2025年度、第1回目の開催となる学生CGトライアル「WHO'S NEXT?」。テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。
今回も「キャラクター部門」「背景・プロップ部門」に分けての募集で、キャラクター部門61点、背景プロップ部門165点の、合わせて226点の作品が集まった。審査は国内外の特別審査員11名+企業審査数18社によって行われた。このページでは背景・プロップ部門の優秀賞&審査員講評コメントをご紹介しよう。
※講評コメントは全て原文ママ
■作品募集ページ
■結果発表イベント

CGWORLD JAM ONLINE 2025
https://cgworld.jp/special/jam/
■キャラクター部門結果ページ
■作品応募条件・審査方法について
応募作品テーマは「3DCGを用いた静止画作品」。審査員はいずれも全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰されるシステムとなっている。参加対象は小・中・高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方が対象だ。通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方であれば応募OKとしている。AIの利用についてはNG。
背景・プロップ部門 1~10位(優秀作品)
第1位:『砂縁の集落』 獲得点数:66点
峯田愛子さん(デジタルハリウッドスクール東京本校)
ゲームの背景モデラーを志しています。フィクションなりにその世界のリアリティを追求した作品を作るのが目標です。
●作品解説
砂漠のオアシスにある集落と、そこへ定住した旅商人の住処をオリジナルデザインで制作しました。見る人が物語を感じ取れるよう、ディティールや空間の温度感を意識しています。
●使用ツール
Blender, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【中村基典 氏(株式会社モトナック/代表取締役・3D背景アーティスト)】
とても完成度が高い作品です。テントの形状もユニークで魅力があります。布の質感、色、模様、木枠など、見る人を飽きさせない工夫があります。ロープに青などの差し色が入っており、絵の完成度を更に上げています。テント周りの水の色も同じくオレンジとの補色となっています。テント以外の丸い家も、デザインに魅力があり、中央のテントを引き立てています。遠景の岩も、適度にディテールが省かれていることにより、密度のある中央のテントに視線誘導されています。
アドバイスとして:
細かい点ではありますが、水と砂地の接点がパッキリしているので、もう少しぼかすと良いと思いました。また、砂地に足跡があると、生活感を感じさせて良いかもしれません。同じくテント下の岩と砂の接点もポリゴンでパッキリ分かれているので、こちらも同じくぼかすと良いでしょう。配置については、テント内は店なのであれば、買い物客が買いやすい、見やすいような配置をさらに工夫できそうです。構図、デザイン、配置、ライティング、どれをとっても完成度が高い作品です。
▼【サーリ ヤーッコ氏(SonaGraf/CGリアルタイムコンサルタント、デジタルハリウッド大学特任准教授)】
シーンの構図と全体的な見た目は非常に良く、ライティングもバランスが取れています。オブジェクトの形状も興味深く、意外性があります。木のマテリアルには、法線マップやディスプレイスメントマップのディテールをもっと加えてほしいと思いました。水と砂がマッチする部分にも、ラフネスマップなどを用いて、ブレンドをより良くする余地があります。よりフォトリアリスティックな表現を目指すのであれば、ラフネスマップをより意図的に使用することで、アセットのフォトリアリスティックさをさらに強調する必要があると思いました。
▼【exsa 制作本部モデリング担当】
一目見たときに「どんなところなんだろう」と想像力を掻き立てられる魅力のある作品だと感じました。メインの建物に視線が向きやすい構図やライティングなど、全体の構成がしっかり考えられていて、とても好印象です。手前の影にさらに明暗差があるとより奥行きが出ますし、橋の上に砂が乗っているような描写があるとさらに良くなると思います。
▼【ボンズ 安東容太 氏(3DCGディレクター)】
作品のコンセプトの通りしっかり物語を感じました。建物のスケール感からしていわゆるリアル等身の世界ではないのかなと思いつつ、それでいて小物類のスケール感は揃っている、そんなところにもこだわりを感じました。
▼【ニエイチ CGチーム一同】
画面構成や遠近感の演出がうまく、背景としての説得力とビジュアルの引力を兼ね備えていると思いました!例えばテント周辺の刺繍をはじめとしたディテールも細やかに描かれていて、空気感や光の抜けが物語を感じさせます。近年のトレンドへの熱意も感じられ、非常に洗練された印象を受けました!
▼【白組 小池 学 氏(Producer/CG Supervisor)】
作品を見たその瞬間、そこに込められた世界観や空気感を、説明なしに体感できた気になりました。造形物のデザインやレイアウトはもちろん、ライティングを踏まえた細部の作り込みに至るまで非常に完成度が高く、遠景はあえてディテールを整理することで見るべきポイントが明確になっています。更なる高みを目指すなら、水面の際の複雑さにこだわったり、手前の足場に砂や草を足し、また所々に濡れた箇所を表現してみるなど生活の痕跡を感じる要素としてのディテールがあると、もっと魅力が増すことでしょう。
▼【インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス 映像チーム一同】
デザイン、構図、配色など、全体の完成度が高く、一目で惹きつけられる作品でした。独創的なデザインの建物は細部まで丁寧に作り込まれており、風景と調和しつつ実在感もあります。視覚的な工夫も秀逸で、岩場のオレンジと水辺のグリーンの色対比、直線と曲線、粗密のバランスなど視線誘導の演出が巧みです。手前側のプロップのディティールアップや、乾燥した環境・水辺の湿気による腐食を表現することでさらなるリアリティを加える余地はありますが、総じて雰囲気と完成度の高さが際立った一枚です。
▼【トリサン 小谷征史 氏(クリエイティブマネージャー)】
プロップ1つ1つの作り込みが非常に丁寧だと感じた。またデザインセンスについてもリアリティを基盤にファンタジー要素を上手く取り入れているため説得力がある。加えて砂漠の乾燥気候の表現も上手く出ていることから、全てが噛み合って1つの作品として素晴らしいまとまりになっている。
▼【プロダクション・アイジー 足立博志 氏(モデリングディレクター)】
デザインのオリジナリティが素晴らしいです。小物から建物郡、自然物と人工物の作り分け、カメラやライトの設定までどこを見ても秀逸です。どんな人々が暮らしているのかとても気になりますね。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
パッと見た瞬間に世界観が伝わる良い作品だと思います。視線誘導も自然な形でしっかりとされていてとても良いですね。配色やライティングも綺麗です。
第2位:『In memory of』 獲得点数:56点

