プロ部門・第7位(選外優秀賞):『BaconEggMuffin』 獲得点数:13点
渡邊拓人さん(株式会社モデリングブロス)
2018年に日本電子専門学校に入学後モデリングブロスに今年から入社いたしました。 いつか私が幼少期から好きだったコンテンツに携わりたいと思っています、最近ではUE4やBlenderに興味があり、次期ゲームエンジンのUE5などはリリースされたらすぐにでも触りたいと思っています。 Artstation:voguestyle.artstation.com
●作品解説
いかにリアルに作るか、そして食材の照り感を出せるのか意識して作りました。 ライティングも配置から色味まで修正を重ね、理想の色味を模索しました 見た人が食べたくなるような作品になっていると嬉しいです
BaconEggMuffin
I concentrated on how to make it more realistic and how to add glaziness on the food.
Also, as for lighting, I tried to find the ideal color by repeating correction on placement and color tone.I hope that my work will make people want to eat.
●使用ツール
Maya,Blender,ZBrush,SubstancePainter,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
レタスの表現やベーコンの質感など、すごく良いと思います。ただし、何か重量感がない。バーガーとラッピングペーパーとテーブルの関係でしょうか?そこがとても惜しいです。そこをクリアできると断然良い作品になると思います。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
全体的なバランスが良く、パッとみて"美味しそうだな"と感じられた作品。 一点惜しいなと感じたのは、構図のバランスを重視したせいか、バーガー自体のどこを美味しいと見せるのかの主張が弱い所。 バンズ、肉、野菜、などテーマを決めて大胆に主張がある作品になると尚良かったと思います。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
比較的香りが出にくい食べ物ですが、色彩の豊かさと一個一個のアイテムの質感で「おいしそう!」と思わせる事ができているのが素晴らしいと感じました。細かいですが、作品内のマフィンのつづりが違っています。より細部にこだわる・気がつけるよう無意識を持つことでより良い表現の幅が広がり作品が生まれるのではないかと感じています。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
一目見て美味しそうとまず感じました。粘りづよく観察→再現を続けている様子が伺えます。沢山の画像を一斉に見るときは、サムネイルの小さい画像で魅力のある絵は好印象に映ります。作者はそのこともちゃんと意識できているのを感じます。絵作りの観点から言うと、美味しそうな雰囲気とは何か、それを絵に落とし込むときに必要な構図、トーン、レンズなどの調整がうまくいってると思います。
プロ部門・第7位(選外優秀賞):『みんな大好き』 獲得点数:13点
稲村JINさん(BuuGraphic)
VR等の軽量なモデリングやリアルな表現が大好きで現在、フリーランスとして受注を承り頑張っています! また、同時に就職も探しております!(笑)
●作品解説
シズル感、より自然なライティングです 。光学的なレンダリングが出来ない為に、Procedural Texture等を組み合わせてより自然な透明感を演出しました
Everyone loves it!
A sense of sizzling and more natural lighting.
Since optical rendering cannot be performed, I combined Procedural Texture etc. to express a more natural transparency.
●使用ツール
Procedural Texture,Blender,Substance Painter
●審査員コメント 抜粋
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
ソースの照り、プレートで泡立つ肉汁や湯気、カットの構図が秀逸ですぐに美味しそうだなと感じた作品。 ただ、ハンバーグというメインテーマに対して、ソースや湯気、構図の方に重点が置かれてしまい、肝心の"肉感"が少ないように感じます。 メインテーマに対してどの様な主張を1番にするかを考えると更に良い作品になると思います。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
プロシージャルテクスチャを駆使したというハンバーグの質感が素晴らしい。湯気や沸騰して泡立っているソースのシズル感も抜かりが無い。Blenderでコンポまでやっている人に共通しているのだが、ボケた部分のノイズ感が減って球ボケのようなリッチなハイライトが出てくるとなお素晴らしいと思う。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
みんな大好きハンバーグは、たしかに少し安直ではあるが、納得の一皿である事も事実で、その表現は逆に厳しい道のりかもしれない。そんなチャレンジを見事にクリアしているのは、絵の温かみでは無いだろうか。母の味、彼女の初めての手料理、子供との外食。そんな中に必ずと言っていいほど登場するハンバーグは、そのどれもが温かみで包まれている記憶では無いだろうか。DOFの合わせ方、スッと上がる湯気、奥に拡散する光。それらのバランスが非常に取れていると感じる。食にとって大事なものに、シチュエーションがあると思う。それを上手く収めている。質感としては、絵の雰囲気に助けられている部分も大いにあると思うが、音を感じるようなソースと肉汁など、上手く表現していると感じた。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
ハンバーグの美味しそうな感じが出ていますし、パンやサラダ等も含めてセットとしての料理として完成されているなと思いました!枠がついてしまっているのがなんだかもったいない感じがしてしまい、大きな解像度でしっかりと高精細に見てみたいと思いました。
プロ部門・第8位(選外優秀賞):『おにぎり』 獲得点数:10点
石水修司さん(株式会社フィジカルアイ)
流体から機械系、人物(CGポートレート)、アニメーションと幅広いジャンルで制作活動を行っております。CGでイメージを可視化することをテーマにVR・ARの分野にも積極的に取り組んでいきたいと思っております。
●作品解説
日本人に生まれたからこそ知っている米の旨さ、それが凝縮しているのはおにぎり。漬物は大根、シンプルに塩漬けし、着色していないことで本来の大根の風味を旨さ・ほのかな辛さを引き出し、おにぎりの米の旨さを一層ひきたてます。
ONIGIRI
I know the tastiness of rice because of Japanese. Rice balls, called Onigiri has that everything condensed. Pickled radish is simply salted, and by not coloring it, the original flavor of radish is brought out to its fullness and subtle spiciness, further enhancing the flavor of Onigiri.
