日本の3DCG開発を取り仕切るチームをつくる
―エンタメ業界からの応募も歓迎
CGWORLD(以下、C) :ここからは、社内で働くクリエイターの方にご質問します。まずは自己紹介をお願いします。
Lee, SunJin氏(以下、Lee) :Mackevision Japanのコンテンツデリバリーのリード(責任者)のLeeと申します。11年ほどハリウッドとニュージーランドでVFXの経験を積み、数多くの映画作品に携わりました。フォトリアルな映像制作の経験を活かし、2016年にMackevisionにジェネラルマネージャとして参加しまして、以降はビジネス推進の責任者として企業のサポートを行なってきました。
濵村 豊氏(以下、濵村) :CGクリエイティブディレクターの濵村です。CGディレクター、CGSVのような仕事を担当しています。3DCGの仕事に携わって20年ほど経ちますが、最初はゲームデベロッパーに所属しており、その後は3Dアーティストとして広告に向けた映像制作を職務として担当してきました。
江口正和氏(以下、江口) :江口と申します。以前はコンサートライブのモーショングラフィックスなどを専門に手がけていましたが、フリーランスとして独立した後は建築プロダクト系のカタログイメージや動画を制作する仕事をしておりました。抽象的なモーショングラフィックスをつくっていく中で、フォトリアルな映像表現にも興味が湧き、今はこの業界に落ち着いています。
C :今回のMackevision Japanの求人背景について教えてください。
Lee :Mackevisionでは非常に早い段階からUnityやUE4などを取り入れており、フォトリアルな映像表現によるデジタルツイン構築を企業の課題解決に活用してきました。さらに、現在はVFXやAR/VRを含む最新かつ高度な技術を用いて、あらゆるタイプのデジタルコンテンツをつくることができるスキルセットを持っています。これは、今のアクセンチュア インタラクティブにとって欠かせない技術です。このようなMackevisionの持つスキルを日本国内のサービスポートフォリオに加えることで、新しい次元のコンテンツイノベーションが実現できるはずです。そのためには、日本の3DCG開発を取りしきるような、経験を持ったチームが必要です。今、メンバーは10数名ほどですがまだまだ採用を強化し、しっかりチームを育てていくべきだろうと考えています。スキルと情熱を持った方にぜひ参加してほしいですね。
C :目指している組織について、もう少し詳しくご説明いただけますか?
Lee :基本的には、3DCG技術を用いて非常に高いリアリティを実現することができるチームを想定しています。ただ、私たちはアーティスト集団ではなく、アーティストの技術を持った人とソリューション設計ができる人が一体となって仕事をしています。こう言ってしまうと少しハードルが高く思われるかもしれませんが、チーム全体としてデータ準備からクリエイティブな実装、UXにいたるまでの全てをカバーすることが理想です。また、Mackevisionはグローバルな人材が集まったチームなので、海外の知識や経験の共有も積極的に行なっていますが、さらにみんなの知見を豊かにするためにゲーム業界をはじめとしたエンタメ業界だけでなく、幅広い知識や経験のある方を募集したいです。
「こんなにすごいものをつくれるよ」という提案を
周りが本気で歓迎してくれる環境
C :様々な業界から人材を受け入れたいとのことですが、求める人物像についてより具体的に教えてください。
濵村 :今のお話だけだとハードルが高そうに聞こえてしまうと思いますが、ゲーム業界でもその他のエンタメ業界でも、基本的な3DCGのスキルを押さえていて、あとは技術を学んでいく前向きな姿勢があれば心配することはありません。ツールの使い方は時間をかければ身に付きますし、基礎的なスキルさえあれば共に成長していけると思います。
江口 :社風的には、本当にみんな優しく技術協力をしてくれる環境にあります。コンサルティング会社の要素というか会社構造が面白くて、例えば技術者である自分の視点から「こんなにすごいものをつくれるよ」と提案すると周りが本気で歓迎してくれて、それをどう活用するかを一緒に模索してくれるんです。この技術はこう使えるのでは? と頭の中で膨らませている方がいたら、とても向いていると思いますよ。
Lee :具体的にということであれば、スキルに関しては実写VFXの領域で経験を積んだ方も向いていると思います。フォトリアルな映像表現を行うためのモデリング、テクスチャリング、ライティングなどを含めたパイプラインのセットアップの経験を持っている方は大歓迎です。今はゲームエンジンを活用したリアルタイムのプロジェクトにシフトしていますので、PS4などのハイクオリティな3DCGゲームの開発経験のある方は、特に歓迎します。
C :環境・待遇面についても教えてください。福利厚生などを含めた働きやすさに関してはいかがでしょうか?
江口 :まず、ツールや環境面ではまったくストレスがないです。入社してすぐにハイスペックPCが支給されますし、業務上さらに高いスペックが必要になればすぐに導入検討してもらえます。私にとってユニークに感じられたのは、有給や産休などの休暇の取得申請が全てデジタルで自動化されている点でしょうか。また、有給などは1日単位ではなく1時間単位、たとえば1日休むときは8時間休み、というように申請します。時間単位で休暇を取得できるため、お休みが取りやすい環境だと思います。
濵村 :社内の空気的にも、常に新しいことができる新鮮さがあって、仕事内容や環境に魅力を感じています。逆に、「新しい試み」が面倒だと感じてしまう人は向かないかもしれません。今のチームの人数は10数名ほどで、半分が海外の方です。皆さんプロ意識が高く、自分でやっていくという意識が強い。こういう環境の新鮮さもありますね。
C :ありがとうございます。このお話のながれで、そもそもおふたりはそれぞれどういった理由からアクセンチュア インタラクティブで働くことを決めたのかを教えてください。
濵村 :Mackevisionがハイクオリティな映像をつくるグローバル企業であることは知っていましたが、それが日本に来るということで応募しました。特に驚いたのは、コンサルティングのイメージが強いアクセンチュアが3DCGをやっているんだ! というところです。世界規模の知見を持つ会社の一員として働くことで、既存のしくみでずっと3DCGをやり続けるよりも視野が広がると思いましたし、今までつくっていた媒体の壁を越えて新しいチャレンジができるのではないかと想い、入社を決めました。
Mackevision Showreel 2021 from Mackevision on Vimeo.
