NO.005 熱量感のあるアニメーションの工夫
今石アニメを観てアニメに携わろうと志した自分が、本作オープニングで今石洋之さんコンテのアニメーションを担当できることになり、「熱量のある画」をめざしてカットをつくりました。ポイントは、打ち合わせ時からオーダーを受けた「熱苦しい顔」をつくるために用意した自作フェイシャルリグ、「熱い要素」として噛み締めている歯のモデル、「熱量感」を増幅させる2つのタッチです。ひとつめのタッチは、ディレクターの今さんが作ってくれた動くタッチ線(通称・今タッチ。After Effectsにて作成されている2D素材)、もうひとつは、同僚アニメーター敷島くんが作ってくれた3DCGのオブジェクトのタッチ線です(マッピングではなく配置がCUTごとに変えられるため、使い勝手が良い)。ねらった画をつくるにはあらかじめ用意されたものだけでは近づけられないので、自分で事前に用意することを心がけています。
オープニングC019完成カット
モデルのシェーディング画像
NO.006 マッピング表現によるディテールの追求
主人公の母親である一希 汀は、何重にも重なるスカートを履いています。これを正直に薄いポリゴンを重ねた3Dモデルでつくると、芝居をさせたときのめり込みやリグの制御が大変になることが予想できたので、マッピングで処理しました。モデラーとしては、モデリングは1体ずつの作業ですが、アニメのカットの中には複数キャラクターが芝居をするので、少しでも3DCGモデルが軽くなるよう、リグやアニメーションなどその後の工程の作業効率も考えて制作しています。同じくマッピングでは、髪の毛の生え際を丁寧に描く方法を見つけ、今回初めて導入してみました。これは汀で上手く表現できたので、本作のキャラクターの多くにも導入しました。一瞬ではわからないちがいですが、このような工夫を積み重ねていくことが、作画アニメのようだと評価してもらえているのだと確信しています。
スカートの3Dモデルのアップ
スカートのワイヤーフレーム。モデル全般において、できるだけローポリゴンでモデリングすることを心がけている
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TVアニメ『ブブキ・ブランキ』
TOKYO MX / AT-Xほかにて放送中!
原作:Quadrangle
監督:小松田大全
キャラクターデザイン:コザキユースケ
制作:サンジゲン
製作:BBKBRNK Partners
bbkbrnk.com
©Quadrangle / BBKBRNK Partners