>   >  最新Macシリーズに対する、デジタルコンテンツ制作への期待感を探る。
最新Macシリーズに対する、デジタルコンテンツ制作への期待感を探る。

最新Macシリーズに対する、デジタルコンテンツ制作への期待感を探る。

<3>iMac

iMacは21.5inchのフルHDと4K、そして27inchの5Kの3シリーズがラインナップされている。27inchタイプでは本体の背面が開けられ、拡張性が担保されている。

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iMac21.5inchとiMac27inch

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    iMac27inch背面

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    マジックキーボードにテンキー付きが登場



今回のアップデートの目玉は、グラフィックの向上につきると言ってよいだろう。まず、明るさだが、500nit、現行モデルより43%明るくなる。これはMacBook Proと同等の明るさではあるが、倍の大画面で実現しているのだ。
そして、色数だが、現行で数百万色と言われているものが、一気に10億色に増えた。写真のサムネイル表示の段階で鮮やかさが一目瞭然である。色数が少ない場合、微妙な色のちがいは修正されて消えてしまうが、この色数を実現したことで、水、影、煙などの微細なグラデーションも余すところなく描画される。

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結局のところ、取材側のカメラをはるかに超えた画質であり、この鮮やかさは実機にて実感していただくしかない。騙されたと思ってぜひ見ていただきたい

また、それだけの画質を支えるパフォーマンスも向上している。CPUはKaby Lakeに刷新され、メモリーもDDR4になり、SSDの処理も高速化された。
一部のMac向けストレージオプションFusion Driveのコンフィグレーションは、27inchではデフォルトになり、21.5inchではオプションとして選択可能だ。

21.5inchでもディスクリートグラフィック(画像処理専用の単体のGPU)を導入し、動画編集では50%、3DCG制作では2倍、ゲーム制作では3倍に向上している。27inchは現行で搭載済みだが、アップデートにより動画編集で40%、3DCG制作で40%、ゲーム制作では50%高速化している。

4K動画をリアルタイムで編集処理できるということで、Blackmagicdesign製DaVinci Resolveのビデオクリップのデモムービーを見せていただいた。リアルタイムレンダリングで、追加したエフェクトが即座に反映されていく。
1つずつのピクセルを処理するぼかしは、かなり重い処理になるが、これも瞬時に変わっていく。

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    4Kクリップを4本同時に処理している

また、WWDCではCINEMA 4Dのテクニカルプレビューがあり、iMac上でAMDが開発したGPUでアクセラレートしているPro Renderを用いた3DCG制作のデモを行なったそうだ。クライアントと検討しつつモデルを制作するといったことも可能であり、生産性も向上するだろう。

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    約100万ポリゴンのモデル。通常8時間かかるレンダリングを1時間で処理

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    レーシングゲーム「F1 2016」によるデモ。細かい風雨も滑らかに表現される

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    テールの排気によるゆらぎ

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    カメラレンズの水滴

<4>iMac Pro

今回の取材では実機に触れることはできなかったが、iMac Pro最新モデルが今年12月から発売予定だ。最大18コア(8,10,18コアから選択可)の次世代Intel Xeonプロセッサを搭載し、高負荷のプロの作業が処理でき、冷却機能が最大80%向上した。また、Radeon Pro Vega GPUが搭載され、最大22テラフロップスのグラフィックス処理が可能となっているとのこと。

さらに、Thunderbolt3ポートが4つ用意され、5Kモニタを2台接続することが可能だ。データ転送速度は4Gb/s、さらに10GbのEthernetが組み込まれ、iMac Proを軸として、極めて高性能なワークステーションを構築することができる。高度なグラフィック編集、VRコンテンツ制作、リアルタイムの3Dレンダリングに対応できる、Mac最強のマシンといえるだろう。

今回紹介したMacシリーズ新製品では、Valveが提供する「Steam VR」によるVRコンテンツの視聴にも対応した。そして、ゲームエンジンUnityとUnreal Engine 4は、いずれもMacでVRコンテンツを可能にする開発者向けキットが提供さている。さらにFinal Cut Pro Xでも360度動画の編集が可能になり、Adobe社のPremiere Proと共に360度動画へ対応したことになる。

これは、「VR/ARコンテンツクリエイターのための道具にMacはなる」「MacはVR/ARの開発プラットフォームとして使える」というAppleの宣言とみていいだろう。のみならず、映像クリエイターのスタンダードマシンの地位を獲りにきている、そんな意気込みさえ感じられる。

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