Exys初のデジタルYouTuber『藤崎由愛』
今回YUAの開発を一手に引き受けた鈴木氏は、自身のこれまでの経験を活かして見事YUAをデビューに導いた。「今年の5月に入社したときすでに『TOKYO GAMESHOW 2017』でデジタルYouTuberを発表することが決まっていました。スケジュールが非常にタイトだということはわかっていたので、今回はリーンスタートアップ（必要最低限の機能の完成を目標に効率的に開発する方法）で開発を進めることにしました」（鈴木氏）。タイムリミットを意識して制作にかけられる時間と条件を割り出し、YUAを披露するために必要なものと必要ではないものを明確にしながら作業は進められた。例えば、フェイシャルのパターンについて考える場合、ひとまず最低限の17パターンを制作してデビュー後に読者の反応や動向を見て必要に応じて改良したり増やしたり、その都度柔軟に対応していくといった具合だ。
入社早々の新規事業ということもあり、鈴木氏にとって手探りとなる作業の連続だったが同時に大きな達成感も得られたようだ。「モーションキャプチャは自分にとって初めての経験で、思い通りのアクションがなかなか再現されなかったりバグに翻弄されたりと試行錯誤の連続でした。収録の直前ギリギリでやっと綺麗に動いてくれたときは達成感を強く感じましたね」。必要最低限を目指したとはいえ、身に付ける衣装やキャラクターの動きへのこだわり、そして動画再生に負荷をかけないよう不必要なものを削りながらも重要な部分を正確かつ柔軟に見極め、見事YUAをデビューのステージに送り出すことに成功した。
魅力的なキャラクターをプロデュースするにあたり、YUAが身に付けている衣装にもこだわった。キャラクターデザインは社内で行い、衣装はAKB48などの衣装を担当するオサレカンパニーが手がける。「オリジナルIPをつくるにあたって、キャラクターと衣装の関係は切っても切れない深い関係があると考えています」と野口氏は語る
今回制作されたフェイシャルパターンは17種類。今回のデビューにあたり、最低限必要とされる基本的なパターンを制作し、今後必要に応じて増やしていく
YUAの特徴のひとつでもある大きな胸を揺らすのには苦戦した。鈴木氏がひとりでモーションキャプチャを習得しながらスクリプトを書き、リグを工夫して検証をくり返したがなかなか上手くいかず、ギリギリまで試行錯誤をくり返した
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