>   >  カラーの松井祐亮氏と小林浩康氏が登壇、ASOポップカルチャー専門学校(認可申請中)「スタジオカラーのこれからのアニメづくり」
カラーの松井祐亮氏と小林浩康氏が登壇、ASOポップカルチャー専門学校(認可申請中)「スタジオカラーのこれからのアニメづくり」

カラーの松井祐亮氏と小林浩康氏が登壇、ASOポップカルチャー専門学校(認可申請中)「スタジオカラーのこれからのアニメづくり」

<2>アニメ業界の大ピンチはアニメCGの大チャンス

カラーの松井祐亮氏と小林浩康氏が登壇、ASOポップカルチャー専門学校(認可申請中)「スタジオカラーのこれからのアニメづくり」

「こういう話を真面目に話す機会もなかなかないので、新鮮ですね」(小林氏)

その後、アニメーション業界での仕事について話題が移行した。「漫画の『アオイホノオ』(島本和彦著。カラーの社長でもある庵野秀明監督もモデルに)でパラパラ漫画を描く授業のシーンがあって、(主人公の)焔くんが"昔は隠れて描いていたパラパラ漫画を今は堂々と描ける!"というようなセリフを言うんですけど、今の自分もまさにその通りで、好きなことを仕事にしているので全くストレスがないですね。趣味が仕事になってるので、これ以上に幸せなことはないと思います。だって1日中アニメのことを考えていられるんですよ? アニメ観て上司の前で感想を言ってもいいんですもん。映画だって仕事目線で観ることができますし、自分もプロなんだなと思える嬉しさや、これで飯が食えるありがたさを実感しています」(松井氏)。

アニメ業界の労働環境について話がおよぶと松井氏が「ブラックとは言いませんけど、スケジュールが詰まってて帰れないなど、覚悟はしておいた方がいいです」と発言したところで、小林氏が「そこでつくってみたんですよ」と、アニメ業界が大ピンチにあるとスライドにより紹介を始めた。

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「3年前にも同じスライドをつくったんですけど、相変わらず大ピンチです」(小林氏)

「労働環境については、僕も色々と思うところがあって......。今、アニメ業界は大ピンチなんです。それは最近、NHKの番組(『クローズアップ現代+ 2兆円↑アニメ産業 加速する"ブラック労働"』のこと)で話題になったからというわけではなく、昔に比べると作品が増え続けているという状況がピンチなんです。とくに東京だと、深夜になると沢山のアニメが放送されていて、1クールで100作品以上つくられるような、人が足りない危機的状況です。逆に言えばアニメCGにとっては大チャンスです。そんな中、最近は3DCGを使ったアニメがどんどん活発になってきているのを、ひしひしと感じます」(小林氏)。

「もう1つ、3DCGにとって良いのが、3DCGスタジオが制作拠点を増やしていることです。現在は、東京以外にも様々な場所に3DCGスタジオがあります。また、シビアな話になりますが、低賃金と言われ続けているアニメ業界ですが3DCGをやる人にとっては、それほど悪くないという状況があります。契約形態はスタジオによって様々なのであくまでも一例ですが、初任給は普通の会社と変わらないくらいもらえる会社もあるんですよね。あとはその人のがんばり次第だというところです。よくアニメ業界が低賃金と言われているのは、作画が出来高制での支払いになっていることが多く、3DCGのように固定給のスタジオに入れば待遇も悪くないし、みんな普通に暮らしてます」(小林氏)。

その後、スライドには「わりとすぐに世の中に名前がでる」と映し出された。松井氏はこの点について「映画に自分のクレジットが出てるのを見ると凄く気持ちいいです。それを皆さんにも経験してほしいです」とアピール。小林氏は「いわゆる大作だけでなく、テレビ作品だって就職してすぐに名前が出ますから、両親から"お前、何やってんだ"って聞かれても、"この作品をつくってる"と胸を張って言えますよ」と、その利点を挙げた。

そして「どういう能力が必要ですか?」というスライドが表示されると小林氏は「いろいろと考えてみたんですけど、最終的には運かなと。なのですが、友達をいっぱいつくってコミュニケーションをはかっておけば、様々な会社から仕事をもらうこともできるし、そういう来るべきときに備えて様々な準備をしておくことこそが最も重要ですね」とアドバイスした。

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「友達にバッタリ出会ってカラーでの就職を決めたのも運でしたね」(松井氏)

「上司が"こっちの方が得意かもね"と助言してくれることもありますが、自分の得意分野は自分で見つけておくと良いと思います。それに意気込みや責任感も大切です。下手な3DCGを見せたくない、作品として一生残るんだっていう意気込みがないと、もったいないと思います」(松井氏)。

このほか話は『カセットガール』『グラビティデイズ2』のメイキング、『シン・ゴジラ』『龍の歯医者』など最近の作品の紹介が行われた。ちなみに現在、カラーでは『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の制作が進められているという。

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