●使用ツール
Cinema 4D,Octane,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ふっくらとしたおにぎりのおいしさが上手く表現できていると思います。ライティングもしっかりしているので、よりボリューム感が引き立っています。ランダムなコメの表現に苦労された感じがします。お米の艶もおいしさ表現としては必須ですね。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
お米ひとつぶひとつぶのふっくらした感じや、海苔がちょっとめくれてるところ、添えられた沢庵など、構成する要素すべてが日本人として嬉しくなってしまう要素にあふれていて、素晴らしいなと思いました!
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
海苔が浮いている印象があるのですが、とにもかくにも米粒の表現に感心しきり!
プロ部門・第8位(選外優秀賞):『手作り弁当』 獲得点数:10点
服部 薫さん
普段は趣味で食べ物CGを作っています。
●作品解説
【コンセプト】 学生時代に作ってもらった親からの手作り弁当が恋しくなり制作しました。 私は凄く小食なので「こんなに食べられたらいいなぁ~」を考えながら作っていきました。
【こだわりポイント】 食べ物は規則性ある模様をしていることが多いと考えています。そのためSubstance Designer、Substance Painterを利用し全ての食べ物のテクスチャを実際の食品を撮影することなく作成しました。
Handmade BENTO
[Concept]
I miss my parents' homemade bento that I used to eat when I was a student, so I chose this for my theme. Since I don't eat a lot, I thought while working, "I wish I could eat this much".
[Key points]
I think that food often has a regular pattern. Therefore, I used Substance Designer and Substance Painter to create textures for all foods without shooting the actual foods.
●使用ツール
Photoshop,Substance Designer,Substance Painter,Blender
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
すごく光を感じる作品です。食材の質感もその光と合わさり気持ちよく伝わってると思います。鮭に関しては、皮の面積より身の面積の方が多い方がよりおいしそうかと思いました。全体の構成も右側にあえて手前ボケの素材を配置することで、よりお弁当に目が向く仕組みとなっているので上手いかと思います。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
非常に豪華なお弁当になっていて、かつお弁当らしい「ぎっしり詰め込んだ感じ」が出ているのも非常によかったです!学生の時に遠足や課外活動等でお弁当を渡されたときのことを思い出しました!ご飯がグッと敷き詰められている感じもまたお弁当ならではの表現だと思いますし、それを再現できているのも見事だと思います。反面、きゅうりの漬物?部分がとても惜しい感じがしてしまい......!他の部分との差が出てしまったことだけもったいないなと思ってしまいました。
【株式会社MAPPA/CGI部】
キュウリが一つだけカップからこぼれてるのがあるあるだな~と思いました。陽の当たる公園で食べたい感じがします。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
木と金属の質感がよく出ています。これに食べ物の質感の違いがよく表現できて入ればもっと美味しく見えるはずです。ライティングと構図にセンスを感じます。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
手前のおかず以外の彩度を抑えることで、しっかりおかずに視線を誘導している配色が良いなと思いました。欲を言うと、凹凸表現が甘いこと、ピントを絞りすぎていることが要因となり、おかずの約半分は何を表現しているのか認識できないので、再調整が必要ではと思いました。
プロ部門・第9位(選外優秀賞):『朝食』 獲得点数:9点
森重あかりさん(株式会社コントルノ)
プロップ・背景モデリングに興味があり、日々勉強の毎日です。今使えるソフトだけでなく、色々な手法で効率よく作れるようになりたいと思っています。
●作品解説
自分が食べたいと思う朝食をイメージしました。焼き魚や卵焼きの適度な焦げ付きが食欲をそそると感じた為、そこを特に力を入れて制作しました。
Breakfast
I imaged a breakfast that I wanted to eat. I felt that slightly brown scorching of grilled fish and rolled omelet were appetizing, so I put effort on expressing that.
