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庵野総監督からの要望「初代ゴジラの着ぐるみっぽくする」を実現したゴジラモデルとは

庵野総監督からの要望「初代ゴジラの着ぐるみっぽくする」を実現したゴジラモデルとは

ゴジラ 第4形態

第4形態の3Dモデル。初代ゴジラの恐ろしさを醸し出しつつも、今までにないゴジラである。3Dスキャンから起こしているとはいえ、ゴジラの凹凸はかなり細かく、スキャンではとらえきれない部分もあるため、1ヶ月をかけて雛型とまったく同様の凹凸を作成した。竹谷氏自身、その凹凸を雛型上で作り上げるためにゴーヤのような形状の道具でスカルプトしていたそうで、上西氏はそれを基にアルファマスクを作成。それを使ってZBrush上で再現している。最終的にはリトポロジーした後、ディスプレイスメントマップ、バンプマップ、ノーマルマップなどをフルに活用して最終モデルをつくっている。最終的なレンダーモデルは100万ポリゴン程度になった。


制作中のモデル


ZBrushモデル

3ds Maxモデル


レンダリング後


ゴジラのマスク一覧

コンポジット時にゴジラの質感をコントロールしやすいように、通常のパスに加えて特殊なマスクが 各種用意されている。上西氏はコンポジターも兼任していたため、自分でコンポジットした際に必要と思われるものや、リクエストがあったものを組み込んでいったという。今回のゴジラは内部からにじみ出ているように、部分的に赤く発光している。その表現のため、コンポジットで調整するための9種類のマスクが作成できるしくみがつくられている。それ以外にも発光しないが目立たせたい赤の部分のマスクや、体から尻尾にかけてグラデーションをかけるためのマスクなども出力できるようになっていて、必要あれば随時出力して利用されている。


ベース素材


グラデーションマスク


発光用のマスク


赤い部分のマスク


マスク出力用アイコン一覧



  • 映画『シン・ゴジラ』

    全国東宝系にて公開中
    脚本・監督:庵野秀明
    監督・特技監督:樋口真嗣
    准監督・特技統括:尾上克郎
    出演: 長谷川博己、竹野内豊 石原さとみ

    www.shin-godzilla.jp
    © 2016 TOHO CO.,LTD.

  • 月刊CGWORLD + digital video vol.217(2016年9月号)
    第1特集 映画『シン・ゴジラ』
    第2特集 3DCGで描くアニメ背景

    定価:1,512円(税込)
    判型:A4ワイド
    総ページ数:144
    発売日:2016年8月10日
    ASIN:B01H2AIW6E

Profileプロフィール

上西琢也/Takuya Uenishi(白組)

上西琢也/Takuya Uenishi(白組)

株式会社白組
ゴジラモデリング&コンポジター

スペシャルインタビュー