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CafeFX の閉鎖から1年、ハリウッド VFX 業界の苦境は続く

CafeFX の閉鎖から1年、ハリウッド VFX 業界の苦境は続く

VFX のグローバル化はハリウッドの名立たる中堅スタジオをも呑み込む

現在、ILM/インダストリアル・ライト&マジック で活躍中の折笠 彰氏は、デジタル・アーティストのキャリアを CafeFXでスタートさせた人物。言わば育ての親とも言える CafeFX の悲報を知った当時を、折笠氏は次のようにふり返る。「2009年に THE SYNDICATE が、2010年頭にはサンタモニカ支社が閉鎖され、実質的な活動もしなくなるという心配な状況が続いていました。そうした経緯もあり、本社の閉鎖を知った時は植物人間になってしまったカフェ(CafeFXの愛称)の生命維持装置に繋がっていた最後のプラグが抜かれるのを、目の当たりにしたような気持ちで辛かったですね」。

折笠氏

CafeFX在籍時代の折笠氏(2005年6月撮影)。「CafeeFXはキャリアの原点」と語る折笠氏だが、そこで知り合った仲間とは今でも家族同然の付き合いが続いているそうだ

「新たな投資家を募ったり、外資による買収などの救済案もあったとか。ですが、ジェフたちは『そのような形では自分達が理想とするプロダクションにはならないだろう』と悟り、最終的に閉鎖を決意したようです。最後の最後まで必死に CafeFX を存続させようと頑張ってはいたのですが......無念です。自分や古参の中核メンバーにとってはカフェの仲間は家族であり、カフェでの仕事は生活そのものでした。今では世界中に散らばってしまいましたが、閉鎖を表明した直後の2010年、クリスマスの後に皆で集まって食事をしたんですよ。当時の仲間たちとの再会は、日本に帰って家族と会うのと同じくらいに価値のあるイベントでしたね。この先もプロとして VFX 制作を続けていく自分にとって、キャリアの原点であるカフェの存在と仲間達、彼らから学んだことを決して忘れずに精進していこうと思います」(折笠氏)。

CafeFXスタッフ集合写真

『パンズ・ラビリンス』制作時(2005年)に撮影した CafeFX クルーの集合写真

現在は離ればなれになってしまったカフェの面々だが、創業者ジェフ・バーンズは2011年6月にデジタル・ドメインの立体視 VFX 制作部門バイス・プレジデント兼ゼネラル・マネージャーに迎え入れられた(デビッド・エブナーも立体視コンサルタントとして活躍している模様)。CafeFX の遺伝子はこれからも VFX制作の現場で生き続けることだろう。

過去数年の主立った北米 VFX スタジオの閉鎖としては、CafeFX の他に、The Orphanage(2009年2月)、トロント(カナダ)の C.O.R.E. Digital Pictures(2010年3月)、Asylum Visual Effects(2010年11月)、ロバート・ゼメキスImageMovers Digital(2010年12月)などが挙げられるが、いずれも名の知れたスタジオばかり。カナダ Frantic Films のように外資に買収(2007年にインド資本の Prime Focus Group が買収)されたスタジオも複数存在する。

こうした相次ぐ北米の中堅 VFX スタジオ閉鎖は、ハリウッドで波紋を呼んでおり、現在も各社は生き残りを掛けて様々な対応策を講じている最中だ。

TEXT_鍋 潤太郎

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