発表会プレゼン作品10タイトル
01 クリスタル・リキャプチャー(穴吹コンピュータカレッジ)
6人のヒーローを操作して、奪われたクリスタルを取り戻す3Dアクションシューティング。スキルポイントでお気に入りヒーローを強化しながら、全てのクリスタル保護をめざしていく。クリスタルの力を活用する特殊なショットも放てる。
02 WAU(ワウ)(名古屋工学院専門学校)
スマートデバイス向けのリズムアクションで、画面を上下にスワイプして波形の高低を操作し、タップで合いの手を入れていく。ヘタウマ感あふれるグラフィックやサウンドが魅力の脱力系ゲームだ。
03 EdiTube (名古屋工学院専門学校)
ユーチューバーなど、ゲームのプレイ動画の投稿者の気分が味わえるアクションパズル。横スクロールの2Dステージが縦に分割されており、一つひとつをパズルのピースに見立てて、キャラクターがステージをクリアできるように組み変えていく。
04 たんぽぽの逃飛行(太田情報商科専門学校)
風の妖精を操り、綿毛に掴まった小人を仲間の待つ花畑へ送り届ける風力アクションゲーム。綿毛を直接操作することはできず、風を起こして移動させる点がポイント。スタミナ切れやカラスなどから守りつつ、花畑をめざしていく。
05 TAKTRHYTHM(太田情報商科専門学校)
入力デバイスにLeap Motionを用いたリズムアクション。手の動きで入力することで、入力方向を上下左右の4方向に拡張。ラインに沿って手を動かすなど入力方法もバリエーションを加えた。ボカロ曲なども使用されている。
06 Project Stinger(ECCコンピュータ専門学校)
ステージクリア型の3Dアクションゲーム。プレイヤーはロボットを暴走させ、街を混乱に陥れた「赤い機体」を倒すため、ウェポンチェンジやコアメモリシステムを駆使して敵を倒していく。
07 SEEKERS(ECCコンピュータ専門学校)
制限時間内に他のプレイヤーよりも多くのクリスタルポイントを集めることが目的の4人対戦アクション。ステージに散らばるクリスタルを集めるだけでなく、相手を倒してポイントを獲得することもできる。
08 すしいくさ(ECCコンピュータ専門学校)
寿司屋が舞台の4人対戦アクションゲーム。それぞれ性能の違ういくら、いなり、まぐろ、えびのキャラクターを操作して、しゃりをとりあって握り寿司になるとポイントゲット。相手を倒すことでもポイントが得られる。
09 Unity トレジャーハント(国際電子ビジネス専門学校)
探索型3Dアクションゲーム。Unityちゃんを操作して敵を倒したり、フィールドを探索してお宝を集めていく。近接攻撃のモーションや、敵を倒したときのエフェクトなどが美麗に作られている。
10 Underling(早稲田文理専門学校)
リアルタイムストラテジー風味の音楽ゲーム。魔王の城に四方から攻め込んでくる勇者達をタイミング良くクリックして倒しつつ、音楽を奏でていく。時折巨大モンスターも登場するが、マウスの長押しで倒せる。
プレゼン内容は各チームとも洗練されており、事前の練習が想像された。しかし、事前にアップロードされたゲーム動画を再生するだけで、ゲームのデモが行われなかったチームもみられた。また、原稿を読み上げるだけのプレゼンが行われたチームがあったのも残念だった。審査員からのコメントもプレゼンの方法についての指摘が多く、ゲームを作ることにくわえて、魅力を伝えることの重要性が強調されていた。
発表会では協会事務局長の丸山一彦氏(早稲田文理専門学校)から本事業の説明も行われた。丸山氏はCCSが国の支援で行われている点を強調し、文科省の委託事業の中には、専門学校のカリキュラムをチェックする項目がある点にも触れた。そして、その成果を担保するためにも、卒業後にゲーム業界の中核的存在として活躍して欲しいと呼びかけた。「ゲーム会社に就職して活躍し、ぜひ後輩にハッパをかけにきてください」(丸山氏)
▲日本クリエイター育成協会 事務局長 丸山一彦氏(早稲田文理専門学校)
▲文科省の委託事業について
実際、展示会で出展された29作品をみると、最も多くのタイトルを出展した名古屋工学院専門学校(9作品)から、最も少なかった早稲田文理専門学校(1作品)まで、ばらつきがみられた。開発ツールもVisual StudioでそろえたECCコンピュータ専門学校と穴吹コンピュータカレッジ、UnityやUnrealEngin4などバラエティにとんだ名古屋工学院専門学校など、学校ごとに特色がみられた。
※一覧はこちら(http://goo.gl/SBE9qS)
ゲーム業界で求められる人材が高度化・専門化している一方で、企業側の新人育成という点においては課題も多くある。そのため、産学連携による人材育成の必要性はますます高まっており、こうした中でCCS2016はたしかな歩みが感じられたイベントとなった。学生向けのゲーム投稿サイトで交流機会を提供しながら、実際の発表会に繋げていくという点でもユニークだ。次年度以降の取り組みについても期待をよせていきたい。
TEXT&PHOTO_小野憲史