>   >  クリエイティブ系VTuberスズキセシルが鋭意開発中、3Dアバター作成ツール「セシル変身アプリ」
クリエイティブ系VTuberスズキセシルが鋭意開発中、3Dアバター作成ツール「セシル変身アプリ」

クリエイティブ系VTuberスズキセシルが鋭意開発中、3Dアバター作成ツール「セシル変身アプリ」

Topic 3 無料で使える! セシル変身アプリ

カスタマイズしたキャラは商用利用も可能

3DCGキャラクターを創り、リアルタイムで動かすことに長年取り組んできたことが原動力となっているスズキセシル氏。制作したCGキャラクターを自ら演じることができる、そしてファンが定着すれば収益化も夢ではないVTuberはまさに天職と言えよう。だが、スズキセシル氏の願望はより大きな広がりを見せている。「セシルちゃんがVTuberデビューするちょっと前に、セシルちゃんが登場する脱出ゲームを公開していました。その展開として、セシルちゃんをメインキャラクターにした着せ替えアプリと配信アプリを兼ねたようなものを考えていました。その後、VTuberやVRChatなどのソーシャルVRプラットフォームが広まり、さらにVirtual CastとVRMフォーマットが登場したことで、独自の3Dアバターを欲しい人がたくさんいるのではないかと思い、改めて開発に取り組みはじめました」。それが「セシル変身プロジェクト」である。希望者は、Fantia「セシルちゃんファンクラブ」に登録することでダウンロード可能であり、一般公開版であれば無料で利用できる。開発に際しては、3DCGに精通していない人でも簡単に利用できる仕様であることを心がけているという。「3DCGの用語に詳しくない人にもわかりやすいように、簡単な日本語を使うことにこだわっています。それとユーザーさんが使いやすいようにつくることですね。例えば、テクスチャペイントしてもらうことを前提にしているので、後からペイントしやすいUV展開を試行錯誤したりしています」。ほかにもVRChatでコンバートできるように顔とまつ毛を同じオブジェクトにまとめる。Clusterについてもテクスチャをまとめてマテリアルの数を減らすなど、各プラットフォーマーの要件を満たすようにしている。

さらに本アプリによってカスタマイズされた3Dアバターについては、その権利はユーザーに帰属することだ。「世の中に無料で使えるものはたくさんありますが、細かい条件が付随していて思うように使えないものがほとんどじゃないでしょうか。私としては権利を主張せず、誰でも自由に使えるものを提供したいと思っています。基本的に誰でも自由に使えて、使った人の気持ちや利益が上がったときにその分支援していただければと。ユーザーがカスタマイズしたモデルについては商用利用も認めている。逆に言えば、セシル変身アプリや元モデル自体の販売や配布といったシンプルにまとめられた禁止事項以外は自由なのだ。「このアプリには、みんながイチから人物モデルをつくるという手間を省きたいというねらいもあります。また、ものづくりをする人とそれを使う人を直接つないで、どちらもハッピーにできたらいいなと思っています」。現在は、β版の開発・公開に向けて、クラウドファンディングを計画中だという。興味をもった読者は、まずはFantiaをチェックしてほしい。

基本UI

変身アプリの基本UI。部屋の中にある鏡(顔のアップか全身を選択可能)を使って拡大表示するという遊び心も


カスタマイズ例



  • 衣装の変更。右上にある[セシルクラスター用]をクリックすると編集できる項目は限定されるが、出力したVRMファイルをそのままClusterへアップロードできる



  • 画面・左側に表示された[アバターセレクト]から選んだキャラクターに対するルックの編集例

髪の毛の編集例。前/左/右/後のボタンで、編集したい部分のボタンをクリック。編集したいポイント上で髪型を調整していく

シンプルなUI で多彩なカスタマイズを実現

帽子を編集するUI。現在は、サンタ、野球帽、キャスケットの3種類がプリセットで用意されている



  • 目を編集するUI。目の位置や大きさなどが編集可能



  • まつ毛を編集するUI。ジト目も選択できる




  • 瞳の編集UIにて、左側のボタンからユーザーテクスチャ(星)を読み込んだところ



  • シェイプで顔の表情をチェックするUI。左側はVRM出力設定のUI


ユーザーテクスチャの適用例。CLIP STUDIO PAINT等で描き足すなど、ユーザーが任意に編集したテクスチャを貼り付けることができる

今後の展望

次期バージョンでは、VR空間で変身アプリを利用できるようにすることを目指しているそうだ



  • VIVE Proによるデモ



  • ユーザーが手に持ったコントローラを操作して、鏡に映った自分を見ながら編集


アニメなど、2D表現も機会があれば活用していきたいという



  • 2Dアニメのテスト用に描かれたラフ



  • セシルをLive2D化させるテスト

一時期模索していた2.5D表現の活用例


VTuberデビュー直後に構想していた、セシルちゃんの着せ替え&配信アプリのプロトタイプ。顔を2.5Dで表現



  • 月刊CGWORLD + digital video vol.246(2019年2月号)
    第1特集:デジタルヒューマン最前線
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    定価:1,512 円(税込)
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    発売日:2019年1月10日

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