して、技術を磨いて欲しいと思います。ただ、自分の大切にしているものを好む人もいれば、嫌いな人もいる。自分の好きを個性として大切にするのが第一歩目として、その次の段階を目指すのであれば、固定ファン以外にもアプローチするために思い切ってジャンルを変えることも重要です。また、アイディアが出てこなくなれば、誰かが求めている安定したものをつくるときもあります。私の場合は、あまり自分の立ち位置を考えないで制作を続けているところはありますね。

ー今回のタイアップ用のマシンとして、「AMD Ryzen 5000シリーズ・プロセッサー」搭載の『ZBrush x CREA MODE x サードウェーブ』のraytrek コラボモデルをご使用頂いております。使用感については、いかがでしょうか。

真辺:私はメカに弱くて、自分でPCを購入するときもすごく悩むんです。そんな時に、ZBrushとKeyShotがきちんと動くようにとraytrekさんに選んでいただいたマシンがこちらです。以前はレンダリングだけでなく、プレビュー自体もかなり重かったのですが、いまは回転もくるくるスムーズに動くので、「これじゃないとだめだ!」と感じるくらいで…本当に、良いマシンで仕事ができて嬉しいです。検証したシーンデータは全体で1200万ポリゴンほどありましたが、カメラの回転も早く、レンダリングも高速化しました。ポリゴン数をどこまで増やしても安心だなあ、という気がします。

ーたしかに、特定のソフトウェアに必要なスペックを想定して決めるとなると、選定の難易度は上がりますね。その意味では、本モデルは、ビギナーにとっても有益かも知れません。

真辺:CGで造形をする、となると当然PCが必要になるわけですが、普通はみんな値段で足踏みしてしまうんです。本モデルは10万円台から選べるので、初心者にとっても嬉しい価格帯だと思いました。「造形をやってみたいけど、粘土を買うのはちょっと」って、普通はならないと思うんです。始めるにあたり、粘土を買わない手はないんですよ。デジタル造形もそれと同じなので、PCを購入するところから始める方にとっては、必要なスペックを備えたこのモデルは非常に有用だと感じます。ぜひ、この連載を契機に、多くの方にデジタル造形を始めていただきたいです。

ーありがとうございました。

Information AMD x ZBrush x raytrek x CREA MODE 真辺菜月氏 コラボPCモデル

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