デル株式会社主催、CGWORLD企画・運営の3DCGコンテスト「CGごはん」が開催された。タイトルの通りコンテストのテーマは、3DCGで作る「美味しいごはん」。「美味しそう」な「食べもの」が主題として表現されていれば、一品モノの料理や定食などのワンプレート、さらには食のある風景といったものでも応募可の本コンテスト。プロアマ問わず多くの作品が集まった。審査員には「食のエキスパート」と「CGのエキスパート」の2チームが参加し、「3DCG作品としての技術点」と「美味しそうかどうか」の2軸で評価した。
今回、応募作品総数はプロ部門が36作品、学生部門が98作品。厳正なる採点の結果、各部門で優秀賞を勝ちとった12名、そして惜しくも優秀賞は逃したが優秀な結果を残した14名の作品を一挙に紹介する。
※講評コメントは全て原文ママ
コンテスト企画・運営_池田大樹/Hiroki Ikeda(CGWORLD)
■主催者
- デル株式会社
https://www.dell.com/ja-jp
ハイエンドモバイルワークステーションがあれば在宅でも・出先でも3DCGクリエイティブ作業が可能。レンダリングを最速で終わらせて、美味しい食事の時間にしましょう。
作品応募条件・審査方法について
01:食欲を刺激する表現が実現できているか
02:3DCG技術を駆使した作品であるかどうか
※食事であれば和洋中を問わない
作品審査はCGWORLD連載陣など「CGのエキスパート」及び、「食に携わるエキスパート」の計11名によって行われた。審査員はいずれもプロ部門・学生部門それぞれ、全作品の中からお気に入りの作品を選び、持ち点20の中から配点する。合計得点の高い作品から表彰。
■プロフェッショナル部門
クリエイティブ企業に勤務する方、フリーランスの方。
■学生部門
高校生から専門学校生、大学、大学院生など教育機関在学中の方を対象。
通学中でなくても、クリエイティブ分野における就業経験のない方。
■注意点
二次創作ではなく、応募者自身のオリジナル作品に限ります。模写作品はNGとします。過去にコンテストなどで入賞した作品および、他のコンテストに応募中の作品は応募できません。応募作品は、応募者が権利を有しており商用化されていないことが条件です。
プロ部門・最優秀賞:『潮の香り』 獲得点数:45点
天野靖子さん
趣味で食べ物のCGをよく作っております。
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●作品解説
ただただ、願望を詰め込みました。 制作中いろいろな牡蠣の写真を見て参考にしていたのですが、 ずっと牡蠣が食べたくてつらかったです。
Smell of the Sea
My creation is purely my desire.
I checked many pictures of oysters for reference while creating this, I wanted to eat oyster so bad, it was even painful.
●使用ツール
Cinema 4D,Octane Render,Photoshop
プロ部門・最優秀賞「Dell Precision 5550」をプレゼント!
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Dell Precision 5550
提供元:デル株式会社
最高の携帯性、性能、画面世界で最も小型で薄型の15インチモバイルワークステーション。最新のインテル® Core™およびインテル® Xeon®プロセッサー、NVIDIA®グラフィックス、Dell Optimizer for Precisionを搭載しています。
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
すごく牡蠣に対しての愛情を感じます!そして表現も素晴らしいです。しかし......愛するあまりにでしょうか、欲張りな構成になってしまったところが残念です。焼きたても見せたい!生の状態も見せたい!そう思われて作られたと思うのですが、結果、両方が喧嘩をしてしまい、両方伝わらない残念な結果のように思えました。思い切ってどちらかだけにしたら、すごく良い作品になりそうです。是非お試しください!
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
牡蠣のツヤや膨らみ、そして網、煙、炎や食卓の木の風合いまでリアルに繊細に描かれていてまるで写真のようです。生牡蠣と焼き牡蠣、どちらも頬張りたくなるくらい美味しそうです。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
焼かれた牡蠣のプリッと感と、焼かれていない牡蠣の差分でリアルさが演出されていて、素晴らしいです。焼かれた牡蠣にかかっているお醤油の香りが、ふんわりと香ってきそうなシーンを選んで表現しているのも良いと思いました。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
ぱっと見のリアリティでは群を抜いていた。ボケのポスト処理もいいし湯気のエフェクトのひと手間も効いている。牡蠣の透明感も良く出ているし、焼き牡蠣の白濁した感じも生のものと対比が出来ている。自分も牡蠣は好きなので、牡蠣小屋に行きたくなるようなドストライクな作品だった。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
非常にバランスの取れた作品だと感じた。場所は、海にほど近い牡蠣小屋だろうか。観光で訪れて、生も焼きもどっちも食べたいという欲求と、待ちきれなさを持ち合わせていて、正に垂涎の1枚。それに伴う氷と炎の対比も面白い。テクスチャは、十分にシズルを感じる仕上がりになっており、食材が持っている艶も表現出来ていると思う。対比をした為の弊害かもしれないが、レイアウトがどっちつかずになってしまっているのが非常に惜しい。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
ぷりぷりの牡蠣を炭火でじっくりと焼いた感じや、これを肴にお酒を飲んだら最高だろうな!というシズル感に溢れた作品だと思いました!焼く前の牡蠣もとても新鮮そうで、焼き上がりを待っているときのワクワク感まで伝わってきそうで非常に良い作品でした!
