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【Houdini 18.5 レビュー】バージョンアップの目玉は、一新されたリグシステム KineFX

【Houdini 18.5 レビュー】バージョンアップの目玉は、一新されたリグシステム KineFX

Topic 3:Physical Lensシェーダの対応、Light Mixerの改良

Houdini 18.5では、ほかにも多くのアップデートが行われています。Karma、Solaris関連では、Physical Lensシェーダがサポートされました。これによりボケの形状、色収差、Lens DistortionなどのレンズエフェクトをKarmaに加えることができるようになりました。またRender Galleryという機能が搭載され、レンダリング画像のストックが可能になっています。Solarisに関しては、Light Mixer LOP、Edit LOPに大きな改良が加えられ、より使いやすくなっています。ノードとしてはExplore Variants LOP、RBD Destruction LOPなどが追加されました。前者はバリアントの管理確認用、後者はジオメトリの分割からシミュレーションまでを簡単に行えるようになっており、USDデータ上で破壊をどのように扱うかの参考にもなります。


Karma、Solaris関連のアップデート

▲Render Galleryの画面下方にはレンダリング画像がストックされます。画像をダブルクリックすると、別途Render Gallery Viewが表示され、ストックされた画像を大きな画面で確認・比較できます


  • ◀▼【左】Physical Lens VOPノードはレンズ効果を再現するノードで、カメラに適用します。Camera LOPに新しくKarma(Beta)タブが追加されており、そこでレンズシェーダを設定できます/【下】Physical Lens VOPノードで色収差の効果を追加したもの


▲Light Mixer LOPのパラメータ右上に追加されたアイコンから新規ライトを作成できます。ネットワークの上流にSubnetがつくられ、その中に作成したライトが格納されます。基本的なライティングはLight Mixer LOPだけで可能になるのではないでしょうか


▲Edit LOPが改良され、複数オブジェクトの編集管理を容易に行えるようになりました。各オブジェクトの編集内容が確認でき、任意のオブジェクトのミュートも可能です


それ以外の新機能としてビューポート上でのUniform VolumeとVolumetric Fogがサポートされました。前者はシーン全域にわたるボリュームで、後者は特定のボリュームやライトによって生じるFogです。シーンのスケール感や空気感をより把握しやすくなったのではないでしょうか。

操作周りでもいくつか変更がなされています。ネットワークエディタ上で、Jキーを押しながら複数のノードの上をラインを引くようにドラッグすることで、ノード接続が可能になっています。複数のノード、マルチInput/Outputにも対応しています。同じくネットワークエディタ上で、Radial Menusが使用できるようになりました。Nキーを押すことで表示され、ほかのRadial Menusと同様、自由にカスタマイズできます。Dictionary(辞書型)という新しいアトリビュートタイプの登場も見逃せません。それに伴い、Dictionaryアトリビュートを扱うためのVOPノードなども追加されています。また、SideFXの公式ページで提供されているContent LibraryがHoudini 18.5のリリースに合わせて大幅に追加されており、こちらも要チェックです。KineFXのセットアップ、ハイクオリティな爆発、Vellumの材質設定などのシーンファイルが提供されており、どれも非常に参考になるので、ぜひ一度見てみることをオススメします。


ビューポートや操作周りのアップデート

▲Display Optionに新しくFogタブが追加され、Uniform FogとVolumetric Fogを設定できるようになっています。後者はライトの表示設定がHigh Quality Lighting以上の場合に適用されます


▲スポットライトにVolumetric Fogを設定した場合のビューポート


  • ◀ネットワークエディタ上でNキーを押すとRadial Menusが表示されます。【左】はデフォルトの割り当てで、階層やネットワークタイプ間の移動が割り振られています


▲Dictionaryアトリビュートのサポートに伴い、VOPにもそれらを使うためのノードが追加されています。DictionaryアトリビュートはVEX、Pythonでも使用可能です


▲SideFX公式ページに追加されたContent Libraryはどれも非常に参考になります


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Topic 4:SOPによる異なるスケルトン間でのリターゲット

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