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デル主催CGコンテスト「CGごはん」結果発表!優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

デル主催CGコンテスト「CGごはん」結果発表!優秀賞&審査員講評コメント一挙公開

プロ部門・第4位:『カツカレー』 獲得点数:19点

中川 祐さん(KLab株式会社)
リアル系CGが大好きな22歳です。 https://www.artstation.com/plusq

●作品解説
シンプルなカツカレーです。 特にカツの衣の表現にこだわりました。

Cutlet Curry
A simple cutlet curry.
In particular, I focused on expressing the cutlet coating.

●使用ツール
Maya,Redshift,Photoshop


●審査員コメント 抜粋

StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
CoCo壱番屋のロースカツカレーを思わせる質感はシンプルに美味しそうに感じる。衣の表現もきちんとパン粉のオブジェクトをばらまいて作ったような実在感がある。人参やご飯にかかったルーの透明感の表現も秀逸だ。あと細かいところでは卓上の埃が妙にリアルである。何かふと「独身男性の昼食」のようなストーリー性を感じるのも素晴らしい。

トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
正にシンプルの極み。こういうのがいいんだろ?と、まるで挑発してきているようにも思えるが、それはカツカレーという王者の持つ余裕だろうか。構成は、サービスエリアで旅の記念に1枚撮ったかのようなシンプルで記録的な表現だが、少しトワイライトゾーン(小腹の空いた時間帯)を思わせるライティングで、説得力がある。質感は言わずもがな非常にリアルで、特にルーのリムの表現や、ライスに浸っている表現、衣やライスの粒感に至るまで、丁寧かつ写実的に表現されている。また、経年劣化を感じさせるシルバーやテーブルトップなども、芸が細かいと思う。個人的に言えば、シンプルで具だくさんでは無いルーが嫌いじゃないのと、異様に主張する赤の福神漬が無いのが高評価。

【デジタルアーティスト/朝倉 涼
見た瞬間にすごい説得力を感じた作品です。カツカレーとして正解を出しているといいますか、食べたくなりました!カツの衣の感じやカレーに溶けた具材の感じの再現度がとても高く、シンプルながらも「CGごはん」としての正解を感じました!

株式会社MAPPA/CGI部】
写真と見間違えるリアルさ、おいしそうです。脱帽。

【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
ご本人も自負されているトンカツの衣の質感が美味しそうです。

プロ部門・第5位:『夏ノ宝箱』 獲得点数:17点

加藤正生さん(株式会社 エム・ティー・ケー)
セル調からリアル系まで幅広くこなせるように日々鍛錬しています。 https://twitter.com/mk0613_saki
https://vimeo.com/user68634924
https://www.artstation.com/saki777

●作品解説
地元、浜松の名産である鰻をテーマに、外出自粛期間中の営業が厳しい状況のなか頑張る鰻屋さんを勝手に応援する気持ちで作成しました。鰻は実写のおいしそうなところのみを切り出しテクスチャとして使用し、よりおいしそうに見せました。文鳥箸置きが何気にお気に入りです。

Summer Treaure Box
I picked eel, a local specialty of my hometown Hamamatsu, as my theme. I wanted to express the feeling to support eel restaurants working hard in a difficult business situation during self quarantine period. For eel part, I used as texture only the part that looked yummy from actual pictures and made it look more delicious. I kind of like the bird chopstick rest.

●使用ツール
3dsMax,ZBrush,After Effects


●審査員コメント 抜粋

【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
自粛中の鰻屋さんを想像しながら描かれたという事ですね。拝見する側としても応援したくなる気持ちです。そして何と言っても、美味しそうで食欲をかき立てられる素晴らしい作品だと思います。蓋を開けた時の鰻の美味しそうな香りまで妄想しちゃいました。文鳥箸置きが何気に心和みます。

西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
焼いた鰻のなんとも言えないテクスチャーがCG独特の"不気味さ"が全く無く完璧な状態で表現されています。画面から甘く焼けた香ばしい香りまで感じる事ができカットの画角、色調も完璧でいかにも美味しそう!!

株式会社MAPPA/CGI部】
完成度がとても高く、チラシで見てもCGだと気づかないでしょう。ウナギの焼き目やお米のつや感、タレがご飯に少しついてる表現が実に食欲をそそります。お吸い物と漬物にある緑色で夏の爽やかさも感じました。実家に帰ったら食べに行こう......。

株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
今回プロ作品の中で唯一タイポグラフィーを使って他との差をつけた点を評価します。

【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
CGごはんとしても、グラフィックデザインとしても、しっかり完成度を高めている点が好印象ですね。お米の敷き詰め方が自然で、こだわりを感じました。欲を言うと、お箸がお盆に同化して見えるので、色味を変えるなどの工夫が必要ではと思いました。

プロ部門・第6位:『2人と1匹の朝ごはん』 獲得点数:13点

伊藤友祐さん
普段は不動産広告の建築CGを作成しておりますが、いろいろなことに挑戦していきたいと考え、今回CGごはんにチャレンジしました。

●作品解説
こんな朝を毎日迎えたいなーと思えるような、気持ちのいい朝のごはんをテーマに作成しました。 食べ物は普段制作することがなかったので、ごはんや鰹節味噌汁などの形や質感に苦労しましたが、楽しく制作できました。

Breakfast for two plus one
I made with the theme ""breakfast on a beautiful morning"", with the thought of wanting to welcome the morning like this.
I don't usually create with food as a theme, so I had a hard time on getting the right shape and texture of rice, bonito flakes, and miso soup etc., but I enjoyed creating it.

●使用ツール
3ds Max,V-Ray,Photoshop


●審査員コメント 抜粋

株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
背景のシチュエーション含めた食卓シーンでほっこりしました。鰹節のウエットなところとドライなところの表現とか、みそ汁の液体の中の表情など細かな表現にもこだわりを感じます。さらにシズル感を出すとするなら、お茶碗のフォルムを微妙に崩すとか、プロダクト系のものにも温かみを感じさせる工夫が必要かもしれません。

【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
とても心地の良さそうな柔らかな光の中に、身体に優しい朝ごはん。鰹節と卵の組み合わせに思わず手を合わせて「いただきます」と言いたくなります。周りのほのぼのとした光景と一匹の猫が空間の優しさを演出されてい、てゆったりとソファーに腰掛けたくなりました。

株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
ふかふかの温かいごはんの上で踊る鰹節に温かいお味噌汁が香ってくるような作品でした。食事だけではなく、陽の光などによって食事の空間・雰囲気まで表現できている点が素晴らしいと感じました。一方で、食をテーマにしている中においては、空間表現要素がやや多いので、よりシンプルにするとより食事の惹きが強くなるかもしれません。

【デジタルアーティスト/朝倉 涼
二人と1匹が同じ食事をとることで家族であることを強く感じる、ストーリー性のある作品だと思いました!鰹節やお味噌汁の雰囲気も非常に見事だなと思いました!ごはんの美味しそうさもそうなのですが、家族の暖かさのようなものが伝わる作品だと思います。

【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
「ごはんを撮影するなら早朝。窓からの逆光で」という鉄板法則を、空間も含めて再現している点が素晴らしいと感じました。そして、家主を差し置いて朝食を食べ始めている画面奥の猫さんにドラマを感じました。欲を言うと、手前の卵の黄身の上にかかっている鰹節(?)が謎の触手のようにも見えてしまうので、再調整が必要ではと思いました。

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第7位~11位 プロ部門・選外優秀作品講評結果

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