【株式会社MAPPA/CGI部】
焼牡蠣のプリっとした感じと、生牡蠣の氷で身が締まった感じがリアルで良い。居酒屋にいるかのような臨場感がある。焼いてる時の音まで聞こえてきそうな......もう見た瞬間堪らない!となりました。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
美味しそうな牡蠣というだけでなく、どういう状況で食べているのか、この視点の人が今どう思っているのかまで伝わってきて、「うまそ~!」と思わず口に出してしまうような作品です。一枚の絵の中に沢山の質感を入れている点も絵作りの観点から評価できます。ライティング、金網、陶器、ガラスの質感も牡蠣と同じレベルで追求できるとさらに素晴らしい作品になりそうです。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
パッと見た瞬間「コントラストが素晴らしい」と思いました。配色はもちろん、焼く前と焼いた後の牡蛎のコントラスト、炎と氷による温度のコントラストなど、複数のコントラストが1枚の画の中に凝縮されているため、画が引き締まっており、想像力をかき立てる構成になっています。私も牡蛎を食べたくなりました。欲を言うと、炎の近くに配置してある氷が溶けかけていたり、雫が付いていたりすれば、さらにヒンヤリ感が出ると思います。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
普段から食べ物のCG表現を追求されているだけあって、クオリティが高いと思います。今回の応募作の中でも独創性のある、牡蠣焼きが斬新なことにも好感を抱きました。
プロ部門・第2位(優秀賞):『納豆ご飯』 獲得点数:31点
仲條駿輔(株式会社モデリングブロス)
見る人の心を魅了する作品づくりをめざして精進しております。
www.artstation.com/nakajo
●作品解説
朝、食卓で食べる納豆ご飯を意識して作りました。納豆の光沢感、粘りの微妙な透けている感じをこだわりました。
Natto Rice
I imaged and created "natto rice" to eat at the table in the morning. I focused on expressing the glossiness of natto and the subtle transparency of stickiness.
●使用ツール
Maya,Zbrush,SubstanceDesigner,SubstancePainter,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
圧倒的においしさを感じました!納豆の質感、ネギの質感、ごはんの質感、すべておいしそうです。差し色となる黄身をレイアウトしたのもすごく効いています。ライティングもあえて強めにしているのでしょうか?斜度の部分が全体の絵作りに大きく影響しています。小道具なども配置せず、納豆ご飯のみで勝負しているところも伝わりやすい要素かと思います。とにかくバランスの良いシズル感のある素敵なビジュアルです。
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
とにかくリアルで美味しそうです。ほんのりと温かいごはんにたっぷりのせられた納豆、そして葱、卵、見てるだけで幸せになります。納豆と納豆の隙間のねばりがとても鮮明でリアル。シンプルにこの納豆ごはんだけで心身ともに満足できそうです。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
アップにしてこの精密なクオリティが圧巻!! 精密にお米や納豆を作り込んでいるのにも関わらず、ちゃんと"生感"があり、圧倒的な技術的作り込みを見る側に押し付ける事なく"単純に美味しそう"と感じる所まで昇華出来ていると思います!!
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
お米がリゾットのように見えてしまうのが残念な点ですが、冷たい納豆が温かいごはんの上にのることで出る湯気と香りがきれいに表現されています。卵黄とネギの色味とライティングがあたっているような表現でシズル感を出せているのも素晴らしいと思ったポイントです。
【株式会社MAPPA/CGI部】
納豆の泡とつや、卵の黄身が白身に包まれていたり、ネギも厚みや大きさが違っていたりとリアル表現のこだわりを感じました。特に納豆の泡の表現が素晴らしく、どうやって作ったのか気になります。日本の朝ですね。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
あえて難しい質感と題材にチャレンジしていてとても好感がもてます。ネギと卵のスケール感、ネギの質感、朝ごはんのドラマがあるとさらに美味しそうに見えそうです。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
「CGごはん」という本コンテストのテーマを、これ以上ないくらい、真っ直ぐに表現した美しい作品です。柔らかな早朝の自然光を受け(ちゃんと逆光)、燦然と輝く納豆ごはん(卵付き)。納豆の粘り気はもちろん、自然な盛り付けも素晴らしいです。欲を言うと、手前のご飯粒が全体的にクタッとして見えるので、もう少しシャンとしたご飯粒も混ぜてあげると、炊きたて感や、さらなるシズル感が出るように思います。
プロ部門・第3位(優秀賞):『昼下がり』 獲得点数:24点
菊池摩耶さん(株式会社スパイス)
CGデザイナーとして都内の会社に勤務しています。 普段は自主製作の時間が取れず、コンテストに参加するのは今回が初めてですが、作品制作の中でいろいろな課題を発見したので、これからもリアルなCG表現を目指して精進したいと思います。
●作品解説
シュウマイの皮の蒸されてしっとりした質感や餡を包み込む柔らかさ、光の透ける感じが上手く出せたかと思います。 蒸篭の周りに醤油皿や箸を置いて、食べる瞬間を想像し、美味しそう!と思ってもらえるような構図にしました。
Early in the Afternoon
I think I was able to express the steamed and moist texture for the skin of Chinese dumplings, the softness that wraps the stuffings, and the transparentcy of the light pretty well.
I put soy sauce plate and chopsticks around the steamed basket so that people who saw this work will think "Looks so yummy!" by imagining the moment of eating it.
