>   >  アイドル18人のライブ後のオフショット! 『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』CGWORLD vol.256表紙グラフィックの舞台裏
アイドル18人のライブ後のオフショット! 『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』CGWORLD vol.256表紙グラフィックの舞台裏

アイドル18人のライブ後のオフショット! 『劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEキングダム』CGWORLD vol.256表紙グラフィックの舞台裏

Topic 2:ユニット別にみる、ポージング監修&レタッチ

ここからは、スペシャルユニットごとにポーズの監修とレタッチの工程をみていく。作業を担当した宮嶋氏によると、今回は先述したように極力CGモデルを活かすよう意識しモデルを変えずに最低限のレタッチで対応したが、手の形はほぼ全てのアイドルをモデルから修正したという。レタッチにあたっては、藤岡真紀氏の描くキャラクターから外れないことを心がけた。「特に藤岡さんの描く手の表情が素晴らしく、レタッチをする際の参考にしました」(宮嶋氏)。

本編では動きの中で気にならない細かい部分も、高解像度の静止画では目についてしまうため、細かくレタッチを入れた。特に髪が顔に落ちる影については全員分レタッチがされている。「モデルは立体で作られているものなので鼻のあたりに立体的に影が落ちますが、キャラクターとして理想的ではなく、リアルに落ちすぎてしまう影は印象を悪くしてしまうので、全体的に手を加えました」と宮嶋氏は静止画へのこだわりを語ってくれた。

手の影も同様で、CGの実写的な影を情報を整理したアニメ風の影にするために積極的にレタッチが施されている。一方で、体にはほとんど手を入れず、めり込みの修正とラインを軽く整えた程度だ。他に、アイドルによっては鼻の位置や目の位置を多少変えているとのこと。

また、本編と大きく異なるのが、キャラクターのアウトラインの太さだ。静止画にすると、動画の場合よりもラインがかなり細く見えてしまうため、今回の表紙ではかなり太めに描かれている。レンダリング時に本編よりも太い設定で書き出し、さらにレタッチでもレイヤーを重ねて太くしている。その上でレンダリング設定で入り抜きを加え、線の表情を豊かにしているという。

01:美風 藍、一十木音也、桐生院ヴァン
※キャラクター名は左から表記

●ポージング監修

左:監修前/右:監修を受け、修正したもの

宮嶋氏による監修コメント(画像クリックで拡大)。藍の頭のサイズと、音也の指、ヴァンの鼻に監修が入っている

手を繋いで掲げている部分のアップ。監修前(左)、監修を受けて修正したもの(右)。指のシルエットを直すため、モデルを修正してレンダリングされた

●レタッチ

左:ポージング監修後の状態、右:レタッチを加えたもの

  • ポージング監修後(上)、レタッチ後(中央)のクローズアップ。掲げた手の影や首の影などが修正されており、ヴァンの鼻の影が鼻下から向かって右に変更されている。また、本編ショット(左)と比べると、ラインがかなり太くなっているのがわかる

●完成

レタッチ後AEで最終処理を加えた完成画像。ラフの時点ではヴァンの表情はもっと凛々しい感じだったが、にこやかな表情に変更されている。「音也とヴァンは良い意味で明るい2人なので、大騒ぎするだろうなと。藍はこの2人に引っ張られるんだけど、そのノリは嫌いじゃない。でも、手を挙げても両手ではない、という感じ。表情もイヤイヤな雰囲気が出ないように、楽しんでいる感を出しました」(中島氏)。

02:鳳 瑛一、四ノ宮那月、黒崎蘭丸 ※キャラクター名は左から表記

●ポージング監修

左:監修前/右:監修を受け、修正したもの

宮嶋氏による監修コメント。主に、手の形についての監修が入っている

瑛一と那月の手のアップ。監修前(左)、監修を受け、修正したもの(右)。瑛一のHE★VENSのハンドサインはカメラ正面を外して少し角度を変更。瑛一の肩に乗せた那月の手は添える程度に修正された

●レタッチ

左:ポージング監修後の状態、右:レタッチを加えたもの

ポージング監修後(上)、レタッチ後(下)のアップ。3人とも鼻の影や口の形状が整えられている。「瑛一の表情は悩みました。特に口周りはモデルでニュアンスを表現するのが難しかったので、レタッチで描くことにしました」(宮嶋氏)

●完成

レタッチ後AEで最終処理を加えた完成画像。「蘭丸は本編の中盤でロックポーズをしていたのでここでもさせています。瑛一がしているのはHE★VENSのハンドサイン。違うポーズですが似ているのが面白いかなと思い、それぞれにポーズをさせてみました。那月はポーズを取る印象がないので、肩に手を置いて"仲良し"な感じにしました。それぞれ違うグループだけれど、親密感を出したかった」(中島氏)。

03:カミュ、聖川真斗、鳳 瑛二 ※キャラクター名は左から表記

●ポージング監修

左:監修前/右:監修を受けて修正したもの

宮嶋氏による監修コメント。カミュの手首の角度、真斗の腕、瑛二の掌の角度に監修が入っている

カミュの手首のアップ。監修前(左)、監修を受けて修正したもの(右)。スナップを効かせた角度に修正

●レタッチ

左:ポージング監修後の状態、右:レタッチを加えたもの

ポージング監修後(上)、レタッチ後(下)のアップ。手袋のシワや口元などにレタッチが入っている

●完成

レタッチ後AEで最終処理を加えた完成画像。「真斗とカミュは大人っぽくこういうときでも大騒ぎしない性格なので、楽しくてもこのくらいで。瑛二は元気に可愛くしました。ポーズ的に触れ合いがない分、密着感を重視しています」(中島氏)。

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04:神宮寺レン、皇 綺羅、寿 嶺二

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