CGWORLD MASTERCLASS ONLINE vol.23
ゲーム背景の仕組みとツールの性質
~背景アーティストのためのテクニカルマインドセット~
アナログの画家は、絵の具がどう乾き、キャンバスの目がどれくらい粗いかといった道具の特性を熟知したうえで、筆を運んでいます。道具の性質を知っているからこそ、狙った表現に迷いなくたどり着ける――ゲーム開発におけるアーティストにとっても、これは同じです。日々の制作で使っている「道具」、そして絵が最終的に映し出されるプレイヤーの画面という「キャンバス」――その性質を知ることは、制約を増やすものではなく、むしろ表現の自由度を広げてくれるものです。
本講義では、「もっと技術を勉強しましょう」という技術指導は行いません。狙いは、開発現場でアーティストの隣に立ち続けてきたテクニカルアーティスト(TA)の視点を、みなさん自身の判断力のための道具として、ひととき"借りて"いただくことです。
TAがどんな理屈でアーティストの使う仕組みや道具を組み立て、限られたリソースの中で見た目の落としどころを見極め、そして完成した絵が様々なプレイヤーの画面でどう見えるかまでを考えているのか。その視点に触れることで、目指すビジュアルと技術的な制限との関係を、自分自身の言葉で分解し、説明できるようになります。
そのうえで持ち帰っていただきたいのは、制約を「妥協」としてではなく「創造的な設計材料」として捉え直す視点です。
講師
Senior Technical Artist
田中 眞 氏
DICE(EA Digital Illusions CE、スウェーデン)Senior Technical Artist。
『Battlefield』シリーズにてシェーダー開発を担当。アーク・エンタテインメント(SCE)、EAJapanを経て渡英。EAUKでのLighting
Artist、Technical Artist、Double NegativeでのLighting TD/Rendering
Supervisor、FramestoreでのVR/ARプロジェクトを経て現職。
ゲームと映画双方の現場で培った知見を活かし、技術と表現の両立をテーマに活動している。