●使用ツール
AutodeskMaya,blender,Photoshop,AfterEffects
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
焼売のシズル感が出ていると思います。皮の表現は難しいテーマかと思いますが、それなりに表現できているのではないでしょうか?全体の構成から言うと、もっと焼売の蒸篭に寄った構成でもよかったかもしれません。小道具として脇役を務める小皿や湯呑茶椀が見えすぎるような気がします。背景のフォーカスをぼかして焼売シズルに集中できるようにしても良かったかと思います。
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
蒸篭を開けた瞬間に広がる湯気としゅうまいの香りが空腹を加速させ、思わずビールまで妄想してしまいます。とても美味しそうです。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
とても美味しそうに出来ているのですが、良く見ると少しCGで作った"不気味感"が出ています。 お肉の作り込みを精緻にするのと、全体の色調を少し暖色の方へ調整すると良いかなと思います。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
中華料理的な色の表現が良いと感じました。また、シュウマイの香りが想像できるのも良かったです。シュウマイの下の葉っぱは蒸されてもっとしんなりしていると思うので、より細部まで想像して制作できたらなおよかったのかなと思いました。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
非常に丁寧に作られている印象でリアリティを感じる。湯気のシズル感もあるし、皮の透明感も良く出来ている。しいて言えばシュウマイの餡を包む油分の層のハイライト感が欲しい。そうすればよりジューシーに見えるのではないだろうか。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
蒸されたシュウマイ・蒸し器の感じや各食器の感じ、お醤油の色味等、どれをとってもバランス良く仕上がってると思いました!ライティング感だけやや惜しい感じがしたので、もう少しライトの調整をしてあげるとグッと良くなると思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
ぱっと見て直感的に主役に目がいく配置と、美味しそうに見えるシューマイに惹かれました。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
題材がとても良いですね。それぞれに違う質感にチャレンジしていますが、一つの質感が均一になってしまっています。一個一個の焼売、レタス、お皿にそれぞれ違った表情がもっとあるとさらに魅力のある絵になりますね。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
パッと見た瞬間「箸置き&箸が小さい......かも?」と思いました。ただ、箸の先しか映っていないので、そんな気がするだけかもしれません。とても品のある配色で、美しいなと感じました。シュウマイの表情がどれも似ているので、光源に近いシュウマイほど皮の「ツヤ」「テカリ」を強調し、光源から遠いシュウマイほど餡の陰影を強調すると、さらに存在感が増すように思います。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
シュウマイが美味しそうです。ただ、醤油&お茶の液体表現に硬さを感じてしまいました。
プロ部門・第4位:『カツカレー』 獲得点数:19点
中川 祐さん(KLab株式会社)
リアル系CGが大好きな22歳です。 https://www.artstation.com/plusq
●作品解説
シンプルなカツカレーです。 特にカツの衣の表現にこだわりました。
Cutlet Curry
A simple cutlet curry.
In particular, I focused on expressing the cutlet coating.
●使用ツール
Maya,Redshift,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
CoCo壱番屋のロースカツカレーを思わせる質感はシンプルに美味しそうに感じる。衣の表現もきちんとパン粉のオブジェクトをばらまいて作ったような実在感がある。人参やご飯にかかったルーの透明感の表現も秀逸だ。あと細かいところでは卓上の埃が妙にリアルである。何かふと「独身男性の昼食」のようなストーリー性を感じるのも素晴らしい。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
正にシンプルの極み。こういうのがいいんだろ?と、まるで挑発してきているようにも思えるが、それはカツカレーという王者の持つ余裕だろうか。構成は、サービスエリアで旅の記念に1枚撮ったかのようなシンプルで記録的な表現だが、少しトワイライトゾーン(小腹の空いた時間帯)を思わせるライティングで、説得力がある。質感は言わずもがな非常にリアルで、特にルーのリムの表現や、ライスに浸っている表現、衣やライスの粒感に至るまで、丁寧かつ写実的に表現されている。また、経年劣化を感じさせるシルバーやテーブルトップなども、芸が細かいと思う。個人的に言えば、シンプルで具だくさんでは無いルーが嫌いじゃないのと、異様に主張する赤の福神漬が無いのが高評価。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
見た瞬間にすごい説得力を感じた作品です。カツカレーとして正解を出しているといいますか、食べたくなりました!カツの衣の感じやカレーに溶けた具材の感じの再現度がとても高く、シンプルながらも「CGごはん」としての正解を感じました!
【株式会社MAPPA/CGI部】
写真と見間違えるリアルさ、おいしそうです。脱帽。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
ご本人も自負されているトンカツの衣の質感が美味しそうです。
プロ部門・第5位:『夏ノ宝箱』 獲得点数:17点
加藤正生さん(株式会社 エム・ティー・ケー)
セル調からリアル系まで幅広くこなせるように日々鍛錬しています。
https://twitter.com/mk0613_saki
https://vimeo.com/user68634924
https://www.artstation.com/saki777
●作品解説
地元、浜松の名産である鰻をテーマに、外出自粛期間中の営業が厳しい状況のなか頑張る鰻屋さんを勝手に応援する気持ちで作成しました。鰻は実写のおいしそうなところのみを切り出しテクスチャとして使用し、よりおいしそうに見せました。文鳥箸置きが何気にお気に入りです。
Summer Treaure Box
I picked eel, a local specialty of my hometown Hamamatsu, as my theme. I wanted to express the feeling to support eel restaurants working hard in a difficult business situation during self quarantine period. For eel part, I used as texture only the part that looked yummy from actual pictures and made it look more delicious. I kind of like the bird chopstick rest.
●使用ツール
3dsMax,ZBrush,After Effects
●審査員コメント 抜粋
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
自粛中の鰻屋さんを想像しながら描かれたという事ですね。拝見する側としても応援したくなる気持ちです。そして何と言っても、美味しそうで食欲をかき立てられる素晴らしい作品だと思います。蓋を開けた時の鰻の美味しそうな香りまで妄想しちゃいました。文鳥箸置きが何気に心和みます。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
焼いた鰻のなんとも言えないテクスチャーがCG独特の"不気味さ"が全く無く完璧な状態で表現されています。画面から甘く焼けた香ばしい香りまで感じる事ができカットの画角、色調も完璧でいかにも美味しそう!!