松山 航さん(日本工学院専門学校)
背景モデラー目指して頑張っています。
●作品解説
クレモナに住むヴァイオリン職人のおじいちゃんです。儚げな演出を意識して制作しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop,Megascans
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一 氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
素晴らしく完成度の高い作品。アンドリュー・ワイエスを思わせる様な写実的で、少しざらついた空気感、自然光の美しさ、ノスタルジックで侘しさを思わせる優れたテンペラの様な作品だと思う。クレモナとあるが、少しだけ東ヨーロッパを思わせる寂しさがあり、それもまた良い。CGとしてのクオリティも非常に素晴らしい。個人的に感じた細かいツッコミを入れるのであれば、クレモナという設定であれば、Jack Danielsは少し勿体ない。ロンバルディア地方の職人がテネシーウイスキーを好むとは到底想像できず、せめてグラッパかワインにしてもらいたいとも思った。同様に内陸部での海(?)釣り好きも少し気になったが、その辺りを含めて職人の個人的な好みに文句はつけられない。所謂、その位、ツッコミどころがない作品である。
▼【伊藤より子 氏(ビジュアルデザイナー・講師)】
画面全体のデザインが素晴らしく、ストーリーテリングも的確です。空気感や光の入り方、当たり方も自然で美しいです。モデリングも丁寧に行われており、テクスチャと質感の再現も非常に高いレベルです。強いて言えば、窓のアーチ右側と上は反射光で明るくなっているので、ほんの少しだけ弱めてもいいかもしれません。
▼【江場左知子 氏(Fude/マットペインター・アートディレクター)】
初見で好印象を持った作品です。バイオリン職人の作業場にある無数の道具たちをたくさん丁寧に作成してあり、特徴的な逆光の光で空気感を演出していて見ていて楽しい作品です。全体的に細部までしっかり手が入っています。それゆえにちょっとしたことが気になってしまうのですが、例えば窓にかかっているバイオリンのアウトラインがガサガサしてるのがもったいない気がします。机の上のバイオリンのアウトラインのほんの少しのカクツキも気になってしまいました。あと窓外の表現に若干書き割り感があり、輝度の設定なのかグローの表現なのか、もう一考すべきかなと思いました。とはいえどれもかなり些細な問題です。よくまとまった良い作品だと思います。
▼【Million Edge 原田裕一 氏(取締役)、所谷悠太 氏(アートディレクター)】
すごく綺麗なヴァイオリン工房で、おじいさんの職人感や人生感が表現できている作品だなと感じました。アセット数も多く、ヴァイオリン工房に必要な物だけじゃなく、写真や孫にもらったかのような絵・雑誌等、その人がこの場所でどう過ごしているのか垣間見え、それをうまくまとめ上げていて、この作品のこだわりを感じます!
▼【トリサン 小谷征史 氏(クリエイティブマネージャー)】
構図・ライティングどれを取ってもレベルが高く惹き込まれました。使い込まれた机の質感と、これから生まれていくヴァイオリンやチェロの質感の違いや、窓の外を見る職人のおじいさんの背中がストーリー性を生み出していて、隅々まで見たくなる作品になっています。細かなところまでしっかりと手を入れて丁寧に作られていて非常に素敵だと思います。
▼【コロッサス デザイナー一同】
整ったシンプルなデザインですが、プロップの質感や配置がうまく落とし込まれていて見ごたえのある作品でした。モデルのクオリティはさることながら、子供が描いたであろう絵や床の塵など細かい表現が重なって職人の生活感が浮き出ています。コントラストは大事ですが、右下のモデルに関してはディティールが消えるほど暗く落とされていた点がもったいなく思えました。
▼【KASSEN 金谷健太郎 氏(CGアーティスト)、森 康汰 氏(コンポジター)】
見た瞬間に物語を感じました。構図がしっかりしていて、椅子と人物が対になるようにレイアウトされていることで、視線の流れもとてもスムーズでした。見せたい場所が明確で、ライティングの入り方や影の落ち方も画全体の雰囲気をうまく引き立てていると思います。特に素晴らしかったのは、細部へのこだわりです。床に落ちたゴミや傷、ほこりの表現が非常に丁寧で、空間にリアリティを与えていました。ほこりが入っていることで空気感に奥行きが出て、画にリッチさをもたらしているのも印象的でした。こうした細かい要素が、「実際にこの部屋が使われている」と感じさせてくれ、作品としての厚みを増していると思います。写真やお酒、雑誌などの小物も、ただ置かれているのではなく、それぞれに意味が感じられて、住んでいる人物の生活や背景が自然と想像できました。まさにストーリー性のある画づくりができていて、とても魅力的です。改善点としては、窓の外の背景、特に木より奥の部分がややのっぺりとした印象になっていて、空間の奥行きを少し弱めてしまっているように感じました。背景にももう少しだけ情報や立体感が加わると、より一層リアルさが増しそうです!
▼【サイバーエージェント 小野寺恵 氏(CGデザイナー)】
皆さんよくモチーフに選ぶ印象のあるヴァイオリン工房ですが、誘導される視線の先に職人がいるのでとても目を引かれました。あくまで主役が存在して、その主役を「引き立たせるための背景作品」に落とし込んでいるのが好印象です。テクスチャも丁寧に作成されておりとても良い質感が出ています。ここまで物が多いと細かいところまで見たくなってしまうのですが、よくよく見るとモデルの曲面でローポリ感が出ていたり、角にベベルが入っておらずシャープすぎてCGっぽくなっていたり、カーテンが硬そうな板のように見えたりと、モデリングはもう二段階ほど踏み込んだ作り込みができそうです。
第3位:『今日は特別な日』 獲得点数:45点

竹田大良さん(トライデントコンピュータ専門学校)
背景モデラーを目指して、幅広いテイストに挑戦しています。現在の目標は世界観の実在感が感じられる背景を作ることです。
https://www.vivivit.com/takeda_taira
●作品解説
ロマンチックな印象が伝わるようなライティングにこだわりました。新しいものと、劣化したもので質感のメリハリをつけ、より実在感を感じる背景を目指しました。
●使用ツール
Maya, ZBrush, Substance 3D Painter, Substance 3D Designer, Unreal Engine
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久 氏(シニアコンセプトアーティスト)】
全体的にとても良くできていると思いました。この環境の構造上どうしてもシンメトリな構図になりそうな所を、あえて中心をずらしたカメラ位置にしたり手前にオブジェクトを配置するなどして、構図に動きを作っている点が素晴らしいと思います。オブジェクトの作り込みと質感表現も良い感じですね。構図に関してはとても良い工夫を感じていますが、2点程気になる事があります。1点めはこの視点がどのような意図の視点なのかという事です。この環境に居る人の視点にしては低いわけで、その意図が不明瞭で気になる所です。次に、手前の台はもっと左に寄せた方が良かったように思いました。グラスなどのオブジェクトの配置は悪くないので、それらはそのままに台だけを画面左に寄せた方が良いと思います。
▼【田崎陽太 氏(株式会社カーキ、Episode3/CG Supervisor・Environment Design)】
ぱっと見た際の第一印象が非常にクオリティ高く感じられ、その大きな要因はライティングだと思いました。シーン内には多くのライトが配置されていますが、しっかりとコントロールされていて、印象的で美しいビジュアルに仕上がっています。質感表現も全体的に素晴らしく、特にメタリックな質感やガラスの表現はライティングと相まって、シーン全体を華やかに見せる良い相乗効果を生んでいました。構図も映画的な雰囲気があり、世界観の魅力がしっかり伝わってきます。一点気になったのは、中央の噴水と天井の質感です。全体のトーンに対してやや浮いている印象がありました。特に天井のマーブル模様は、ランダムさや自然なばらつきがもう少し表現できると、さらにシーンに馴染んだ仕上がりになると感じました。
▼【中村基典 氏(株式会社モトナック/代表取締役・3D背景アーティスト)】
とても完成度が高い作品です。全体のライティング、フォグ、小物の反射、ガラスの質感、光源の柔らかさ、どれもそれぞれがとても良い仕事をしていて、しかも全体的に良いハーモニーとなっています。下手のライトが自席で、それから中央の噴水周辺に目が行く。それ以外はフォグで抑えられている。視線誘導も素晴らしいです。全体的にオレンジが多い印象ですが、差し色として赤い果物や青味のあるボトルが良い味を出している。小物の質感が良く観察されており、とても説得力があります。物量も多く、装飾も丁寧に表現されています。
アドバイスとして:
中央の噴水は、少し水を流すと良いかも?と思いました。ただ、カウンター内なので、水流れていなくても問題ないかもしれません。また、噴水は白一色でのっぺりして見えるので、メインのオブジェクトということもあり、濃淡など質感をもっと追及しても良いかもしれません。また、ライオンの顔?の彫刻も、もっと詰めれそうです。構図、ライティング、モデリング、物量、質感など、全体的にとても完成度の高い魅力的な作品です。
▼【白組 小池 学 氏(Producer/CG Supervisor)】
煌びやかで美しく、映画のワンシーンに出てきそうな空気感が素晴らしいです。椅子のデザインから、バーカウンター奥の絵の小物に至るまで、細部までこだわって作られているのが伝わってきました。半面、画面左上の白い光源の元が少し分かりづらかったのと、手前のテーブルの上の小物について、机やコースター、飾りの花にはボケの効果がかかっているのにグラスだけくっきりしているのが少し惜しいなと感じました。
▼【ミスリル 橋爪晴輝 氏(背景デザイナー)】
ライティングでとても雰囲気がでており、ランプの色身も絶妙で良いかと思います。ガラスの質感の設定もよくリッチな画に見えます。ただ、画像中央の噴水?の質感が惜しいです。もう少し汚しなど細かい仕事ができていたらもっと良くなるかと思います。
▼【インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス 映像チーム一同】
金属やガラスの素材が多用されたシーンですが、過度なぎらつきを感じさせず、落ち着いた高級感のある雰囲気にまとまっています。椅子やグラスなど、プロップのリピートは多いのですが、ライティングのコントロールでCG感が出ないよう工夫されていると思います。放射状の屋根を見上げる構図が画面全体にまとまりをもたせているのも効果的です。
▼【グラフィニカ 後藤 岳 氏(札幌スタジオ CGテクニカルコーディネーター)】
夜のバーの煌びやかな雰囲気と古めかしい感じが入り混じって独特な世界観を感じさせます。引き気味のレイアウトですが、手前のモデルに密度があるため、それ以外の遠景モデルも密度があるように感じます。椅子の軸の立体的な装飾やテーブルの上のランタンなども画面上に効果的に配置されていますし、水やガラスなどの質感もライティングと相まって雰囲気が出ています。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
コンポが綺麗で見入ってしまいました。1つ1つのモデルも丁寧に作られているようですね。プロップがいっぱいありますがごちゃごちゃせず絵的にはすっきりと纏めれているのも良いと思います。
第4位:『純然たる高尚』 獲得点数:40点

