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テクスチャマップの理解

テクスチャマップの理解

バンプマップ

テクスチャはカラーマップだけではありません。マテリアルにテクスチャを設定すると、ほぼどんなチャネルでも操作できます。バンプマップは疑似的な高さマップとしての機能を果たすグレースケール画像です。ジオメトリを追加することなく、モデルのサーフェスを凸凹に見せるディテールを追加します。通常、バンプマップが50%グレーよりも暗い要素であれば、サーフェスよりも引っ込んでいるように見え、それよりも明るい場合は、出っ張って見えます。

バンプマップを使う際は、「オブジェクトのシルエットは変化しない」と覚えておきましょう。前述のとおり、実際にジオメトリを追加するわけではありません。バンプマップはシルエットを変えることなく、より細かいディテールを手早く追加できるすばらしい機能です。

図04. バンプマップ

ディスプレイスメントマップ

ディテールをシルエットに反映させたい場合は、ディスプレイスメントマップを使用します。これは、直接ジオメトリに影響するとても強力なオプションです。基本的にはバンプマップと同じ高さマップですが、最大の違いは実際にジオメトリに反映することです。

ディスプレイスメントマップを作成する一般的なワークフローは、MudboxやZBrushといったスカルプトソフトを使って、高解像度メッシュからベイクアウト、低解像度メッシュのモデルへディスプレイスメントマップを適用します。これにより、リギングやアニメーションのような後々の工程でも扱えるメッシュ解像度を保ちつつ、高品質のディテールを得ることができます。

図05. ディスプレイスメントマップ - 実際にジオメトリのシルエットにも影響

法線マップ (ノーマルマップ)

ディスプレイスメントマップとバンプマップには、それぞれ良し悪しがありますが、もう1つの疑似的な高さマップが法線マップです。バンプマップのようなグレースケール画像と違って、法線マップは基本的にジオメトリの法線が指す方向を示すマップです。この情報を使って、高さからモデルがどのようにライティング、反映されるかを模倣できます。

法線マップは、リアルタイムレンダリングが威力を発揮するゲームでよく使用されます。ライティングの角度を変えると、モデルのジオメトリにさまざまな影響があります。バンプマップ、ディスプレイスメントマップ、法線マップには多くの類似性があると感じるのは、あなただけではないでしょう。

スペキュラマップ(鏡面反射マップ)

図の画像では、キャラクターの目の周りの肌が、顎の下の部分よりも明るく見えます。これはスペキュラマップで表現されています。このマップは、3Dソフト上のモデルの各部分で光沢の量を決定します。

たとえば、濡れたプラスチックと乾いたプラスチックでは、光を反射する様子が異なります。スペキュラマップを使えば、色や凹凸は同じままで、ツヤの量をコントロールできます。基本的なスペキュラマップは、暗いトーンで光沢を減らし、明るいトーンで強いハイライトを作成できます。

Mudboxや MARI のようなソフトを使えば、手動で作成したスペキュラマップをインタラクティブにペイントできます。あるいは、まず、カラーマップを作成して、レベルやトーンカーブを調整しながらスペキュラマップを作成することもできます。

図06. スペキュラマップ(鏡面反射マップ)

マスクマップ

複数のマテリアルやテクスチャを1つにまとめて統合すると良い場合もあるでしょう。マスクマップを使えば、白と黒の明度によって、テクスチャレイヤをオブジェクトの特定部分に表示させることができます。使用プログラムによりますが、多くの場合、白は、そのテクスチャを表示、黒は、そのテクスチャを非表示(別レイヤーを表示)します。

マスクマップは、テクスチャマップそのものに直接触ることなく、その表示を変更できるため、フレキシブルで非破壊的な方法と言えます。テクスチャをブレンドすることも、デカールやタトゥーの切り抜きも可能です。

図07. マスクマップ

テクスチャのタイリング

大きなサーフェスをテクスチャリングする場合、小さなテクスチャでマップを作成することがよくあります。たとえば、駐車場全体をテクスチャリングする際にアスファルトの一部分の写真しかないこともあるでしょう。しかし、その小さなテクスチャを大きなサーフェスに適用すると歪んだように見えてしまいます。

その場合は、その小さなテクスチャをタイリング(タイルのように繰り返し)すると良いでしょう。ただし、注意しないと、その繰り返しのシーム(継ぎ目)が見えてしまう可能性があります。これを避けるため、多くのテクスチャリング用プログラムには、その回避ツールが備わっています。これにより、サーフェス全体にわたってシームレスにタイリングを行い、継ぎ目の問題を避けながら作成できます。

図08. テクスチャのタイリング

まとめ

業界標準のテクスチャマップについての説明をしました。これで、テクスチャリングの準備が整ったことでしょう。ここで取り上げた多くのマップは、様々なソフトで作成できます。Photoshopなどの画像編集ソフトで描くことも、Mudbox、ZBrush、MARIなどのソフトでインタラクティブに作成することもできます。

オリジナルURL(英語):
http://www.3dtotal.com/tutorial/2003

翻訳:STUDIO LIZZ(Nao) 編集:3DTotal.jp



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