【株式会社MAPPA/CGI部】
完成度がとても高く、チラシで見てもCGだと気づかないでしょう。ウナギの焼き目やお米のつや感、タレがご飯に少しついてる表現が実に食欲をそそります。お吸い物と漬物にある緑色で夏の爽やかさも感じました。実家に帰ったら食べに行こう......。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
今回プロ作品の中で唯一タイポグラフィーを使って他との差をつけた点を評価します。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
CGごはんとしても、グラフィックデザインとしても、しっかり完成度を高めている点が好印象ですね。お米の敷き詰め方が自然で、こだわりを感じました。欲を言うと、お箸がお盆に同化して見えるので、色味を変えるなどの工夫が必要ではと思いました。
プロ部門・第6位:『2人と1匹の朝ごはん』 獲得点数:13点
伊藤友祐さん
普段は不動産広告の建築CGを作成しておりますが、いろいろなことに挑戦していきたいと考え、今回CGごはんにチャレンジしました。
●作品解説
こんな朝を毎日迎えたいなーと思えるような、気持ちのいい朝のごはんをテーマに作成しました。 食べ物は普段制作することがなかったので、ごはんや鰹節味噌汁などの形や質感に苦労しましたが、楽しく制作できました。
Breakfast for two plus one
I made with the theme ""breakfast on a beautiful morning"", with the thought of wanting to welcome the morning like this.
I don't usually create with food as a theme, so I had a hard time on getting the right shape and texture of rice, bonito flakes, and miso soup etc., but I enjoyed creating it.
●使用ツール
3ds Max,V-Ray,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
背景のシチュエーション含めた食卓シーンでほっこりしました。鰹節のウエットなところとドライなところの表現とか、みそ汁の液体の中の表情など細かな表現にもこだわりを感じます。さらにシズル感を出すとするなら、お茶碗のフォルムを微妙に崩すとか、プロダクト系のものにも温かみを感じさせる工夫が必要かもしれません。
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
とても心地の良さそうな柔らかな光の中に、身体に優しい朝ごはん。鰹節と卵の組み合わせに思わず手を合わせて「いただきます」と言いたくなります。周りのほのぼのとした光景と一匹の猫が空間の優しさを演出されてい、てゆったりとソファーに腰掛けたくなりました。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
ふかふかの温かいごはんの上で踊る鰹節に温かいお味噌汁が香ってくるような作品でした。食事だけではなく、陽の光などによって食事の空間・雰囲気まで表現できている点が素晴らしいと感じました。一方で、食をテーマにしている中においては、空間表現要素がやや多いので、よりシンプルにするとより食事の惹きが強くなるかもしれません。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
二人と1匹が同じ食事をとることで家族であることを強く感じる、ストーリー性のある作品だと思いました!鰹節やお味噌汁の雰囲気も非常に見事だなと思いました!ごはんの美味しそうさもそうなのですが、家族の暖かさのようなものが伝わる作品だと思います。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
「ごはんを撮影するなら早朝。窓からの逆光で」という鉄板法則を、空間も含めて再現している点が素晴らしいと感じました。そして、家主を差し置いて朝食を食べ始めている画面奥の猫さんにドラマを感じました。欲を言うと、手前の卵の黄身の上にかかっている鰹節(?)が謎の触手のようにも見えてしまうので、再調整が必要ではと思いました。
プロ部門・第7位(選外優秀賞):『BaconEggMuffin』 獲得点数:13点
渡邊拓人さん(株式会社モデリングブロス)
2018年に日本電子専門学校に入学後モデリングブロスに今年から入社いたしました。 いつか私が幼少期から好きだったコンテンツに携わりたいと思っています、最近ではUE4やBlenderに興味があり、次期ゲームエンジンのUE5などはリリースされたらすぐにでも触りたいと思っています。 Artstation:voguestyle.artstation.com
●作品解説
いかにリアルに作るか、そして食材の照り感を出せるのか意識して作りました。 ライティングも配置から色味まで修正を重ね、理想の色味を模索しました 見た人が食べたくなるような作品になっていると嬉しいです
BaconEggMuffin
I concentrated on how to make it more realistic and how to add glaziness on the food.
Also, as for lighting, I tried to find the ideal color by repeating correction on placement and color tone.I hope that my work will make people want to eat.
●使用ツール
Maya,Blender,ZBrush,SubstancePainter,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
レタスの表現やベーコンの質感など、すごく良いと思います。ただし、何か重量感がない。バーガーとラッピングペーパーとテーブルの関係でしょうか?そこがとても惜しいです。そこをクリアできると断然良い作品になると思います。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
全体的なバランスが良く、パッとみて"美味しそうだな"と感じられた作品。 一点惜しいなと感じたのは、構図のバランスを重視したせいか、バーガー自体のどこを美味しいと見せるのかの主張が弱い所。 バンズ、肉、野菜、などテーマを決めて大胆に主張がある作品になると尚良かったと思います。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
比較的香りが出にくい食べ物ですが、色彩の豊かさと一個一個のアイテムの質感で「おいしそう!」と思わせる事ができているのが素晴らしいと感じました。細かいですが、作品内のマフィンのつづりが違っています。より細部にこだわる・気がつけるよう無意識を持つことでより良い表現の幅が広がり作品が生まれるのではないかと感じています。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
一目見て美味しそうとまず感じました。粘りづよく観察→再現を続けている様子が伺えます。沢山の画像を一斉に見るときは、サムネイルの小さい画像で魅力のある絵は好印象に映ります。作者はそのこともちゃんと意識できているのを感じます。絵作りの観点から言うと、美味しそうな雰囲気とは何か、それを絵に落とし込むときに必要な構図、トーン、レンズなどの調整がうまくいってると思います。
プロ部門・第7位(選外優秀賞):『みんな大好き』 獲得点数:13点
稲村JINさん(BuuGraphic)
VR等の軽量なモデリングやリアルな表現が大好きで現在、フリーランスとして受注を承り頑張っています! また、同時に就職も探しております!(笑)
●作品解説
シズル感、より自然なライティングです 。光学的なレンダリングが出来ない為に、Procedural Texture等を組み合わせてより自然な透明感を演出しました
Everyone loves it!