安藤 淳さん(個人)
少しずつでも前に進めるよう日々精進しております。
●作品解説
16~18世紀に使用されたバロック建築を参考に制作。バロック建築特有の過剰な装飾をテーマに宮殿内のレリーフ装飾、柱、窓、燭台のデザインなど、一つ一つ細かく丁寧に仕上げました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop, Unreal Engine 5, After Effects
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一 氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
圧巻の作り込みに拍手を送りたい作品。大変な意欲作だと思う。明暗もうまく表現していて、ディテールがあるにも関わらず、それを遮るようなライティングも非常に美しく、絢爛さが素晴らしいと感じた。また、カメラのアングルや全体的なレイアウトのバランスもよく、まるでそこにいるかのようなダイナミックな空間が表現できている。少し気になったのが、ロープのバリケードで、これは時代として現代なのかどうかと言う点だ。せっかく引き込まれる大胆さがあるにもかからわず、少々現実的な要素があることで、鑑賞者に対しての没入感へのバリケードにもなっている様に感じた。
▼【田崎陽太(株式会社カーキ、Episode3/CG Supervisor・Environment Design)】
こだわって作り込まれた装飾や細部のディテールは非常に素晴らしく、圧倒的な情報量で一目見ただけでも強く印象に残ります。テクスチャや質感表現も丁寧で、特に目立った粗は見当たりませんでした。構図についても、バロック建築の壮大さや荘厳さがしっかりと表現されており、広がりやスケール感を感じさせるアングルがとても印象的でした。唯一惜しいと感じたのは、エフェクト処理の部分です。特にフォグのようなエフェクトがややチープに感じられ、全体のクオリティを少し下げてしまっている印象があります。窓から差し込む光のエフェクトも同様で、やや古い印象の表現に見えてしまっているのがもったいなく感じました。おそらく2D的なアプローチでエフェクト処理をされているのかもしれませんが、フォグやゴッドレイなども3D的な手法でしっかりと作り込むことで、さらに全体のクオリティが引き上がるのではないかと思います。
▼【トゥエンティイレブン 尾関昭宏 氏(CGディレクター)】
細部まで緻密に作り込まれた装飾、バロック建築風の構造、神々しい光の差し込み方など、どれを取っても手を抜いてるところがなく、見てるだけで空気の重さすら感じてくるような世界観です。中央の大階段とバラ窓の構成が、視線を自然に上へ導いてくれて、光の帯や埃の舞い方もリアルで、ただ「きれい」なだけでなく「空間としてのリアリティ」があります。
▼【exsa 制作本部モデリング担当】
見た瞬間に作品の雰囲気とディティールの緻密さに圧倒されました。一つひとつのパーツにこだわりが感じられ、制作者の熱意が存分に伝わってきます。ただし、全体的にディティールが多すぎて視線の置き場に困る部分もあるため、力を入れる箇所と抜く箇所を意識することで、よりメリハリのある作品になると思います。
▼【ボンズ 安東容太 氏(3DCGディレクター)】
ライティングがとても綺麗で目を惹かれました。造形物のディテールもさることながら、薄く敷いてあるモヤなど細かい部分もしっかり手を入れていて好感を持ちました。
▼【グラフィニカ 後藤 岳 氏(札幌スタジオ CGテクニカルコーディネーター)】
装飾の作り込みの労力を惜しみなく画面に散りばめた結果、とても高い密度の背景を作り出せています。見上げたカメラアングルも西洋建築の広がりと密度感が相まってその場にいる臨場感を感じさせます。一部フレアが飛び過ぎていたりする部分はあるものの、今回の作品の中で最も空間に広がりを感じられる作品でした。
第5位:『temple』 獲得点数:25点

