カメラマップを活用した、8秒のトラックバック
▲空港内のダイナー(簡易食堂)から外の通路へとカメラがトラックバックするカット27
▲【A】〜【D】本カットは多くのモブが登場する8秒の長尺カットで、ここでもCGの良さが活かされている。本カットのアニメーションは喜田氏が担当した
▲【左】ダイナーのデザイン画/【右】ダイナーの3Dモデル
▲本カットの背景はカメラマップで表現されており、若手の菅野 俊氏が作業を担当した。トラックバックによってパースが変化しても破綻が起きないよう、貼り込み用の美術の詳細を美術監督に細かく指定したそうだ
アニメの文脈を意識した、遊び心のある演出
▲リリィが超能力を使ってお盆を投げるカット101
▲【A】〜【C】本カットは若手の伊藤氏が担当し、由水氏が修正した。何の変哲もないお盆を投げるカットだが、アニメの必殺技バンクを意識した豪華な演出がなされている/【D】SHOTGUNでつくられた本カットに対する修正指示
▲レイのシャワーシーン用モデルのターンテーブル
▲【A】〜【D】シャワー室でアオイがレイに抱きつく一連のカットは、若手の滝ケ平氏が担当した。アニメCGでシャワーシーンを表現したことを「僕の、今回最大のチャレンジ」と由水氏は冗談めかして語ってくれた。「CGなのにシャワーシーンが入っているということが、僕にとってはギャグのひとつなんです。『こいつ、こんなことやってる』というように、楽しんでもらえれば嬉しいです。担当した滝ケ平は女性ですが、演出意図を汲み取った良い動きを付けてくれました。ちなみに、このシーンは90年代に放送されたあるTVアニメに対するオマージュにもなっていて、同作のヒロインの芝居のタイミングなどを参考にさせてもらいました」(由水氏)
インタビューの最後に、由水氏は「本作で培った教育ノウハウを活かし、今後も作画の基礎・技術・文脈を3Dアニメーターに継承すべく、若手の育成を続けていきたいです」と抱負を語ってくれた。ケイカと本作がこれからどんな展開を見せてくれるのか、引き続き注目していきたい。
© ケイカ
info.
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『斗え!スペースアテンダントアオイ』
原作・脚本・監督:由水 桂
作画監督:小田剛生
指導アニメーター:喜田祐介
若手アニメーター:奥山和晃、宮田浩明、滝ケ平真悠、大野莉緒、伊藤尚貴、菅野 俊
パイプライン設計:服部 剛
プロデューサー:山中友実子
制作進行:田中宏樹
制作:ケイカ
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