A sense of sizzling and more natural lighting.
Since optical rendering cannot be performed, I combined Procedural Texture etc. to express a more natural transparency.
●使用ツール
Procedural Texture,Blender,Substance Painter
●審査員コメント 抜粋
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
ソースの照り、プレートで泡立つ肉汁や湯気、カットの構図が秀逸ですぐに美味しそうだなと感じた作品。 ただ、ハンバーグというメインテーマに対して、ソースや湯気、構図の方に重点が置かれてしまい、肝心の"肉感"が少ないように感じます。 メインテーマに対してどの様な主張を1番にするかを考えると更に良い作品になると思います。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
プロシージャルテクスチャを駆使したというハンバーグの質感が素晴らしい。湯気や沸騰して泡立っているソースのシズル感も抜かりが無い。Blenderでコンポまでやっている人に共通しているのだが、ボケた部分のノイズ感が減って球ボケのようなリッチなハイライトが出てくるとなお素晴らしいと思う。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
みんな大好きハンバーグは、たしかに少し安直ではあるが、納得の一皿である事も事実で、その表現は逆に厳しい道のりかもしれない。そんなチャレンジを見事にクリアしているのは、絵の温かみでは無いだろうか。母の味、彼女の初めての手料理、子供との外食。そんな中に必ずと言っていいほど登場するハンバーグは、そのどれもが温かみで包まれている記憶では無いだろうか。DOFの合わせ方、スッと上がる湯気、奥に拡散する光。それらのバランスが非常に取れていると感じる。食にとって大事なものに、シチュエーションがあると思う。それを上手く収めている。質感としては、絵の雰囲気に助けられている部分も大いにあると思うが、音を感じるようなソースと肉汁など、上手く表現していると感じた。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
ハンバーグの美味しそうな感じが出ていますし、パンやサラダ等も含めてセットとしての料理として完成されているなと思いました!枠がついてしまっているのがなんだかもったいない感じがしてしまい、大きな解像度でしっかりと高精細に見てみたいと思いました。
プロ部門・第8位(選外優秀賞):『おにぎり』 獲得点数:10点
石水修司さん(株式会社フィジカルアイ)
流体から機械系、人物(CGポートレート)、アニメーションと幅広いジャンルで制作活動を行っております。CGでイメージを可視化することをテーマにVR・ARの分野にも積極的に取り組んでいきたいと思っております。
●作品解説
日本人に生まれたからこそ知っている米の旨さ、それが凝縮しているのはおにぎり。漬物は大根、シンプルに塩漬けし、着色していないことで本来の大根の風味を旨さ・ほのかな辛さを引き出し、おにぎりの米の旨さを一層ひきたてます。
ONIGIRI
I know the tastiness of rice because of Japanese. Rice balls, called Onigiri has that everything condensed. Pickled radish is simply salted, and by not coloring it, the original flavor of radish is brought out to its fullness and subtle spiciness, further enhancing the flavor of Onigiri.
●使用ツール
Cinema 4D,Octane,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ふっくらとしたおにぎりのおいしさが上手く表現できていると思います。ライティングもしっかりしているので、よりボリューム感が引き立っています。ランダムなコメの表現に苦労された感じがします。お米の艶もおいしさ表現としては必須ですね。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
お米ひとつぶひとつぶのふっくらした感じや、海苔がちょっとめくれてるところ、添えられた沢庵など、構成する要素すべてが日本人として嬉しくなってしまう要素にあふれていて、素晴らしいなと思いました!
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
海苔が浮いている印象があるのですが、とにもかくにも米粒の表現に感心しきり!
プロ部門・第8位(選外優秀賞):『手作り弁当』 獲得点数:10点
服部 薫さん
普段は趣味で食べ物CGを作っています。
●作品解説
【コンセプト】 学生時代に作ってもらった親からの手作り弁当が恋しくなり制作しました。 私は凄く小食なので「こんなに食べられたらいいなぁ~」を考えながら作っていきました。
【こだわりポイント】 食べ物は規則性ある模様をしていることが多いと考えています。そのためSubstance Designer、Substance Painterを利用し全ての食べ物のテクスチャを実際の食品を撮影することなく作成しました。
Handmade BENTO
[Concept]
I miss my parents' homemade bento that I used to eat when I was a student, so I chose this for my theme. Since I don't eat a lot, I thought while working, "I wish I could eat this much".
[Key points]
I think that food often has a regular pattern. Therefore, I used Substance Designer and Substance Painter to create textures for all foods without shooting the actual foods.