土田和也さん(ECCコンピュータ専門学校)
これからも良い作品を作れるように、制作を続けていきます。
●作品解説
大仏の存在感が伝わるように意識して制作しました。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance 3D Painter, ZBrush, Unreal Engine
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢 氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
大仏の存在感良いですね。朝の感じもお寺の神聖な感じが出ていていいと思います。手前の小物が乱雑におかれているのはわざとでしょうか?このせいですこし廃寺感があるのですが照明がちゃんとあるしテクスチャーはそこまでの感じはしないのと床がきれいなので人はいるのかなと。そう考えるとモデルとテクスチャーが合っていないような気がします。個人的にはもう少し大仏を目立たせたいですね。手前の壺が結構目立ってしまっているので大仏に目が行くように配置やライトを工夫するといいと思います。
▼【サーリ ヤーッコ氏(SonaGraf/CGリアルタイムコンサルタント、デジタルハリウッド大学特任准教授)】
構図とライティングが非常に良好で、シーン全体のクオリティも良く、トーンも良い。アセットは法線マップのディテールがもう少しあった方が良かったかもしれません。少し平坦でCGっぽい印象です。
▼【exsa 制作本部モデリング担当】
仏堂の厳かな雰囲気がしっかりと表現されていて、とても魅力的な作品です。柱のひび割れや装飾、模様などの細部まで丁寧に作られており、制作者のこだわりが伝わってきます。左上の明かりがやや目立っており視線が分散してしまうので、少し抑えるなど調整すると、仏像へ自然と視線が向かい、作品のメインがより引き立つと思います。
▼【ニエイチ CGチーム一同】
大仏が奉納された寺院の静謐な室内を捉えた一枚、素晴らしいですね!シンメトリーの構図が大仏の存在感をいっそう際立たせ、上手から差し込む光が巧みに視線を導いていて見事です。今後の作品も楽しみにしております!
▼【Million Edge 原田裕一 氏(取締役)、所谷悠太 氏(アートディレクター)】
荘厳な雰囲気がしっかりと表現されていてとても印象的な作品ですね。その分全体的に少し暗く感じられるのが少し惜しいところです。構図として大仏が主役になっているのは伝わるので、もう少しライティングで視線を誘導したり大仏を際立たせる工夫があるとより絵が引き立つと思います。
▼【グラフィニカ 後藤 岳 氏(札幌スタジオ CGテクニカルコーディネーター)】
仏像の奥ゆかしさを感じさせようと難しい画面作りに挑んでいるように感じました。そのせいかレイアウト的に仏像を小さく見せてしまっているようにも感じました。作品の焦点となる仏像の指のポージングなどに意味を感じさせるように出来ると、より物語を感じられる作品に出来そうです。光が当たらない箇所も何かを連想させたり、物語を感じさせる気配りがあると今のレイアウトでも成立出来ると思います。
第6位:『お待ちどおさま!!』 獲得点数:21点

久保跳空さん(河原デザイン・アート専門学校)
キャラクターモデラー志望の元エンジニアの26歳です。ゲーム業界での就職を目指して日々CGの勉強に取り組んでいます。今回は背景・プロップ部門への挑戦となりましたが、次回はキャラクター部門で挑戦したいと考えています。
●作品解説
友人とよく訪れる居酒屋の風景を再現しました。思わず丸かじりしたくなるような骨付き鳥の照り・焼き目のディテールを再現してジューシーな質感にしました。肉の質感だけでなく、居酒屋の民衆的な雰囲気を伝えれていると幸いです。
●使用ツール
Maya, ZBrush, V-Ray, 一部Chaos Cosmosのアセットを使用, Substance 3D Painter, AfterEffects, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【鈴木卓矢 氏(SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV)】
鳥のオイリーな感じが食欲をそそりますね。グラスをもう少しみせてあげるとより鶏肉がおいしく見えるのでビール瓶でも飲み物が入ったグラスでも良いので何か見える位置に置いてあげるといいと思います。ステンレスの皿に溜まっている鳥油もよく表現できていると思います。
ちょっと味が薄そうなので香辛料がもう少しかかっているほうが個人的には好きです。向かいに写っている友人の手足が見えているのも臨場感あっていい表現だと思います。せっかくなら箸で自分の鶏肉をつついているようにすると時間軸がみえてより臨場感が出るのではないでしょうか?キャベツと枝豆の質感ももう少し頑張りたいですね。机のテクスチャーの解像度も足りていない感じがするのでここまでアップで映るなら鶏肉と同等の近距離に耐えれるテクスチャーを用意するといいと思います。
▼【トゥエンティイレブン 尾関昭宏 氏(CGディレクター)】
ジューシーな油、焼き目の香ばしさ、皿にたまった脂のテカリ具合、見ただけで「美味しそう!」ってなります。背景も抜かりなく、枝豆やキャベツ、使いかけの割り箸・おしぼり・グラスなど、すべてが実際に今食事中という空気感を後押ししています。しいて言えばテーブルのバンプ感やつや感がCGっぽさが出てしまているのが残念です。
▼【ジェットスタジオ 石井 裕 氏(CGディレクター)】
良くできた骨付き鳥です!瞬時に居酒屋気分にさせてもらえるぐらい自然な作品でした。レイアウトも良いです。お皿に飛び散っているしずくがもう少し油っぽく見えるとさらに完璧かもしれません。
▼【KASSEN 金谷健太郎 氏(CGアーティスト)、森 康汰 氏(コンポジター)】
とてもおいしそうな一枚で、第一印象から「食べたい」と思わせる強さがありました。特に肉の描写が素晴らしく、テカリ具合や肉汁の感じが本当にジューシーで、見ているだけで脂っこさや柔らかさまで想像できるのがすごいです。お皿に跳ねた肉汁や、皿のわずかな歪み、布巾やテーブルの油染みといった細部の描写からも、料理が運ばれてきた直後の“瞬間”をしっかりと切り取っていて、非常にリアルでした。卓上のレイアウトにも無理がなく、枝豆の殻や飲みかけのグラス、お通しなど、「乾杯して、いよいよメインがきた」という時間の流れまで伝わってくるようで、居酒屋の卓の空気がよく出ています。キャベツの水滴や器の質感も自然で、全体の生活感・臨場感につながっていました。一方で、テーブルの質感がややCGっぽさを感じさせる部分があり、少しだけ惜しい印象もありました。画面下部にある面積の広い部分なので、質感が整うと全体のリアリティがさらに一段上がりそうです。また、キャベツも主題ではないものの視界に入る要素としてもう少し質感が詰められると、画の完成度が上がるように思いました。奥側のテーブル周辺も少し情報が薄く見えるため、トーンを落とすか、あるいは人がいるとわかるようなヒント(肘をついている、手が見える、など)を足すと、画の重心が手前の料理に自然に戻ってくるかもしれません。全体としてはとてもリアルで写真のような仕上がりですが、そこにほんの少し光の漏れやレンズ効果のような演出を加えてあげると、一枚の画としてより強い印象を残せるように思います。
第7位:『VENICE』 獲得点数:18点

