応用1 Emit Rigid body
「POP Source」DOPを用いたRigidbodyの発生シミュレーションをご紹介します。ごく普通のRigid bodyのシミュレーションに先に紹介した設定の「POP Source」DOPを追加したものになります
こちらがネットワーク。【1】Pack状態にしたティーポットオブジェクトを作成/【2】シミュレーションで大量発生させています。ネットワークはシンプルで、基本的なRigid bodyのシミュレーションに「POP Source」DOPを付けることでRigid bodyを発生させています。POP Sourceの設定は[Emission Type]を[ALL Geometry]に設定。[Impulse Activation]をエクスプレッションで制御して、発生間隔を調整しています
応用2 Emit Clot
もうひとつ応用例としてClothシミュレーションへの応用をご紹介します。基本的には、先ほどのRigid bodyと考え方は同じです。通常のClothシミュレーションに「POP Source」DOPを使ってジオメトリを追加します
ネットワークについて。【1】発生させるグリッド/【2】wrangleを使って[baseP]というアトリビュートを追加します。シミュレーションに必要です/【3】シミュレーション部分/【4】Multiple Solver」DOPを使うことで「POP Source」DOPを利用可能にしています。「Multiple Solver」DOPは2つ以上のソルバを使って計算する際に必要なものです。実は「POP Source」DOPの中を見るとSOP Solverによってつくられていることがわかります。それを「Finite Element Solver」DOPと併用するために「Multiple Solver」DOPを利用しています。なお、先の2つの作例では「POP Solver」DOPと「Rigid body Solver」DOPのそれぞれの中にMultiple Solverが含まれていたため、特に気にせず使えましたが、「Finite Element Solver」DOPではそうではないため、これが必要になるのです
ちょっとしたテクニックの積み重ねこそ一番の近道!
ラインエフェクト系のTIPSを中心に紹介させていただきました。どれも少ないノード数で比較的簡単に導入できるテクニックを選んでみたつもりです。ライン系は応用範囲が広いので、ちょっとしたテクニックを覚えていくと、つくれるものの幅が広がると思います。
Houdiniは他のソフトより幾分とっつきづらく、はじめはなかなか思うように使いこなせないかもしれません。ですが、ノードの機能やよく使う組み合わせなどを学習していくうちに一気につくれるものの幅が広がる、そういうソフトだと思います。上手くいかなくとも"あせらずコツコツと"です。
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月刊CGWORLD + digital video vol.222(2017年1月号)
第1特集:Houdini徹底ガイド
第2特集:ハイエンドゲーム開発の現場
定価:1,512円(税込)
判型:A4ワイド
総ページ数:144
発売日:2017年1月10日
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