●使用ツール
Photoshop,Substance Designer,Substance Painter,Blender
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
すごく光を感じる作品です。食材の質感もその光と合わさり気持ちよく伝わってると思います。鮭に関しては、皮の面積より身の面積の方が多い方がよりおいしそうかと思いました。全体の構成も右側にあえて手前ボケの素材を配置することで、よりお弁当に目が向く仕組みとなっているので上手いかと思います。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
非常に豪華なお弁当になっていて、かつお弁当らしい「ぎっしり詰め込んだ感じ」が出ているのも非常によかったです!学生の時に遠足や課外活動等でお弁当を渡されたときのことを思い出しました!ご飯がグッと敷き詰められている感じもまたお弁当ならではの表現だと思いますし、それを再現できているのも見事だと思います。反面、きゅうりの漬物?部分がとても惜しい感じがしてしまい......!他の部分との差が出てしまったことだけもったいないなと思ってしまいました。
【株式会社MAPPA/CGI部】
キュウリが一つだけカップからこぼれてるのがあるあるだな~と思いました。陽の当たる公園で食べたい感じがします。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
木と金属の質感がよく出ています。これに食べ物の質感の違いがよく表現できて入ればもっと美味しく見えるはずです。ライティングと構図にセンスを感じます。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
手前のおかず以外の彩度を抑えることで、しっかりおかずに視線を誘導している配色が良いなと思いました。欲を言うと、凹凸表現が甘いこと、ピントを絞りすぎていることが要因となり、おかずの約半分は何を表現しているのか認識できないので、再調整が必要ではと思いました。
プロ部門・第9位(選外優秀賞):『朝食』 獲得点数:9点
森重あかりさん(株式会社コントルノ)
プロップ・背景モデリングに興味があり、日々勉強の毎日です。今使えるソフトだけでなく、色々な手法で効率よく作れるようになりたいと思っています。
●作品解説
自分が食べたいと思う朝食をイメージしました。焼き魚や卵焼きの適度な焦げ付きが食欲をそそると感じた為、そこを特に力を入れて制作しました。
Breakfast
I imaged a breakfast that I wanted to eat. I felt that slightly brown scorching of grilled fish and rolled omelet were appetizing, so I put effort on expressing that.
●使用ツール
MAYA,ZBrush,SubstancePainter,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ベーシックな朝食シーンですが、器や小物類に力があり、全体的においしさに繋がるCGになって王と思います。みそ汁の表情とか良いですね!焼き魚もCGだと難しい素材なのかと想像しますが、それなりに表現できていると思います。ご飯に関してはもう一つ工夫が欲しかったですね。さらにライティングで朝の光を作り出せると完璧になると思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
料理、食器、布、それぞれの質感の違いがちゃんと出ていて素晴らしいです。味噌が部分的に濁った感じがリアルです。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
少し硬さを感じるのが残念ですが、全体的に丁寧な作り込みを感じます。
プロ部門・第10位(選外優秀賞):『ら~めん』 獲得点数:7点
福田泰崇さん(株式会社FUKUPOLY)
株式会社FUKUPOLYを運営。Cinema4Dをメインツールに、合成編集、ディレクションもこなすVFXゼネラリストとして活動中。
https://fukupoly.myportfolio.com/
https://dep-mg.net/member/yasutaka-fukuda/
●作品解説
屋台のラーメンを「超ダイナミック」に表現。 カラコレ以外、後処理、合成は不使用。パーティクル、湯気等全部1シーンファイルに詰め込み、一度のレンダリングで完結させた作品。
Ramen
I expressed ramen of the stall stand "super dynamically".
I did not perform post processsing nor composit, only color correction. I packed particles, steams, and all in one scene file and completed the work by just one rendering.
●使用ツール
Cinema4D ( plugin : x-particles, redshift) ,Lightroom
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】嫌いじゃないです!この劇画風の表現はリアルな撮影ではなかなか難しく、素材を撮影して2Dで仕上げる方法が一般的です。こう言う表現こそCGがなせる業なのかなと思います。ただし、今回の作品は少々散らかりすぎかなと思います。勢いはあってよいのですが、メインで伝えるものが見えてこないのが残念です。
【株式会社MAPPA/CGI部】
絵として見ごたえがあって、ラーメンの具材やスープの食欲をそそる感じもしっかり出ています。レタッチ無しの男気が伝わります。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
『ミスター味っ子』世代なので、こういう「ダイナミックごはん」を勝手に期待しており、パッと見た瞬間に「こう来たか~~!」と膝を叩きました。S時を描き、物理法則を無視して乱舞する麺の配置と、追随するネギの緑が良い味を出していますね。吹っ飛ばされた箸立ての哀愁を感じる脇役感も好きです。欲を言うと、ラーメン鉢と、その直上に位置する画面右下の麺や具材との遠近感が掴みづらいので、明度や彩度に差をつけると良いのではと思いました。
プロ部門・第11位(選外優秀賞):『小籠包』 獲得点数:4点
小林 諒さん モーションデザインスタジオでモーションデザインをしています。フォトリアリズム×アンリアルモーションの組み合わせが大好きです。 https://xiaolinliang.myportfolio.com/
●作品解説
こだわったポイントは料理サイトを見ながら Mervelous Designerで小籠包の皮を包んだことです。 あと、汁に油を浮かせたところです。 CGでしかできない瞬間のシズルを作りました。
Xiao Long Bao
The point I was particular about was wrapping the skin of xiao long bao by using Mervelous Designer, watching closely to cooking site. Also, I added some oil floating on the soup. I made a sizzle of the moment that only CG can express.
●使用ツール
Cinema4D(with Octane Render and X-particles) ,Mervelous Designer,After Effects,PhotoShop,JangaFx EmberGen
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ん!?一瞬思考が止まりました。あえてスープを強調されているのでしょうが、あまりにも現実離れしていて。でも、これこそCGの世界なのかな?悩みました。蓮華の中のスープは油の存在が効いていて魅力的です。箸でつまんだ部分の重量感とあふれるスープを少し控えめにしたら、すごく良い作品になるかもしれません。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
汁たっぷりの小籠包を、箸で掴んだときにずっしりと感じる、そういったリアリティを感じる作品でした!皮もとてもリアルで美味しそうに思えます!周りの要素が非常によくできているからこそ、飛び出している汁部分がCG臭くなってしまってもったいないなと思いました。汁部分の要素をもっと抑えることでさらにリアルな絵になると思います。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
CGという道具の表現力を活かした、印象的な画に仕上がっていますね。スープをたっぷり含んでいるにしては、小籠包の姿勢がシュッとしすぎている気がするので、やや重心を下にして、タプッとしたフォルムにすると、さらに柔らかさが出るように思います。
学生部門・最優秀賞:『喫茶店の味』 獲得点数:41点
伊藤賢吾さん(デジタルハリウッド大学)
CG全般を勉強するのが好きです。将来的には広告系の映像業界でゼネラリストとして働きたいと思っています。最近はスクリプトやプラグイン開発の勉強もしています。
Taste from a Coffee Shop
Simple yet addictive taste, served on a silver plate, I recreated that Napolitan spaghetti from a coffee shop. I tried and made sure that the noodles, sauces and ingredients that entangle each other do not look like CG.
