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アメリカ在住アーティストの宮川英久氏が、キャラクターコンセプトアートの仕事を解説

アメリカ在住アーティストの宮川英久氏が、キャラクターコンセプトアートの仕事を解説

『Dragon Rider』の武器とドラゴンのデザイン

武器のデザイン: 鎧と同じく「ドラゴンの素材と鍛冶技術の融合」がコンセプトです。デザインの初期段階から、「ドラゴン素材」の部分と、「鍛冶技術でつくられた」部分の2つからなる武器を考えていました。さらにもうひとつ、ドラゴンというアイデンティティを基に「炎を飛ばせる」という能力も考えました。下のデザイン画の右側がドラゴンの牙から削り出した素材、左側が鍛冶で生み出された素材です。「ドラゴン素材」の方は刺激を与えると炎が放射されるという設定です。下方のガードの部分は自然な曲線にしたかったので、黄金比を意識したカーブを用いてみました。

▲『Dragon Rider』の武器のスケッチ【左】とデザイン画【右】


ドラゴンのデザイン: 2本足に2本の翼をもっているので、厳密にはワイバーンと言った方が正しいのかもしれません。実際のトカゲの写真などを見つつスケッチをし、ユニークなデザインを考えるべく模索しました。骨格や3面図も考えてあります。2Dのスケッチやデザイン画を描かず、ZBrushなどを自分で操作していきなり3Dでクリーチャーのデザインをすることもままあるのですが、その分野のスペシャリストに3Dの作業をお願いする際には、こういったスケッチがあると作業がスムースになると思います。

▲『Dragon Rider』のドラゴンのスケッチ

『Dragon Rider』のコンセプトアート

「実際に彼女がドラゴンに乗ったら、どうなるの?」ということを、雰囲気と共に伝えるために、ちがうアングルの2枚のコンセプトアートを描きました。ひとつのアングルだけではわかりづらい場合もあるので、デザインを見せるため、2つのアングルから描いてあります。その上で、キャラクターの感情的な側面を描くことにも留意しました。

▲2つのちがうアングルで描かれた『Dragon Rider』のコンセプトアート


本記事は以上です。キャラクターコンセプトアートの仕事の内幕が、いくらかでも伝わったなら幸いです。



プロフィール


  • 宮川英久
    コンセプトアーティスト

    熊本県出身。リードシネマティクスコンセプトアーティストとして携わった『Disneyland Resort: Guardians of the Galaxy - Mission Breakout!』(2017)をはじめ、『The Marvel Experience』(2014)、 映画『A Wrinkle in Time』(2018)、インドネシア最大級のテーマパーク『MNC Park』などの制作に参加しています。
    www.artstation.com/supratio
    twitter.com/HidehisaM

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