03 ストリング・パペット~メカ造形~
ストリング・パペットのデザイン設定
大介が主に操縦するストリング・パペット(白)完成モデル。テクスチャは「ベース色」「ハイライト」「影」「グラデーション」「劣化表現」の要素で構成されている。「フラットな印象にならないように、デフォルトで「劣化表現」が入っているのが特徴です。ライティングは描き影とCG影のハイブリッド方式ですが、影が汚くなりがちな大きなパーツは描き影を用いています」(篠崎氏)
Substance Painter(SP)による3Dペインティング例。テクスチャ構成要素の「ベース色」「ハイライト」「影」「グラデーション」「劣化表現」のうち、「ベース色」以外はSPで作成。また、劣化表現についてはSPでベースを描いたものをPhotoshopで調整するかたちで作成された
04 脱着式のリグシステム
-
「rigLoad」UI。リグの設定、削除(ベイク処理)の管理のほか、FBX形式でモーションキャプチャデータを読み込んだりバグ修正パッチの実行なども行える
-
「Add Facial Rig」UI。【左画像】から実行できるツールでフェイシャルリグを設定できる(フェイシャルリグも脱着式)
-
ベースリグの設定例。向かって左側の大介は未装着の状態、同・右側のマリマリはベースリグを設定した状態。ベースリグが別ファイルとして用意されているのではなく、その場でスクリプトによって生成、構築する方式を採用。そのメリットとして、身長等大きさや関節構造に関係なく簡単に改変がしやすく、派生形のリグスクリプトを作成する際も手早く行えることが挙げられる
-
マスターモデル(大介)。リグはなく、メッシュとスキンボーンのみのシンプルな構造になっている
髪の毛のセットアップ
リグ装着前のボーン構造。「髪などはキャラによってボーンの本数が異なるため、ボーンにネーミングルールを付け(髪であれば2~3桁の数字で管理)、そのルールを基にリグが作成されるようになっています」(更谷 拓リギングリード)
リグを装着した状態
リヴィジョンズのひとり「ニコラス・サトウ」(CV:大塚芳忠)は、そのデザインだけでなく、動きもカートゥーンのような誇張モーションが際立っているため、FFDが活用された
baseRigを装着し、さらにFFDリグを設定した状態。図のようにアニメーターが好きな状態にした上でさらなる調整が可能。「通常はbaseRigを装着した状態で基本的な動きを付けてもらい、必要に応じてFFDリグを追加するといった手順で運用されています」(更谷氏)
05 新開発のフェイシャルアニメツール
本プロジェクト向けに新開発されたフェイシャルアニメツールUI。全表示するとウインドウが画面の大半を占めてしまうため、フェイシャル作業時は、上部に配されたF・E・M(Face・Eye・Mouth)のいずれかをONにして部分的な表示に切り替えて使用するという。表情の種類は全キャラ共通だが、各キャラ固有の特殊な表情についてはSP枠に追加することも可能
斜め顔。(左)デフォルト/(右)モーフ使用(FL:100)。斜め顔モーフでは、前髪や口の周りが正面向きに回転する調整がされている
あおり顔。(左)デフォルト/(右)モーフ使用(Aori:100)。あおり顔モーフでは、前髪や口の周りが正面向きに回転、さらに顎下にラインが出るようにエッヂ1列を奥に移動する調整がされている
斜め+あおり顔。(左)デフォルト/(右)モーフ使用(FL:100、Aori:100)。あおり顔モーフは、斜め顔モーフと併用したときの結果も考慮されている。特に頬から顎のラインが崩れやすいため、入念に確認しながら調整しているとのこと
「Face Rig Selector」ツール。必然的に数が多くなる顔リグの選択、表示・非表示を簡単な操作で行えるように開発したもの
顔のシワとクマの線と影はオブジェクトで作られている。通常、顔の内側に隠れているが、リグを選択し前面に移動させることで表示可能