●使用ツール
Cinema 4D, After Effects
学生部門最優秀賞「Dell デジタルハイエンドシリーズ UP2720Q 27インチ4K ワイドモニター」をプレゼント!
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Dell デジタルハイエンドシリーズ UP2720Q 27インチ4K ワイドモニター
提供元:デル株式会社
測色計を内蔵してThunderbolt™ 3を搭載した世界初の27インチ4Kモニターを使用して思い通りに作成できます。付属の遮光フードを使用すると、不要な光沢や反射を軽減して画面上の作業がはっきり見えるため、クリエイティブ用途にも最適です。
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
とにかくそそられます!リアルに食べたくなる!素晴らしいです。料理のシズル感とは、言葉にできない気持ちの高まりです。それをこのCGはクリアしていると思います。コメントにもありますが、CGっぽくならない努力が表現できているのかと思います。素晴らしいシズル感なので、更においしくなるポイントをお伝えすると、パスタの麺線表現(麺の動き)をもう一工夫するとさらに良くなると思います。広告の写真ではパスタの麺は切れ端を見せないように隠しています。麺自体がもう少し丸みのある動きで表現できるとよりおいしさを感じると思います。
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
昔、喫茶店で食べたナポリタンの懐かしい味を思い出しました。パスタに絡んだソースや具材がCGとは思えないリアルさで感動です。懐かしさと暖かさが交互する素晴らしい作品だと思います。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
ナポリタンの特徴を良く捉えた良い作品です。 色調、質感など素晴らしく作ってあるなと思います。 ただ"作ってあるな"感になってしまっているのは今一歩だったかもしれません。 麺の一本一本(主に切れ端)にどうしても作り物感を感じます。その辺りを修正出来れば更に良くなると思います。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
まず麺にピーマンやソーセージなどの具材が破綻なく配置されているのが素晴らしい。上手く何かしらのシミュレーションを使ったのだろうか。各食材のSSSが効いた質感も素晴らしく、CG臭さを出したくないという作者の配慮を感じる。カメラで実際に撮ったかのようなポスト処理も良く出来ている。後はほんの少しだけ、湯気のようなシズル感を感じさせるエフェクトが乗ってくればより完成度が高まる。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
想像の出来る味、それが意外にもハードルは高い。子供の頃、元々ナポリタンが好きではなく、どうも貧乏くさい味だと感じていた。ただ、歳を重ねるごとに何故か好きになっていき、今では無かったはずのノスタルジーに浸る為のアイテムだと思うレベルまでになっている。非常に不思議な料理だと、個人的には感じる。そんな一皿を、納得の仕上がりに引き上げているのは、いい意味で、全てに感じる安っぽさだと思う。少し太めのパスタ、ラフに刻まれたピーマンとウインナー。それらが雑だが、必然と絡み合う。それがここで求められている一皿なのだと思う。質感も素晴らしく、ナポリタンにあってはならない高級感を上手く取り払い、それでも美味しそうに見える最低限の艶を散りばめている。構図もよい。決して貶しているのではなく、ナポリタンとは、そうでなくてはならないのだ。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
スパゲッティの柔らかそうんな感じや、炒められてしんなりとしたピーマン、ケチャップソースの感じ等、見ているだけで味が想像できる素晴らしい作品だと思います!喫茶店スパゲッティ特有のちょっと過剰に茹でられて伸び気味な感じまで伝わってくるのがお見事でした!
【株式会社MAPPA/CGI部】
具やソースの絡み方がリアルで、香りまで感じます。チェック柄のシート(手前にシミがあるのが細かくてgood!)やコップの模様なども喫茶店の表現に一役買っていて、タイトル通り喫茶店で出てくるおいしそうなナポリタンに仕上がっています。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
シンプルに「美味しそう!」と感じました。難しいパスタの表現にちゃんとチャレンジしていますし、ガラス布金属の質感の差も表現されています。誰もが感じる「あのナポリタン」を連想させる表現できるセンスを感じます。お皿の手前をもう少し見せてあげると構図も決まってくると思います。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
形状、シルエット、質感と、どこを取っても神経の行き届いた完成度の高いナポリタンですね。欲を言うと、ピーマンとテーブルクロスの緑が近い色なので、テーブルクロスの緑を別の色にして、画面内の暗い部分を増やすと、画が引き締まり、ナポリタンの色が際立つように思います。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
全体的なまとまりの良さに好感を抱きました。
学生部門・第2位(優秀賞):『#たこ焼きパーティー』 獲得点数:30点
藤原優哉さん(OCA大阪デザイン&IT専門学校)
主にMAYAを使用して3DCGの勉強をしています。ゲームの背景に興味があるので、これから背景の作品も制作したいと思っています。
Twitter:https://twitter.com/f200047y
●作品解説
大阪出身なので大阪にまつわる食べ物を作りたいと思い制作ました。暖色系でまとめることで、より食欲がわくように工夫しました。家でたこ焼きをしていることがわかるよう意識して配置とレイアウトをしています。
#TAKOYAKI Party
I made this because I wanted to make food related to Osaka, my home town. By puttting together in a warm color system, I tried to make it more appetizing. I consciously placed and layed out to show that TAKOYAKI party took place at home.
