ハイエンドなノートPCが制作現場に与えるインパクトとは
~アタリのアーティストが体験
MSIクリエイター向けノートPCの実力~

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PCの処理速度が実作業のスピードと密接に関わる3DCG制作現場に向けて、MSIがクリエイター向けのハイスペックノートPCを打ち出した。今回はプリレンダー、リアルタイム問わず幅広い領域で活動するアタリのCGデザイナー・仲山ショーン氏に、MSI P65-9SE-473JP(以下、MSI P65)を実際に使用していただき、その使用感を聞いた。

アタリ/atari,inc.

2004年設立。xR、3DCG、Webなど様々な領域でのR&Dに取り組み、一般的なCGプロダクションの枠に収まらず、最先端テクノロジーとクリエイティブを融合させた事業を展開している。本誌ではvol.253(2019年9月号)の表紙を飾ったバーチャルヒューマン『MEME』の制作でも知られる。
現在、CGデザイナー・エンジニアを募集中。

仲山ショーン氏へのインタビューの様子を動画でも確認できる

 

 

MayaのプレビューやRedshiftのレンダリングも快適

――まずは自己紹介をお願いします。

仲山ショーン氏(以下、仲山):現在はCGチームのリーダーという立場で、3DCG制作全般のゼネラリストというかたちで活動しています。アタリはプロモーション映像制作からイベント向けインタラクティブコンテンツ制作、デジタルヒューマンをはじめとするプリレンダーのフォトリアル3DCGまで幅広く開発する会社で、CGデザイナーは私を含めて5名が所属しています。

CGデザイナー・仲山ショーン氏

――今回ご使用いただいたMSI P65ですが、ファーストインプレッションをお聞かせいただけますでしょうか。

仲山:やはり薄さと軽さに驚きましたね! 個人的に使っているノートPCは非常に大きくて重いモデルなのですが、4年前の購入当時はこのサイズ感でなければスペック的には不十分でした。MSIのノートPCは、このサイズにGeForce RTX 2000シリーズが載るというのが素晴らしく、画面解像度も4Kなので、デュアルスクリーンにできない出先の環境でも作業がしやすいです。HDMIやLANポートなど、よく使う接続端子があるのも助かりますね。

 

――アタリとして、普段のCG制作で用いるツールを教えてください。

仲山:メインのDCCツールはMayaで、テクスチャは基本的にSubstance Painterを使います。最近はBlenderなどの導入も検討中です。また、リアルタイム系の案件の場合はUnityやUnreal Engine4などのゲームエンジンも使っています。

 

――業務で用いているメインマシンについてはいかがでしょうか?

仲山:基本的には自作のハイスペックPCを用いています。近年ではリアルタイムかつイベント会場などで利用するインタラクティブ性のあるコンテンツ制作が増えてきているので、GPU周りはGeForce RTX 2080 Tiなど最新のものにアップグレードしています。案件ベースで、必要なスペックに順次上げていくという感覚です。

――今回のMSI P65のスペックについてはどのような感想をもたれましたか?

仲山:最新世代のインテル Corei7-9750Hは6コア12スレッドで、これはCPUレンダリングもいけるレベルです。このプロセッサなら、Mayaなどのプレビューであれば必要十分だと感じます。GPUもGeForce RTX 2060なので、Redshiftなどでのレンダリングもそれなりの速度が出ると思いますね。さすがに少し熱問題はあるものの、バッテリーも公表通りの6時間は保っていると思います。それと、個人的に気に入っているのはディスプレイで、15.6インチというサイズ感かつAdobe RGBカバー率100%という点、そして画面の端まで綺麗に明るく見える点が素晴らしいです。SSDもNVMe規格なので、PC自体の起動や重たいデータの読み込みが速いのも良い点です。

 

――今回、行なっていただいた検証内容について教えてください。

仲山:普段使用しているPCとのパフォーマンス比較を行いました。まず、MayaのView Portですが、デジタルヒューマンなどのフォトリアル(高負荷)の3DCGを展開してもまったくカクつかず、適切にプレビューができていました。

 

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After Effectsの4Kシーンも快適に動作

仲山:続いて、GPU負荷の大きいNotchを用いたVJ用のリアルタイム演出ですが、これはAMD CPU Ryzen Threadripper 2990WX、GeForce RTX 2080 Tiを搭載したマシンと比較して、ほぼ一緒のパフォーマンスが出ていました。VJ現場にハイスペックだけど大きなPCを持ち込むのは大変なので、ノートPCでここまでのパフォーマンスが出るのは嬉しいですね。

Notchというノードベースのリアルタイムビジュアル生成ツール。ライブ会場やイベント、VJなどで活用されている

Notchでリアルタイムに生成されたVJ用のビジュアル

 

――では、実写系の案件での使用はいかがでしょうか。

仲山:GPU、CPU両面のスペックが重要なAfterEffectsで4Kシーンファイルも開いてみましたが、動かしたり編集する分には十分なパフォーマンスだったと思います。After EffectsはSSDのスピードも重要なのですが、NVMeのためキャッシュも早く、問題なく使える印象でした。ただ、SSDの容量的には、1TB以上あった方が良いかな、と思います。ローカルにコピーして作業をする分には512GBでも不足ないですが、複数プロジェクトをローカルで取り扱う場合は容量のアップグレードを検討したいですね。

――ありがとうございます。これまではワークステーションを中心に作業をされていたかと思いますが、ハイスペックなノートPCだからこその良さやメリットがあれば、教えてください。

仲山:まずは可搬性ですね。弊社は海外出張やイベントなどが多いので、現地でクリエイティブの作業ができるというのは素晴らしいです。今まではミニPCを使ったりもしていましたが、ようやくノートPCでもここまでできるような時代になったんだな、と感じました。それと、ワークフローという意味では、プロデューサーやクライアントに3DCGを確認していただく際、その場でノートPCを開いて実際のプロジェクトを見せられるというのは大きなメリットです。

 

――ありがとうございました。最後に、アタリとしての今後の展望を教えてください。

仲山:受託制作ではクライアントが想像していた以上のクオリティを出すことでプロフェッションを発揮していきたいですし、それ以外にも自社作品ではアート性が高くヤバくて興奮するような作品をつくっていく予定です。「これはアタリがつくったコンテンツだな」というのが誰でもわかるような個性と作品性が出せたら良いと思いますね。最先端技術を使って、広告という枠にはまらないプロダクションを目指していきます。

MSI P65-9SE-473JP

OS

Windows 10 Pro 64ビット

ディスプレイ

15.6インチ、4K(3,840×2,160)、ノングレア、狭額縁デザイン

CPU

インテル Core i7-9750H(2.6GHz /Turbo 4.5GHz / 6コア12スレッド)

GPU

NVIDIA GeForce RTX 2060 6GB GDDR6

チップセット

インテル® HM370

メモリ

32GB(16GB ×2)DDR4

メモリ空きスロット

な し(2スロット合計最大64GB)※MSI公認サポート店でのみ増設可能

SSD

512GB(M.2 NVMe)

SSD専用空きスロット

M.2 NVMe 専用空きスロット×1 ※MSI公認サポート店でのみ増設可能

有線LAN

クアルコム・アセロス AR8161 GBLAN

無線LAN

インテル® Wireless-AC 9560(IEEE802.11 a/b/g/n/ac+Bluetooth 5)

キーボード

シングルカラーバックライト内蔵テンキーレス日本語キーボード