>   >  『CoD:WWII』のライティングアーティストが語る、ゲーム開発におけるライティングスペシャリストの必要性〜GCC '19レポート(2)
『CoD:WWII』のライティングアーティストが語る、ゲーム開発におけるライティングスペシャリストの必要性〜GCC '19レポート(2)

『CoD:WWII』のライティングアーティストが語る、ゲーム開発におけるライティングスペシャリストの必要性〜GCC '19レポート(2)

<3>色による感情の誘導

また、色彩設計においては色ごとに誘導される感情も考慮されている。

それらは主要なキャラクターのキーカラーにもなっており、例えば主人公のダニエルズはその未熟さと信頼性というキャラクター性から緑色がキーカラーとして採用されている。

主要キャラクターのキーカラー

キーカラーは幼少時代のシャツの色など身につけている小物の配色に採用されたり、登場するシーンのライティング演出として使用されたりする。さらにストーリーにも密接に関係しており、登場時未熟さを表す「緑」を携えた主人公は、ストーリが進むにつれ成長を遂げ最終的に「緑」から聡明さを表す「青」へとキーカラーを変化させる。またその「青」は晩年の平和や調和を表すシーン演出にも繋がっており、「緑」は主人公の孫へと引き継がれキャラクター同士の関連性にも使用されるというから驚きだ。

キャラクターと色の関連性

そして、もちろんこれらの色彩設計はゲーム性にも貢献している。パリのマップにおいては、赤色の使用を意図的に制限し、ナチスの旗にのみ使用することで、パリはナチスの占領下にあるという視覚的視認要素をプレイヤーに効果的に与えている。

パリのマップにおける色彩設計

また、色彩設計はシーン全体の調和を支えるのみならずゲーム進行におけるストーリー演出にも一役買っている。バルジのマップにおいては、朝から正午までの時間の変化を演出するだけではなく、ゲーム進行の合間に意図的に不調和な色相を挟み込むことで緊張感や不安感などをプレイヤーに与え、サスペンス的なストーリーを演出している。

バルジにおけるゲーム進捗に応じた色彩変化

最後に、瀬尾氏はゲーム開発にライティングの専門家をもつことについてこう締めくくった。「照明の専門家がチームにいることで、ゲームの視覚目標や芸術性の柱を設定することを後押しするだけではなく、プランナー、背景アーティスト、キャラクターアーティスト全体で、共通の目標に向かって協力する体制を作ることができます。そしてそれらのビジュアル表現に関してはAAAとインディーズに垣根はありません」。数々の美しいゲーム表現において重視されるライティング。本講演がそれらの開発の一助になることは間違いないだろう。

ライティング専門家をもつことによるメリット

  • GAME CREATORS CONFERENCE '19
    日時:2019年3月30日(土)
    場所:大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)
    www.gc-conf.com

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