小笠原 淳さん(デジタルハリウッドスクール)
背景デザイナーを目標に日々努力しています。
●作品解説
ヴェネチアを少しファンタジー風に作成しました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Subsntace 3D Designer, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久 氏(シニアコンセプトアーティスト)】
一枚絵として見たときの全体的に動きに富んだ構図の面白さが光る作品ですね。少々過剰な感じも否めませんが、大胆な色味の演出も良い感じです。ライティングも悪くは無いのですが、もう少し弱めでも良いのではないでしょうか。構図は面白いと思うのですが、画面上部のアーチ状の形状は少し面積が大きすぎるような印象を感じました。閉塞感を感じてしまい、作品を楽しむ事を阻害してしまっているように思いました。また、街灯が点いているのは流石にリアリティを損ねていると思います。背景を作るのみならず人物を配置している点は本当に素晴らしいのですが、注意深く見ないと見落としてしまいかねない配置と演出になっているのは勿体ないです。
▼【インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス 映像チーム一同】
垂直方向にのびる建物とその下を流れる水路という、高低差のある街並みの特徴が、縦長の構図で効果的に表現されている思います。建物の色合い、大気のかすみ、なびく旗など、その場所の風や温度を感じさせる演出も素敵です。手前の橋の造型や、街灯の構図的な重なりを整理することで、より魅力的な画作りができるのではないでしょうか。
▼【トリサン 小谷征史 氏(クリエイティブマネージャー)】
ヴェネツィアの要素を意識しつつも、独自の世界観がしっかりと構築されており、既存のイメージに寄り過ぎることなく、自然に溶け込んでいる点が非常に印象的でした。構図も美しく、視線誘導と街の通路の流れがうまくリンクしており、見る者を作品の中に引き込む力があります。一枚絵としての完成度も非常に高く、細部に至るまでのこだわりが感じられました。
▼【KASSEN 金谷健太郎 氏(CGアーティスト)、森 康汰 氏(コンポジター)】
とても印象的な構図で、最初に目に入った瞬間から視線が自然と画面奥へと誘導されていくのが心地よかったです。フレームのように配置された手前の要素がうまく働いていて、画面の奥行きやストーリーをしっかり感じることができました。建物のデザインや雰囲気も非常によく、現代に残る歴史的建築物の空気感が伝わってきます。水面にもわずかにグリーンが混ざっていて、ただの青ではない独特の深みがあって良かったです。また、縦比率やレンズの歪みも自然で、まるで実際にヴェネツィアで撮影されたようなリアリティと美しさがありました。川と街の一体感も素晴らしく、舞台としての世界観がしっかり伝わってきます。一方で、いくつか気になった点としては、画面全体にややノイズ感があり、特に見せたい部分の解像度が少し低く見える箇所がありました。全体にイラストのような美しさがあるのはとても良いのですが、その中で少しレイヤー感が強くなっていて、空気遠近による霞みの表現はありつつも、奥の情報量がやや弱く感じられた点は惜しいところです。フォグの使い方もとても良かったのですが、かかり方が途中で少し急に切れてしまっている印象があり、もう少し段階的に馴染むようにかけてあげると、より自然な遠近感が出てくると思いました。また、ライティングについては、近景と遠景で光の印象がやや異なっていたため、暖色・寒色のどちらかに全体のトーンを寄せると、統一感が生まれて画面がさらにまとまって見えるかもしれません。橋や街灯といった要素にも、もう少し前後感や空間の立体感があると、よりリアルさが増しそうです。船が旗に隠れてしまっていて少し見えづらくなっている点も、せっかくの構成なので少し調整が入ると良いかもしれません。雲も今のままでも十分きれいですが、もしもう少し物語性が加えられたら、画全体の完成度がさらに一段上がる気がしました。総じて、構図や世界観のつくり方、細かな演出のバランスが非常に優れていて、見る人の目を惹きつける魅力のある一枚だと思います!
第8位:『不羈』 獲得点数:17点

後藤久美子さん(国際アート&デザイン大学校)
高校までは2Dイラストをメインに学んでおりましたが、専門学校からCGに興味を持ち、現在は3D背景モデラーを目指しています。将来は業界で活躍できるモデラーになりたいです。
●作品解説
いつも勉学に縛られている少女が、外の花火を見て、解放感に満ちて踊る一場面をイメージして制作しました。建物の開放感や花火の壮大さを表現しつつ、どこか寂しさを感じさせるような雰囲気づくりを意識しています。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, CLIP STUDIO PAINT
●審査員コメント 抜粋
▼【宮川英久 氏(シニアコンセプトアーティスト)】
これはなかなか見ごたえのある、物語性もシンプルながら豊かで素晴らしい作品ですね!全体的な色味の構成も、オブジェクトの配置や構図にも丁寧な意識を感じられます。花火の位置もしっかりと検討を重ねられたのではないでしょうか。背景は3Dで、キャラクターは後から2Dで書き足されたのかなと思いますがいずれにしても背景を作り満足するだけでなく、きちんと人物を配置し物語性を大きく高めた点が好印象です。惜しむらくはキャラクターの描写と背景が必ずしもマッチしていない事です。より良い調和は目指せる余地が有るように思います。また、手前のオブジェクトの配置に関しては、まだまだ「一通り見せたい」といった意図が先行しているように感じてしまいます。もう少し生活感の演出を意図する必要が有ると思います。
▼【白組 小池 学 氏(Producer/CG Supervisor)】
思い切った画角と美しい和のモチーフがとても素敵な一枚でした。赤色の持つ力強さが随所に散りばめられ、花火の存在も相まってとても印象的です。半面、全体的なアセットの密度が高く、むしろ少し窮屈に感じる印象もありましたので、もう少しカミテに余白を残したり、せっかく窓もなく花火と同じくらいの目線の高所にいるので、積み上げた紙を風で散らして動きを出すなどの工夫もアリでしょう。その上で、作品を構成する各要素を同じイラスト調のトーンに整えることが出来れば、さらに完成度の高い一枚になると思います。
▼【ミスリル 橋爪晴輝 氏(背景デザイナー)】
とても攻めた構図で見ていて面白いです。画面上部の布に入っているハイライトが良い仕事をしています。ライティングの細かいところまで気を遣えてよいかと思います。もう少し彩度があっても良いかと思いました。
▼【コロッサス デザイナー一同】
雰囲気の出し方がとても素晴らしかったです。横長という独特の構図に挑戦し、余すことなく目一杯使用している点も非常に好印象でした。夜景に映し出される花火も華麗で、そこに視線誘導する設計も見事でした。ただ、横長の構図なので視線を中央に絞るよりはもう少し広げた方がより良く映るように思います。天井から垂れる布が少し大きすぎる点も気になりましたが、全体的な色の割合は素晴らしいと思います。
第9位:『Desire』 獲得点数:15点

澁谷彰比呂さん(デジタルハリウッド新宿校)
2025年4月からデジタルハリウッド新宿校でMayaを勉強しています。CGアニメーションに興味があります。
●作品解説
下積み時代の漫画家の机をCGで作りました。部屋の小物から持ち主の思いが感じ取れるような構成を目指しました。
●使用ツール
Maya, Photoshop, Substance 3D Painter, Blender, SpeedTree
●審査員コメント 抜粋
▼【秋元純一 氏(トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長)】
ノスタルジックで、どこかコミカルさも感じる、面白い作品だと思う。全体的なクオリティは非常に高いものがあり、どれも丁寧に作られていると思う。自分の状況と取り巻く周辺の変化の対比が表現されていて、ストーリー性にも富んだ良い作品だと思う。実は焦点が手前に合っていないところは意図的だと思うが、そこがこの作品のミソとも言える、茫然自失とまではいかないが、若干自分を見つめ直す主人公の視点として、意味を生み出している様に感じた。非常に好きな作品。
▼【伊藤より子 氏(ビジュアルデザイナー・講師)】
季節感にあふれ、昭和のガラスが印象的に映える作品です。漫画家が何かのお祝いをもらったというストーリーも素敵です。ポジティブなストーリーを華やかな緑で表現しているのも良いと思います。
▼【江場左知子 氏(Fude/マットペインター・アートディレクター)】
あまり詰めすぎないゆったりとしたリズムのある構図で日常的なさりげない風景をとらえています。美しい光と丁寧な小物制作によって、細部を鑑賞するのが楽しい、完成度の高い作品になっています。特にコピックペンのあたりのふくよかな光の表現が美しいと思いました。ものをみて、その形や質をとらえて、それを再現する力が備わっている方だなと思いました。あえて言うならですが、ラーメンの中身だけ、この力量の人ならもうちょっとなにかできたのかな?と思ってしまいました。
▼【サイバーエージェント 小野寺恵 氏(CGデザイナー)】
「CGコンテストの応募作品」という前提で拝見しているので、かろうじてCGとわかりますが、前提がなかったら絶対にCGと気づかないほどかなりハイレベルなフォトリアル作品に仕上がっているかと思います。一つひとつのモデル、テクスチャ、質感設定、ライティングが本当にハイクオリティです。また、まず真っ先に目に飛び込んでくるのは画面中央の人形ですが、人形のポーズや祝儀袋、まだ売れていない漫画家という設定からいろいろな想像が膨らみ、見れば見るほど面白い作品だなと思いました。一つひとつのプロップの配置、向きにも丁寧に気を配られているのが感じ取れとても好印象です。色収差やレンズディストーションを僅かに入れると、より本物の写真のように仕上がるかと思いますが、ここまで観察力がある方なので、「主人公の目線には色収差など無いからあえて入れていない」という計算までされているように思えてしまうほど、本当に素晴らしい作品だと思います。
第10位:『三途の川』 獲得点数:13点

