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【Houdini 18.5 レビュー】バージョンアップの目玉は、一新されたリグシステム KineFX

【Houdini 18.5 レビュー】バージョンアップの目玉は、一新されたリグシステム KineFX

新機能KineFXをはじめ、今回も魅力的なバージョンアップが盛りだくさんのHoudini 18.5。本記事では、それらの中から特に注目の機能をピックアップして紹介してみました。「進化が早くて追いかけるのが大変!」というそこのあなた、ぜひ参考にしてみてください。

※本記事は月刊『CGWORLD + digital video』vol. 269(2021年1月号)掲載の「バージョンアップの目玉は、一新されたリグシステム KineFX Houdini 18.5 レビュー」を再編集したものです。

TEXT(1〜3ページ)_北川茂臣 / Shigeomi Kitagawa
ブログ_nomoreretake.net 私、テレワーク向いてないなと思いました。

TEXT(4〜5ページ)_太田隆介/ Ryusuke Ota
Twitter_@jyouryuusui 土日Houdinistです。

EDIT_尾形美幸 / Miyuki Ogata(CGWORLD)

SOPベースで構築できる画期的なリグシステムに期待

バージョンアップの度にその進化に驚かされるHoudini。今回のHoudini 18.5も驚きの新機能が満載です。目玉は完全リニューアルされたリグシステムのKineFXではないでしょうか。SOPベースで構築できるリグシステムというだけでも画期的ですが、さらに既存のSOPノードをリグに利用したり、Vellumでリグを制御したりといったことが簡単に行えるようになっています。またリターゲット、アニメーションの読み込みやブレンドなどもSOPで行えるようになっているので、例えば全自動によるアニメーションの量産など、作業の効率化が期待できます。KineFX以外のSOP関連では、トポロジーの異なるモデル同士の形状を一致させるTopo Transfer SOPや、ありそうでなかったPath Deform SOP、鎖が簡単につくれるChain SOPなど、多くの魅力的なノードが追加されています。

エフェクト周りでは、Pyroに対して多くの改良が行われました。爆発に関するノードがいくつか追加・改良され、より高いクオリティの爆発を簡単に作成できるようになっています。またPyro関連では、GPUを用いた高速シミュレーションとインタラクティブなパラメータ変更もチェックしておきたいポイントです。前バージョンで実装されたばかりのKarmaやSolarisにも多くの改良が施され、Physical Lensシェーダの対応、Render Gallery機能の追加、Light Mixerの改良などが行われました。

上記以外にも新機能は盛りだくさんです。Volumetric Fogのビューポート対応、ネットワークエディタ上での新しいショートカット、新しいアトリビュートタイプの追加、Radial Menusのサポート、Python 3.7のサポート等々。以降では、今回のバージョンアップの中から特に注目の機能をピックアップして紹介していきます。

Topic 1:ノードの追加・改良による爆発クオリティの向上

前述したように、エフェクト周りではPyroに対して大きな変更が加えらており、爆発に関する多くのノードの追加・改良と、それによるクオリティの著しい向上が図られています。追加されたノードで特筆すべきものは、【1】Pyro Burst Source SOP、【2】Pyro Trail Path SOP、【3】Pyro Trail Source SOP、【4】Pyro Bake Volume SOPの4つです。【1】〜【3】は、主に爆発の発生源のコントロールに関するノードで、タイミング、規模、初期形状、トレイル作成などを細かく設定できるようになっています。【4】はPyroの質感の著しい向上が可能となるノードです。特筆すべきは、ノード内部で作成したスキャタリング用のボリュームを使い、爆発内部からの光を再現する機能です。従来のライトとレンダリング設定によるスキャタリングよりも、はるかに簡単にねらった効果を得ることができます。なお【4】は新しく追加されたPyro Shaderというノードを内包しており、セットで使用する設計になっています。


爆発クオリティを向上させる4つの新規ノード

▲Houdini 18.5でつくられた爆発のレンダリング画像。これまでのバージョンから爆発のクオリティが大幅に向上したのを実感できます。この爆発のシーンファイルは、SideFX公式ページのContent Libraryで提供されています


▲左から順に、爆発の発生源を作成するPyro Burst Source SOP、爆発のトレイルを作成するPyro Trail Path SOP、それを基にエミッタを作成するPyro Trail Source SOP。いずれのノードも、シミュレーションを実行することなく、ビュー上で形状や軌道を確認しながら作成できる点が嬉しいです


  • ◀▼【左】爆発のルックデヴ用ノードとして、Pyro Bake Volume SOPが追加されました。リアルなシェーディングができるのに加え、ビューポート上の見た目もレンダリング結果にかなり近くなっています/【左下】ビューポート表示/【右下】レンダリング結果


また、前述のPyro系ノードのサンプルとして、シェルフやTab MenuにAerial Explosion、Ground Explosionなどが追加されており、新機能を簡単に試すことができるのも嬉しい点です。もうひとつPyroで注目したいのは、Minimal OpenCL Solveです。これはPyro Solverに新たに追加されたオプションで、GPUを用いた高速シミュレーションとインタラクティブなパラメータ変更ができるというすごい機能です。誌面でこのスピード感、インタラクティブ性を伝えるのは難しいので、ぜひ実際に使ってみてほしいです。シミュレーション周りでは、Pyro以外でも様々なアップデートがありました。Vellumでは、ブラシでインタラクティブにシワをつくれるVellum Brush SOP、FEMの新しいコンストレイントが挙げられます。FLIPでは、Viscosity(粘性)のAdaptiveへの対応、前回強化が著しかったRBD周りの改良などが行われています。


新機能を簡単に試せるシェルフや、GPUを用いた高速シミュレーション

  • ◀▲爆発の新しいワークフローに対応したシェルフやConfigureノードが用意され、既存のシェルフも新規ノードに置き換わっていたりします。新しいノードの学習にも最適です


▲Pyro Solver SOPのパラメータのMinimal OpenCL Solveというオプションを有効にすることで、GPUを用いた高速シミュレーションが行えます。パラメータを変更すると、再生中のシミュレーション結果にインタラクティブに反映されます


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Topic 2:制作の幅を広げてくれる新規SOPノード

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