江口 :もともと私がやっていたのはいわゆる受託の仕事です。どういった背景があって、なぜ必要かもわからないものを、言われたからつくるという姿勢でした。何に活用されているかわからないままインテリアのCGをつくったり、建築パーツをつくったり......。そうではなくて、もう少し上流工程から関わりたいと思ったのが入社の理由です。それだけでなく、私たちがつくったものがどう運用されて、どう成果が上がったかまでをトレースできる。ハイクオリティなコンテンツ制作を行うだけでなく、運用フェーズまで携わることができるのが魅力ですね。
濵村 :コンサルティング会社というイメージが強かったので、そういったグループに入るのは3DCGしかやってこなかった自分にとっては不安もありました。入社当時に受けた9日間のコンサルティングのトレーニングでは、正直に言って「大丈夫かな?」と思いましたが、Mackevisionに合流した後は本当に今まで通りで、映像制作会社にいたときと大きな差はないという印象でした。コンサルティングのトレーニングも、ロジカルに物事を考える能力は3DCGにおいても活かせるので、長い目で見れば非常に良い勉強になったと思います。
3DCG表現の‟わくわく感"が、
きっと社会を変える原動力になる
C :ただ3DCG制作をするだけではない、既存の枠を超えた取り組みができるのが魅力とのことですが、働いてみて改めて感じたアクセンチュア インタラクティブのメリットを教えてください。
Lee :メリットのひとつはグローバル企業と技術共有ができること。Mackevisionはドイツにも複数のチームがありますし、米国や中国にもチームがあって、それぞれ活発なコミュニケーションがあります。各チームが得意とする技術を吸収できるというのは、すごく良い点ですね。また、多くの業界・業種でビジネスを行なっているので、その意味でもたくさんのチャンスがあるのかなと思います。
アクセンチュア インタラクティブスタジオ 東京
江口 :魅力は先ほども言った部分と重複しますが、お客様と相対するフロントエンドから技術的にハイエンドであるバックエンドにかけて広く案件に関われることです。あとは、私は入社したときは英語が喋れなかったのですが、今は結構慣れましたね。英語はできるに越したことはありませんが、今は優秀な翻訳ツールもありますし、言語の壁で悩む必要はないと思います。また、映像制作に関しても独自のトレーニングプランがあり、Mackevision流を入社してすぐ学べたのもメリットでしたね。
濵村 :私は特に、この組織がまだ発足して間もないというところを魅力に感じます。グローバル企業ならではというか、言われたことをやるだけの会社ではありません。自分の力を試したかったり、新しいものをつくることに興味がある人であれば、すごく合うと思います。
C :ありがとうございます。最後に、皆さんの考える、今後の3DCG技術の社会活用のビジョンや、こうなったら面白いという未来について教えてください。
濵村 :3DCGの枠組みは確実に広がっていて、あくまで作品制作の一貫だった以前と異なり、今では顧客体験の創出などビジネス用途でも活用されています。例えば、拡張現実などと組み合わせれば、より面白い体験を顧客に提供できるかもしれません。未来でいうと、まだまだ現実的ではないかも知れませんが、ホログラムなどをハードウェアデバイスなしで見られるようになれば面白いなと思っています。ディスプレイを介すのではなく、本当にその場所に描画できる手法が出てくることを期待していますし、それを使って何をするか、どう活かすかもいずれは考えていきたいですね。
江口 :VRなどもそうですが、リアルタイム3DCGの需要が高まっているのは如実に感じます。今は建築ビジュアライゼーションとエンタメはきっかりと分かれていると思いますが、少しずつ建築分野がエンタメの要素を取り入れつつあります。商品の魅力を見せるカタログよりもVRの方が強いメッセージ性がありますし、何より楽しさを伝えることもできる。あとは先ほどデジタルツインという言葉が出ましたが、私はもうすぐ子どもが産まれるんです。私と妻と子どもが住んでいるこの世界を360度まるごと取り込んで保存ができたら、とはよく考えますね。遠い未来、仮に自分が死んでしまったとしても、このときのデータをVRなどで見ることができれば、それは写真アルバムよりも大きな価値のある体験になると思うんです。そういう意味では、技術をどう活かすかが問われていると思っていて、常に自分のスキルをどう使うかは考えていきたいです。
Lee :コロナ禍でデジタルトランスフォーメーションへの取り組みが急速に進行する中でも、3DCGは大きな役割を果たせます。デザインの分野でも製品開発でも、マーケティングでも、高品質なコンテンツをつくる技術は何にでも応用可能です。ただ、現実的には、まだまだカスタマーの中には3DCGのソリューションへの理解が不足している部分もあります。上手く伝えられるよう整理しながら、今ある技術を応用してお役に立ちたいと考えています。
C :ありがとうございました。
■求人情報はこちら
cgworld.jp/jobs/30616.html
募集職種
①3DCGアーティスト(ジェネラリスト)
②リアルタイムソフトウェアデベロッパー