城田桃子さん(HAL東京)
作品をご覧いただき、誠にありがとうございます。27卒、将来ゲームの背景制作に携わりたく精進しております。悩みを忘れるほど没入感のある世界を創ることを目標にしています。感想などDMお待ちしております。
X: @create00create
●作品解説
「美しい、でも帰りたい。」と感じて頂きたく思い、あの世を制作しました。左右対称で畏れを表現し、背面に五色の曼荼羅をデザイン。羊水の海に浮かんでいるため、浄土式庭園を模した阿弥陀堂の足元に塩害の腐食を描きました。
●使用ツール
Maya, Substance 3D Painter, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
▼【ニエイチ CGチーム一同】
色彩構成に強い個性がありながら、それが単なる奇抜さではなくスタイルとしてしっかり確立されている点がとても好きです!世界観の作り込みも秀逸で、作家性の強い作品として深く印象に残りました。CGコンテストにおいてこの方向性を突き詰めて提出していること自体、とてもチャレンジングで魅力的です。動いている様子もぜひ見てみたくなる一枚でした。
▼【ミスリル 橋爪晴輝 氏(背景デザイナー)】
モチーフ設定がとても素敵です。あまり見たことがない系統の作品で目を引きます。藤の色味・水の反射・書き割りの模様がとても綺麗です!左右の手の質感がもう少し詰めれたら完ぺきだったと思います。是非ほかの作品も見せていただきたいです。
▼【プロダクション・アイジー 足立博志 氏(モデリングディレクター)】
三途の川を現代風にアレンジするとこんな感じなんでしょうか。美しい浄土のように描いている発想が素敵です。空から垂れ下がる藤の花?も手前を立体物にして遠近感を出す工夫があったらもっとよかったですね。
▼審査参加企業・アーティスト
<<特別審査員>>

秋元純一 氏
トランジスタ・スタジオ/取締役副社長
http://www.transistorstudio.co.jp
【総評】
今回も非常に意欲的な作品に出会えた。オリジナリティが高いもの、クオリティが高いもの、その両方が高いもの。それぞれ評価が非常に難しいと感じた。そういった中で、やはり頭一つ抜けた作品というのは出てくるもので、講評をさせてもらっている身として、非常に関心するし、勉強にもなると、毎度の様に感じている。ただそれと同時に、やはり流行りというものも存在するのか、同じ様な作品が多いのも事実である。流行りの表現、似通った表現というのは、それこそ競争率も高い。人とは被らないモチーフや表現方法を見出すのも、コンテストとしては重要な能力であると思う。当然好きなものを作ることが重要ではある。その中で如何に人より目立つか、抜きん出るかを考えるのも実践としては非常に重要で、現実として、周囲を出し抜く能力は傍から見れば小狡いとも言えるが、実はそういった狡猾さも競争としては重要だったりもすると思う。ただし、老獪な能力を真っ先に磨くより、事実としての実力が有ってこそというのも前提ではあるのが辛い所。そんな事を考えながら講評をさせてもらっている。
【採点結果】
松山 航 5点 坂入諒哉 4点 安藤 淳 3点 澁谷彰比呂 3点 峯田愛子 2点 石井琢真 2点 土田和也 1点 後藤久美子 1点 神長羽音 1点 松本優馬 1点

伊藤より子 氏
blue gradation/blue gradation 代表
【総評】
今回も素晴らしい作品が多数集まりましたね。なかでも、初めての ZBrush 制作でここまで仕上げられている作品があるとは驚きでした。キャラクター部門には個性豊かな作品が多く、採点していて本当に感嘆しました。自分らしさを表現した作品は、作者の思い入れが深くなり、より印象に残るものになるので、今後ももっと積極的に“個性”を出してほしいと感じました。
【採点結果】
松山航 4点 長屋直彦 3点 澁谷彰比呂 2点 土橋彩音 2点 黒木寛大 2点 黒木菜美 1点 南 太伊喜 1点 宮本淳躍 1点 成田裕幾 1点 オウ イイ 1点 小形春菜 1点 谷口仁冬 1点

江場 左知子 氏
Fude/マットペインター・アートディレクター
https://www.fude-vfx.com/
【総評】
力作の数々を拝見させていただき、自分も多くのことを考える機会になりました。コメントを書けなかったものでも気になる良い作品が多数ありました。
近年はAI生成の画像や動画などでも、びっくりするような面白いものがあっという間にいくらでも生成でき、映像の制作者として、自分が何を作ってどのように提示すればいいのか、日々模索している状況です。CG制作も、強力なツールやアセットで、ある程度勉強すれば見栄えの良い絵を作ることは比較的容易になってきました。それでもやはり、作者がこの作品にどれくらい意識を注入しているか、どういう世界観を表現したいのか、最後まで熱量を保って仕上げているか、というのは画面からしっかり伝わってくるものだなと感じました。皆さんの作品を見て、自分も一つ一つの作品に真摯に取り組んでいきたいなと改めて思いました。
【採点結果】
澁谷彰比呂 5点 松山 航 4点 安藤 淳 3点 佐藤 圭 3点 齊藤日向人 2点 近藤耀暉 2点 河野大吾 1点

鈴木卓矢 氏
SAFEHOUSE/取締役・背景モデリングSV
https://safehouse.co.jp/
【総評】
みなさんお疲れさまでした。200作品以上の応募の中から背景・キャラクター部門から幾つか点数を付けさせて貰いました。毎回審査員をやらせて頂いているのでその都度その回の作品の方向性などがあるのですが今回はもっと勢いが欲しかったです。見せ方も同じものが多く学校の課題を提出しているような感じもしました。「ここはすごく良くできているのに、ここがすごく惜しいよね。」という作品が少なくどの作品もそつなくある程度できているよねというクオリティーだったかなと思います。それが悪いわけではありませんが「自分のこだわりを見てほしい!」っていうフェチズムな作品がもっとあってもよかったのかなと。タイミングや時間的な問題もあるかもしれませんが突出したこだわりのある作品がみたいです。そういう意味では点数に差が付けれずに横一列になってしまいましたが、その中でもこだわりを感じるものに今回点数をつけさせてもらいました。
【採点結果】
峯田愛子 3点 松山 航 3点 竹田大良 3点 安藤 淳 3点 土田和也 3点 久保跳空 3点 後藤久美子 2点

