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TVアニメ『ブブキ・ブランキ』、若手アーティストによるイチ押しカット解説(サンジゲン)

TVアニメ『ブブキ・ブランキ』、若手アーティストによるイチ押しカット解説(サンジゲン)

NO.003 偶然性に頼らない、ねらったエフェクトの作成

  • TVアニメ『ブブキ・ブランキ』、若手アーティストによるイチ押しカット解説(サンジゲン)
  • 鈴木風人
    1990年生まれ。『キルラキル』でCGアニメーターとして参加、本作では4・9話に参加している

銃撃からブブキが主人を守るカットですが、コンテではどう守るかの指示はなく、自分で芝居を組み立てさせてもらいました。エフェクトに関しては、サンジゲンの社内には豊富なライブラリがあります。それらを使って未経験のエフェクトを勉強したり、自分でも追加したりしますが、このシークエンスの場合は既存のものではなく、エフェクト開発から依頼されたので、バリアに沿って弾かれる火花と火線を合わせた、今までにない表現を考えました。火線は短い火線を繋がっているように配置して1本の長い線に見せていますが、破裂のタイミングでずらすなど、完成した画からの逆算です。そのためにはラフ画像を描くなどして、描きたいものや伝えたいことを明確にするようにしています。また短い尺の中で回転していることを観客に伝える工夫として、作画で言う「オバケ」表現を選択しました。

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4話C249完成カット

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火花エフェクトは3DCGのオブジェクトで作成。エフェクトのほとんどは3ds Maxの標準機能だけで構成されている

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2Dで描かれる残像表現(オバケ)

NO.004 アニメーションさせやすいモデリング

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  • 原岡大輔
    1988年生まれ。『劇場版 蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-Cadenza』や本作などにモデラーとして参加している

本作では女性キャラクターの制作を多く担当しましたが、そのなかでも間 絶美は非常に豪華なキャラクターな分、髪型の立体感がどうなっているのか、髪の色がどこから変わっているかの把握など、苦労も多かったです。3DCG独特の苦労として、絶美は髪の房が多いので角度によって破綻して見えないよう、設定画のニュアンスを汲める絶妙の位置をなんとか見つけました。フェイシャル用のモーフターゲット作成もモデラーの役割なのですが、サンジゲンでは80種類以上あるので、仕込むのが大変でした。設定画に合わせる工夫としては、いつも斜め顔を最も大事にしています。正面顔ももちろん大切なのですが、横顔については実は少なく、表情や口の空き方などによって大きく変化するので、逆にアニメーターにカットごとに調整してもらうつもりで仕上げています。

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キャラクターデザインを担当するコザキユースケ氏による間 絶美の設定画

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完成した3Dモデル

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Pencil+を使ったセルシェーディング画像

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NO.005 熱量感のあるアニメーションの工夫

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