●使用ツール
MAYA,ZBrush,SubstancePainter,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ベーシックな朝食シーンですが、器や小物類に力があり、全体的においしさに繋がるCGになって王と思います。みそ汁の表情とか良いですね!焼き魚もCGだと難しい素材なのかと想像しますが、それなりに表現できていると思います。ご飯に関してはもう一つ工夫が欲しかったですね。さらにライティングで朝の光を作り出せると完璧になると思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
料理、食器、布、それぞれの質感の違いがちゃんと出ていて素晴らしいです。味噌が部分的に濁った感じがリアルです。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
少し硬さを感じるのが残念ですが、全体的に丁寧な作り込みを感じます。
プロ部門・第10位(選外優秀賞):『ら~めん』 獲得点数:7点
福田泰崇さん(株式会社FUKUPOLY)
株式会社FUKUPOLYを運営。Cinema4Dをメインツールに、合成編集、ディレクションもこなすVFXゼネラリストとして活動中。
https://fukupoly.myportfolio.com/
https://dep-mg.net/member/yasutaka-fukuda/
●作品解説
屋台のラーメンを「超ダイナミック」に表現。 カラコレ以外、後処理、合成は不使用。パーティクル、湯気等全部1シーンファイルに詰め込み、一度のレンダリングで完結させた作品。
Ramen
I expressed ramen of the stall stand "super dynamically".
I did not perform post processsing nor composit, only color correction. I packed particles, steams, and all in one scene file and completed the work by just one rendering.
●使用ツール
Cinema4D ( plugin : x-particles, redshift) ,Lightroom
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】嫌いじゃないです!この劇画風の表現はリアルな撮影ではなかなか難しく、素材を撮影して2Dで仕上げる方法が一般的です。こう言う表現こそCGがなせる業なのかなと思います。ただし、今回の作品は少々散らかりすぎかなと思います。勢いはあってよいのですが、メインで伝えるものが見えてこないのが残念です。
【株式会社MAPPA/CGI部】
絵として見ごたえがあって、ラーメンの具材やスープの食欲をそそる感じもしっかり出ています。レタッチ無しの男気が伝わります。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
『ミスター味っ子』世代なので、こういう「ダイナミックごはん」を勝手に期待しており、パッと見た瞬間に「こう来たか~~!」と膝を叩きました。S時を描き、物理法則を無視して乱舞する麺の配置と、追随するネギの緑が良い味を出していますね。吹っ飛ばされた箸立ての哀愁を感じる脇役感も好きです。欲を言うと、ラーメン鉢と、その直上に位置する画面右下の麺や具材との遠近感が掴みづらいので、明度や彩度に差をつけると良いのではと思いました。
プロ部門・第11位(選外優秀賞):『小籠包』 獲得点数:4点
小林 諒さん モーションデザインスタジオでモーションデザインをしています。フォトリアリズム×アンリアルモーションの組み合わせが大好きです。 https://xiaolinliang.myportfolio.com/
●作品解説
こだわったポイントは料理サイトを見ながら Mervelous Designerで小籠包の皮を包んだことです。 あと、汁に油を浮かせたところです。 CGでしかできない瞬間のシズルを作りました。
Xiao Long Bao
The point I was particular about was wrapping the skin of xiao long bao by using Mervelous Designer, watching closely to cooking site. Also, I added some oil floating on the soup. I made a sizzle of the moment that only CG can express.
●使用ツール
Cinema4D(with Octane Render and X-particles) ,Mervelous Designer,After Effects,PhotoShop,JangaFx EmberGen
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ん!?一瞬思考が止まりました。あえてスープを強調されているのでしょうが、あまりにも現実離れしていて。でも、これこそCGの世界なのかな?悩みました。蓮華の中のスープは油の存在が効いていて魅力的です。箸でつまんだ部分の重量感とあふれるスープを少し控えめにしたら、すごく良い作品になるかもしれません。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
汁たっぷりの小籠包を、箸で掴んだときにずっしりと感じる、そういったリアリティを感じる作品でした!皮もとてもリアルで美味しそうに思えます!周りの要素が非常によくできているからこそ、飛び出している汁部分がCG臭くなってしまってもったいないなと思いました。汁部分の要素をもっと抑えることでさらにリアルな絵になると思います。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
CGという道具の表現力を活かした、印象的な画に仕上がっていますね。スープをたっぷり含んでいるにしては、小籠包の姿勢がシュッとしすぎている気がするので、やや重心を下にして、タプッとしたフォルムにすると、さらに柔らかさが出るように思います。