サーリ ヤーッコ 氏
SonaGraf/CGリアルタイムコンサルタント、デジタルハリウッド大学特任准教授.
【総評】
今年も魅力的な作品が多く集まり、楽く拝見させていただきました。応募者の皆さんには、これからも頑張って新しい作品創りに励んでいただきたいです。何よりも楽しんでいただきたい。CG で自分を表現し、よりさらに独創的な世界を広げて行ってください。
【採点結果】
竹内大樹 4点 峯田愛子 2点 土田和也 2点 近藤耀暉 2点 市川敦嗣 2点 土橋彩音 2点 石井琢真 2点 飯村聖也 2点 黒木菜美 1点 名富之翔 1点

田崎陽太 氏
株式会社カーキ、Episode3/CG Supervisor・Environment Design
https://khaki.tokyo/
https://episode-3.com/
【総評】
今回も楽しく審査させていただきました。特に意識しているわけではないのですが、毎回だいたい7〜10作品くらいに点数を入れる傾向があり、全体の5%ほどになるかと思います。では、その作品たちは何が他と違うのかと考えると、もちろん技術的な完成度も大きな要素ですが、それ以上に「作りたい」「表現したい」という作者の強い意志や創造的なエネルギーの差が大きいように感じています。上位に入る作品は、たとえアセットのクオリティが若干劣っていても、一目見て惹きつけられる何かを持っている気がします。だからこそ、自分が本当に作りたいもの、表現したいテーマを見つけ、そこにこだわって作り込むことが、実はとても大事なのだと思います。コンペを意識しすぎて「受けそうな作風」や「評価されそうなテーマ」を選ぶと、かえって作品の魅力が薄まってしまうこともあるので、まずは自分の中の「作りたい気持ち」を大事にしてほしいと感じました。
【採点結果】
竹田大良 4点 峯田愛子 3点 松山 航 3点 安藤 淳 3点 土田和也 2点 小笠原 淳 2点 尾関青空 2点 竹内大樹 1点

中村基典 氏
株式会社モトナック/代表取締役・3D背景アーティスト
https://motonak.jp/
【総評】
今回の応募作品はジャンルも多様で、どの作品にも作者なりの好みや視点、物語性が込められており、それをどう伝えるかについての試行錯誤が強く感じられました。魅力的な絵を作るためには多くの要素が求められますが、総合力の高い作品も多く、講評にはとても悩まされました。嬉しい悩みです。表現したい内容を中心に、画面内の情報整理や、見る側の視点に立った演出力をさらに高めていくことで、より完成度の高い表現が可能になると思います。今後も、ぜひ魅力的な作品を生み出していってください。
【採点結果】
峯田愛子 3点 松山 航 2点 竹田大良 2点 安藤 淳 2点 飯村聖也 2点 土田和也 1点 久保跳空 1点 竹内大樹 1点 尾関青空 1点 天本純世 1点 石井琢真 1点 稲葉 諒 1点 金井俊輔 1点 山村 駿 1点

宮川英久 氏
シニアコンセプトアーティスト
https://www.artstation.com/supratio
https://twitter.com/HidehisaM
【総評】
キャラクター、背景・プロップ共に作品のトレンドのような物が有るのだろうな、と感じました。一方でそのトレンドに流されず自身のやりたい事を突き進む方もいらっしゃって、作品を拝見していてとても面白く学びになりました。この様な貴重な機会をくださいまして本当にありがとうございます。力作ばかりで見ごたえがありました。一方で「どこで差がつくのだろう?」と考えてみたのですが、ライティングと構図によるものが大きいように感じました。単純にライティングにリアリティが欠けていたり、やたらと強すぎたり弱すぎたり…
或いは構図で言えば特に理由もなくシンメトリな構図になってしまっていたり、バランスが悪い…という解り易い難点を抱えた作品も散見されましたが、その先には「どの様に物語を語るのか」という領域に集約されていくのでは無いか、と考えています。丁寧に作ったオブジェクトを彩る最後の瞬間の繊細な作業が差を生み出しているのかも知れません。
【採点結果】
松山 航 3点 久保跳空 3点 峯田愛子 2点 土田和也 2点 小林咲音 2点 竹田大良 1点 安藤 淳 1点 後藤久美子 1点 澁谷彰比呂 1点 飯村聖也 1点 坂入諒哉 1点 山下碧月 1点 安達春陽 1点
<<企業審査員>>

トゥエンティイレブン
https://cgworld.jp/jobs/30481.html
【総評】尾関昭宏 氏(CGディレクター)
リアルに「見える」だけでなく、リアルに「感じる」CG。それぞれが独立した世界観を持ちながら、共通して「目に見えない何かをCGで表現しようとしている」ことに、今後の可能性を強く感じました。今のままでも十分魅力的だけど、あと一歩の「崩し」や「遊び」が加われば、見る人の心をもっと深く動かす作品になるはずです。どれも本当に素晴らしいので、今後の進化も楽しみです!
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用
【総評】制作本部モデリング担当
応募作品それぞれから、制作者のこだわりや熱意が強く伝わってきて、審査に非常に悩みました。模様だけでなく、ひび割れなどの質感まで緻密に描き込まれた背景や、対象物を真摯に観察したからこそ生まれたリアリティと説得力を持つキャラクターなど、バリエーション豊かな作品の数々は、拝見していて大変楽しく、刺激を受けるものばかりでした。
皆さまと一緒に働ける日を、心より楽しみにしております。ともに業界を盛り上げてまいりましょう。
【採用対象】
2026年度採用/2027年度採用/アルバイト募集
【総評】安東容太 氏(3DCGディレクター)
みなさま制作お疲れ様でした。毎回のことながらレベルの高さに驚かされます。作品のコンセプトやこだわりのポイントもしっかり考えられていて素晴らしかったです。向上心の高いコメントが多かったのも印象的で、クリエイターとはこうあるべきだなと、とても良い刺激をいただきました。今回も貴重な機会をいただき、ありがとうございました。
【採用対象】
2027年度採用
【総評】CGチーム一同
今回のコンテストは本当にレベルが高く驚かされました。細部まで丁寧に作り込まれた作品が多く、見ごたえがありました。中でも印象に残ったのはレイアウトの工夫やデザイン性、そして「その人らしさ」がしっかりと表れている作品です。CGのスキルももちろん大事ですが「何を見せたいのか」「どんな世界を届けたいのか」が伝わってくる表現は、見る側の心に強く残ります。これからも挑戦を重ねながら、自分ならではの表現を育てていってください。皆さんのこれからの活躍を、心から楽しみにしています!!
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用/アルバイト募集
【総評】小池 学 氏(Producer/CG Supervisor)
初めての参加でしたが、どれも個性的な作品ばかりで楽しく拝見いたしました。
レベル感は本当に様々で、非常に完成度の高いものから、荒っぽいけど大好きな世界観が炸裂しているものまで幅広く、出来るなら全ての作品に一言コメントを添えたくなるくらい夢中になりました。仕事でも趣味でも、作品づくりはとても楽しく充実した時間を与えてくれると思います。これからプロを目指す方々には、今のその気持ちを大切に素晴らしいアーティストになっていただきたいと思います。
【総評】橋爪晴輝 氏(背景デザイナー)
皆様の情熱が込められた素晴らしい作品に触れることができ、大変嬉しく思います。全体としてフォトリアルな表現を追求した作品が多く、その高い技術力に感銘を受けました。同時に、独創的なモチーフに挑んだ作品も際立っており、皆様それぞれが持つ独自の世界観と強いこだわりが、見る者を惹きつける魅力となっていました。こうした多様な表現が今後さらに増えていくことを期待しています。皆様の瑞々しい才能は、これからの業界の大きな希望です。近い将来、デザイナーとして第一線で活躍される皆様と、現場でお会いできる日を心から楽しみにしております。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用/アルバイト募集/インターン募集/CG未経験可

