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サブリメイションは、なぜMODOとLightWaveを使うのか?(前編)

サブリメイションは、なぜMODOとLightWaveを使うのか?(前編)

よく使う機能はアクションセンター

C:ハシゴや扉など、かなり細かいディテールまでつくり込んでいますね。

塚本:本作は劇場作品なのに加え、エンジンヘッドはアップショットで映される場合もあったので、かなり小物を追加しています。ハシゴや扉があると人間の大きさがわかるので、スケールの目安にもなります。

C:こういうモデリングをする中で、重宝している機能があれば教えていただけますか?

塚本:よく使う機能はアクションセンターですね。これはモデルを移動、回転、拡大・縮小する際に、操作の中心や軸を定義する機能です。

▲【modo機能紹介】アクションセンターについて
©MODO JAPAN GROUP


▲ドアの移動ツールを表示したところ。デフォルトの状態では、移動ツールの中心や軸は、ドアの中心に表示される ©2017 ひるね姫製作委員会


▲アクションセンターを使うと、移動ツールの中心や軸を、任意の位置や方向に設定できる。「斜めの壁面に沿ってドアを移動させたい場合には、アクションセンターを使い、移動ツールの軸の傾きを壁面の傾きに合わせます。こうすれば、思い通りの位置に、少ない手数で、正確にドアを配置できるのです」(塚本氏) ©2017 ひるね姫製作委員会


塚本:移動ツールや回転ツールの軸が見やすく、掴みやすい点も気に入っています。モデリングをしていると、モデルをぐるぐる回し、任意の点や面を選び、移動させるといった操作を何百回、何千回と繰り返します。軸の方向がわかりにくい、あるいは軸を掴みにくいと、そのたびに数秒のロスが生まれます。同じ操作を何千回と繰り返していけば、かなりの時間損失になるわけです。

小石川:特にアニメCGの場合は、ほんのちょっとの面の歪みがラインやカゲの見映えに大きく影響するので、極力きれいに面を揃えておく必要があります。

塚本:何度もモデルをぐるぐる回し、歪んだ面を見つけては直すことを繰り返すので、「この面は、このローカル座標系で、こっちの方向に動かしたい」「この面は、ワールド座標系で、数ミリだけ動かしたい」といった細かな要求に対応できる操作性の良さが重要になります。その辺がアバウトなツールほど、ストレスが溜まってしまいます。

▲このような歪んだ面があるとラインやカゲの見映えに大きく影響するため、根気強く歪みを直す必要がある ©2017 ひるね姫製作委員会


▲エンジンヘッドの大腿部はきれいな曲線で表現するため、モデルにサブディビジョンを適用し、その状態でフリーズしている。さらにその上から、パネルラインを追加している。「MODOとLightWaveとではサブディビジョンの処理方法がちがうので、形状が変わりそうな場合は、MODOのサブディビジョンをフリーズしてからデータを移行するようにしています。パネルラインをテクスチャで表現すると、アップショットになった際にぼける危険性があるし、データ管理が煩雑になります。そのためパネルラインや溝も、ポリゴンで表現するようにしています」(塚本氏) ©2017 ひるね姫製作委員会


C:面の歪みを見つける、頂点を移動させるといった、モデリング時の基本操作がやりやすいから、長年MODOを愛用してきたというわけですね。

塚本:はい。実際、私が多用する機能はかなり限られていて、移動、回転、ストレッチ(引き伸ばし)、ナイフ、ループスライス、頂点結合などの基本機能があれば、たいていのモデリングは事足ります。

小石川:塚本のモデリングに対する考え方は、CGが使われ始めた初期のものに近いと思います。すべての頂点を自分でコントロールしようとするので、どうしてもポリゴン数が多くなります。それでもLightWaveの場合は異常なくらい数多くのポリゴンを扱えるので、とくに問題はないのです。なるべく処理負荷を減らしたいゲーム会社や、3dsMaxやMayaをメインツールに据えている会社の考え方とは相容れない部分もあるでしょう。

塚本:モデリングのやり方は、後工程で使うソフトに合わせて変更します。例えばMODOでつくったモデルを3dsMaxに移行するプロジェクトの場合は、いつもよりポリゴン数を抑えたモデリングをするようにしています。



前編は以上です。後編では、LightWaveの活用事例と、MODOのさらなる活用の可能性について紹介します。ぜひお付き合いください。
(後編の公開は、2018年4月17日を予定しております)

Profileプロフィール

サブリメイション

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左から、小石川 淳(代表取締役・CGIプロデューサー)、塚本倫基(取締役・CGIディレクター)
www.sublimation.co.jp

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