ゲームクリエイター/TA/エンジニアのRED_SIM氏は7月21日(月)、VRChat内でアバターなど動的オブジェクトのライティングを向上させる、オープンソース(MITライセンス)のアセット「VRC Light Volumes v.2.0.0」をGitHubでリリースした。v.2.0.0ではポイントライトなど3種ライトが最適化され、ワールド内に最大128個のライトを同時配置可能に。また、画像およびキューブマップの投影機能やベイク済みシャドウマスク、下位レイヤーを参照した非破壊編集などの更新が実装されている。
Light Volumes v.2.0.0 released!
— RED_SIM (@RED_SIM) July 20, 2025
Now it has Light Volume based super optimized analytical Point Lights, Spot Lights and Area Lights. (Up to 128 at the same time)
Ability to project images and cubemaps.
Also baked shadow masks and even more features!https://t.co/N99sUlFOFc… pic.twitter.com/Z8vsSBytaQ
「VRC Light Volumes」はVRChat向けに開発された、ボクセルベースのライトプローブ代替アセット。ピクセル単位で詳細なライティングを計算してシーンに統合し、アバターや動的な小道具にもリアルな陰影と色を再現する。現実世界に準じてライトに近い場所は明るく、遠ざかるにつれて暗くなるという光の減衰をリアルに表現する。

v.2.0.0では、ポイントライト・スポットライト・エリアライトの3種ライトが最適化された形式で利用可能になり、最大128個のライトをワールド内に同時配置できるようになった。
また、ライトが画像やキューブマップを投影できるようになったほか、パフォーマンスの最適化とリアリティ向上が目的のベイク済みシャドウマスクが追加。

さらに、レイヤー構造が強化され、下位レイヤーの情報を参照しながら、グランジやエンボスといった複雑な加工表現をプロシージャルに適用できるようになったほか、物理ベースのシミュレーションを適用可能なプロシージャルな地形生成システムも追加されている。
そして、新しいカーブブラシとカーブノードが追加され、メッシュ上で直接カーブを操作して複雑で有機的な形状やラインの作成が可能に。リアルタイムビューポートもアップデートされ、レイトレーシングによるシャドウや反射、GI、トランスルーセンシーの改善などが実装されている。

VRC Light Volumesは、Abstract社の2D/3Dアセット管理&データ処理プラットフォーム「Polyverse」と統合され、クラウドでの共同作業やバージョン管理、ARプレビュー機能が強化。同じくAbstract社の3Dマテリアルやテクスチャリングの設計&自動化ツール「InstaMAT」のプロジェクト全体をPolyverseに共有し、カスタムPolytronとしてクラウド上でマイクロサービスとして実行できるようになった。
その他、高度な曲率(Curvature)と法線(Normal)ベイキング機能が強化されたほか、生成マテリアルライブラリに新しいマテリアルと140種類を超えるSFデカール素材、グランジやパターンが追加された。
「VRC Light Volumes」は無料かつオープンソースで提供されるが、開発者のRED_SIM氏をPatreonでサポートすることもできる。Tier I〜IVまで4種類のプランが用意され、各ティアに特典アセットが用意されている。

■VRC Light Volumes(GitHub)
https://github.com/REDSIM/VRCLightVolumes
■VRC Light Volumesドキュメント(GitHub)
https://github.com/REDSIM/VRCLightVolumes/blob/main/Documentation/HowToUse.md
■RED_SIM氏のPatreon
https://www.patreon.com/red_sim
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