Million Edge
https://cgworld.jp/jobs/30430.html
【総評】原田裕一 氏(取締役)、所谷悠太 氏(アートディレクター)
数多くの作品を拝見し、本当に良い刺激を受けました!社内での評価では意見が分かれることもあり、私たちにとっても学びの多い時間でした。どの作品もフレッシュで力強く、私たちの原点回帰にもなりました。CG業界の進化は目覚ましいですが、これほど多くの若い才能がいることに喜びと同時に身が引き締まる思いです。作品からは皆さんの個性や熱意が伝わってきて、評価に悩むほど見応えがありました。最近のソフトウェア進化で一定のクオリティが出せるのは素晴らしいことですが、そこに皆さんの伝えたい意図や表現をしっかり込めて、見る人を納得させる「魅せる絵」を目指してほしいです。これからも技術を磨き、自信を持てるクリエイターになっていくことを応援しています。将来CG業界を牽引するであろう皆さんと、一緒に仕事ができることを楽しみにしています!!
【採用対象】
2026年度採用/2027年度採用/CG未経験可

インテグラル・ヴィジョン・グラフィックス
https://cgworld.jp/jobs/30125.html
【総評】映像チーム一同
今回も多くの応募作品を拝見し、その数と熱量に圧倒されました。魅力的な作品が多く、配点には本当に悩みましたが、その過程すら楽しませていただきました。背景部門でも風景に人物を配置した表現が徐々に増えており、デジタルヒューマンなどの新技術による表現の自由度の高まりも感じています。ただ、あくまでCGは表現の手段ですので、「見る人に何を伝えたいか」「どんな感情を呼び起こしたいか」という問いには、これからも真摯に向き合ってほしいと思います。多くの力作を拝見でき、私自身も大いに刺激を受けました。今後も素晴らしい作品に出会えることを楽しみにしています。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用
【総評】小谷征史 氏(クリエイティブマネージャー)
今回の審査会では、全体的に非常にレベルの高い作品が多く、応募総数も多かったことから、選考に大変苦慮いたしました。特に印象的だったのは、それぞれの作品において独自の世界観がしっかりと構築されており、ストーリー性を感じさせる画づくりがなされていた点です。見る者の想像力を掻き立てるような魅力にあふれた作品が多く、審査員一同、大変見ごたえのある時間を過ごすことができました。
【採用対象】
2026年度採用/2027年度採用/アルバイト募集
【総評】コロッサスデザイナー一同
今年の応募作品は個々の作品が持つ独創性、技術力、そして熱意が際立っていました。そのため、点数を割り振る際には甲乙つけがたいと感じる作品が本当に多く、作品の採点には頭を悩ませました。目を見張るような華やかで鮮烈な表現から、作品の機微を読み取ろうとさせる繊細な筆致まで沢山の魅力にあふれていました。結果として、多くの作品に高い評価をつけさせていただいたため、特定の作品に群を抜いた最高点を与えることが難しかったというのが正直なところです。私たちの書いた講評や点数が皆様の今後の創作活動の大きな原動力となれば幸いです。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用/CG未経験可

プロダクション・アイジー
https://cgworld.jp/stdatabase/10098.html
【総評】足立博志 氏(モデリングディレクター)
自分はキャラクターが大好きなのでキャラに挑戦している人につい興味がいってしまいますが、背景を作るにしても、そこに僅かでも人物や生物を置くことで絵に表現力やストーリー性が加わり、より人の興味や感性を刺激するいい絵になると思います。キャラクターを作りたがる人は近年減っていますが、やはりCGの登竜門であり、到達点でもあるので、背景好きの人にも是非チャレンジをおススメします。CG制作を仕事として目指すならあって損はない武器になります。皆さんと現場でお会いできる日を楽しみにしています。
【採用対象】
2026年度採用/2027年度採用
【総評】後藤 岳 氏(札幌スタジオ CGテクニカルコーディネーター)
全体的にアニメを意識した作品が増えてきていると感じました。また、今回の作品ではキャラクターデザインや世界観のデザインなど、新しいテイストも多く見られとても新鮮でした。オリジナルや架空のものであっても、現実にあるもの(ドラゴンを作るのであれば、トカゲや蛇などの造形や質感など)を意識して反映させることが出来れば、より具体性と説得力を持った作品になります。「想像性」と「現実をとらえる」この両方のスキルのそれぞれの良い部分を伸ばして、業界に新鮮な刺激を与えるクリエイターになって欲しいと思います!
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用/インターン募集

ジェットスタジオ
https://cgworld.jp/jobs/46.html
【総評】石井 裕 氏(CGディレクター)
毎回素晴らしい作品が多い印象ですが今回はいつも以上に空気感やライティングなどの演出が良くできていて、レイアウト/構図もしっかり取れている作品が多かったように感じます。それにプラスして物語性がより感じられる作品を今回も評価させていただきました。見た瞬間に楽しそう、怖そう、ゾクゾクする、ワクワクくするといったような、感情に訴えかけてくる作品をこれからも期待したいと思います。皆さんの今後のご活躍楽しみにしております!
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用
【総評】金谷健太郎 氏(CGアーティスト)、森 康汰 氏(コンポジター)
今回、まず応募作品の多さに驚きました。それ以上に、どの作品も全体的にクオリティが高く、優劣をつけるのが非常に難しい審査となりました。画としてかっこよく仕上がっているものも多かったのですが、最終的には「何を見せたいのか」「どんな世界を作りたいのか」といったストーリー性や熱量の強さを重視して選ばせていただきました。また、見たことのあるチュートリアルに寄せた構成だと、少し評価が下がる場合もあります。自分が作りたい主題を明確に定めることが、画の説得力を高める鍵になると感じました。作品を通して気づかされることも多く、他の方の表現から得られる発見や視点の違いが自分自身も勉強になりました。細部まで丁寧に作り込むことで、世界観が一段と引き立つと改めて感じました。カメラアングルや構図もさらに意識して、実写写真などを参考に取り組んでいけるとより深みのある作品になると思います。今後もぜひ、自分らしい視点や表現を大切に、より自由に作品づくりを楽しんでいただけたら嬉しいです。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用/インターン募集

サイバーエージェント
https://cgworld.jp/jobs/45004.html
【総評】山田祐輔 氏、松田 空 氏、香取政人 氏、大井翔太朗 氏(3DCGデザイナー)
エネルギー溢れる作品をたくさん拝見させていただき、とても楽しく審査させていただきました。ひとえにCG作品とは言っても、皆さん独自の技術とアイディアを以て、自分の作品としてしっかり形にできていることが素晴らしいなと感じました。背景部門の作品にキャラがいたり、キャラ部門でもしっかり背景を作り込んでいたり、主役を引きたてるための努力が伺えてよかったです。こうして何もないところから一つの作品を作り上げ、評価の場に立った経験は、必ず今後の皆さんの財産になると思います。今後の皆さんのご活躍をお祈りしております。
【採用対象】
2025年度採用/2026年度採用/2027年度採用/インターン募集/CG未経験可