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ModelingCafe北田栄二氏が取り組む、世界に通用するためのプロダクションワークフローとは?

ModelingCafe北田栄二氏が取り組む、世界に通用するためのプロダクションワークフローとは?

福岡で実際にオフィスを構えてどうだった? 福岡市をまじえた座談会

第二部ではModelingCafeの北田栄二氏、福岡市役所の山下龍二郎氏による座談会「ModelingCafe×福岡市」が行われ、「創業・企業立地」「人材」「環境」という3つのテーマでトークが行われた。

約150万人の人口を抱えながら、製造業ではなく観光・サービス産業に立脚する福岡市。山下氏はこうした地域特性から、「ITやコンテンツといった分野に注力しなければ生き残れない」という危機感があり、全市をあげて産業支援を進めていると説明。国の「グローバル創業・雇用創出特区」に認定されて今年で2年目で、天神地区にある「スタートアップカフェ」を拠点にさまざまな情報発信やサービスを行なっていると語る。

一方で「太陽・山・海が近くにないとストレスがたまる」と語る北田氏は、これまで暮らしたシドニーやシンガポールに似た福岡市に「ほぼ一目惚れ状態だった」とコメント。オフィス開設の際には山下氏をはじめ、福岡市役所にさまざまなアドバイスをもらったという。空港の利便性が高い点も重要な要素で、アジアの玄関口として戦略的に位置づけられている点も、将来の海外展開を考える上で共感したポイントだと語った。

続いて福岡クリエイティブキャンプ2015について、山下氏は「企業進出が増えるにつれて、人材不足が深刻になってきた。前々から各企業より、中途採用に対する支援のニーズをいただいていた」と取り組みの背景を説明した。北田氏は若い人材が抱負で学生も優秀だとコメント。実際に3人で起業するつもりが、結果的に新人4人(うち3名が福岡の専門学校を卒業)を含む、全7人のチームになったと紹介。みな飲み込みが早く、想定以上の成果が出ているという。

一方で優秀な人材は常に募集中だという北田氏。ぜひこの制度を活用して、多くの人に応募して欲しいと呼びかける。選考基準ではポートフォリオが重視され、数点で良いので自分にとってのベストワークを送って欲しいとのこと。またフォトリアルな分野だけでなく、アニメやゲームなどさまざまな業務を行なっているので、自分の得意分野での作品でかまわないと補足した。「将来的に12名程度の密度の濃いスタジオにしていきたいですね」(北田氏)

最後に環境面では、山下氏から「市内就労者の半分以上で通勤時間が30分以下」というデータが紹介された。20代は東京で会社勤めを経験し、30代で地元・福岡に戻ったという山下氏は、あらためて暮らしやすさを実感したそう。これには「仕事や生活環境はクリエイティブに大きな影響を与える」という持論をもつ北田氏も同調。ほとんどのスタッフがオフィスから徒歩10分程度の場所に住んでおり、高いワークライフバランスを維持できていると語った。

この日の講演テーマの「環境」にも、プロダクションワークフローのように自分たちで構築できる環境と、立地というその地がもたらす環境の2種類がある。クリエイティブワークには、そのどちらもが、高いレベルで満たされることが重要であることを実感する講演だった。

TEXT_小野憲史
PHOTO_弘田 充


INFORMATION

  • 福岡クリエイティブキャンプ 2015

    主に首都圏で活躍しているIT・デジタルコンテンツ等の開発経験者(クリエイティブ人材)の福岡市内企業へのU/Iターン転職を応援するために,福岡市が実施するプロジェクトです。

    ●詳細はこちら●
    fcc.city.fukuoka.lg.jp/

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