●使用ツール
Maya,Substance Painter,Photoshop,Blender
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
なかなかリアルなシズル感が表現されていて素晴らしいと思います。ここまで観察力があるところを拝見すると大阪ご出身のたこ焼き愛を感じます!さらにおいしさ表現をアップするとしたらソース表現のボリュームとハイライトの表現でしょうか。
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
熱々の焼き立てがリアルに伝わり、「あついあつい」と言いながら頬張りたくなるくらい美味しそうです。塗された鰹節の量やマヨネーズのかかり具合にも食欲をそそられる作品です。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
出来たてのたこ焼きに乗せられたソースや鰹節などがふんわり香るイメージが出来ました。熱々のたこ焼きの上の踊るような鰹節のふわっとした表現に食欲を掻き立てられました。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
鰹節の踊ったできたてのたこ焼きの感じがしっかりとでていて美味しそうだなと思いました。マヨネーズの処理がなんだか惜しい!!という感じだったので、マヨネーズや青のりの感じをもう少し詰められたらグッと本物っぽくなると思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
かつおぶしやマヨネーズに家庭感があって、写真撮る用に一皿きちんと並べたのかな~なんて想像できて楽しいです。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
均一になりがちなCGで作るたこ焼きですが、よく一つ一つの違う表情を表現できています。とっても美味しそうですね。お皿、紅生姜やお箸などの小物にも気を配って表現しています。ノリのスケール感、質感が上がれば急激にもっとよく見えるはずです。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
パッと見た瞬間「これ絶対、大阪の人だ」と思って解説を確認したら、本当に大阪の人で嬉しくなりました。たこ焼きへの愛を感じます。特に鰹節の配置は素晴らしくリアリティがあります。画面右下、皿から落ちた鰹節が、画面から見切れている演出なんかは最高です(お行儀良く食べようとしても、やつらは絶対にはみ出すんですよね)。欲を言うと、マヨネーズの表現にやや硬さを感じるので、たこ焼きの熱でもって、ヘニャっとなっている表現をランダムに入れると、さらに存在感が増すように思います。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
今回、たこ焼きは激戦(多い)の印象があるのですが、その中でもシズル感が最も良く表現されていたと思います。
学生部門・第3位(優秀賞):『Burger Party!』 獲得点数:26点
若杉友香さん(京都芸術大学)
高校生の時から3DCG制作を始め、現在も独学で作品づくりにチャレンジしています。まだ分からないことも多く、作りたいものの実現は難しいですが、様々な知識を増やせるよう勉強中です。最近はアニメーションにも興味を持っています。
●作品解説
「おいしく、楽しく!」をコンセプトに、ハンバーガーたちのパーティーをイメージして作りました。文字やラインの3D空間への配置やとろけたチーズの表現など、今までしたことのない挑戦をしてみました。
Burger Party!
With the concept of "delicious and fun!", I made it with an imagination of hamburgers having a party. I tried new challenges such as arranging letters and lines in 3D space and expressing melting cheese.
●使用ツール
Blender,ZBrush,CLIP STUDIO PAINT
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
なかなか実際の撮影では表現しづらいシズルビジュアルで、まさにCGならではのアプローチかと思います。特にバンズ(パン)やアボガドのテクスチャー表現もしっかりできていて素晴らしいです。動きのある食材や料理のシズルCGをもっと見たくなりました!
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
動きがありとても楽しそうに表現されていて、気持ちが高まりました。アボカドやチーズ、ポテトなど全ての素材が繊細に描かれていて、まるで写真をみているようです。かぶりつきたい!!
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
ハンバーガーや食材等、全体の質感が良いことはもちろんのこと、コンセプトとしてしっかりとパーティー感が出ている部分が非常に良かったです!バーガー店の広告のような雰囲気も出せており、画としての完成度が非常に高いと思いました。
【株式会社MAPPA/CGI部】
動きのある絵にCGならではの面白さを感じます。色使いとライティングが絶妙でチーズの質感や野菜のフレッシュさが良く出ています。しかも美味しそうなだけでなく、キャラクターのような動きの可愛いさとポップさも相まって、魅力的な広告のようです。食べると元気になりそうですね!
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
アイデアがとっても良いです。コンセプトに沿った絵作りができている点が実力を感じさせます。食材それぞれの質感も良いし、手書きの文字もあり絵全体で一つのコンセプトを表現できています。色味を工夫するとさらに完成度の高い「美味しく楽しく」になります。学生としては突出した表現力。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
シズル感(質感)も好印象ですが、実写のシズルショットでも難しい瞬間の演出(躍動感)が3DCGの利点を活かした表現に仕上がっていると思います。
学生部門・第4位(優秀賞):『海岸沿いの老舗食堂名物』 獲得点数:17点
荻野友花さん(OCA大阪デザイン&IT専門学校)
まだ3DCGを始めて一年ほどですが、背景デザイナーになるため沢山の映える作品を作っていくつもりであります。気まぐれに作品公開してるInstagramを見てください。
https://www.instagram.com/me_portfolio_/?r=nametag
●作品解説
この作品を見た方が「あぁ、食べたい......」とつぶやけるほど、いかに新鮮でおいしそうに見えるかを追求しました。特に画面の手前にあるいくらとサーモンのテクスチャは微調整が多かったです。
Speciality of Good old cafeteria along the coast
I pursued on how fresh and how delicious this will look so that those who saw will mutter, "Oh, I want to eat this..." Especially the salmon roe and salmon texture shown in the front needed lots of minor adjustment.
●使用ツール
Maya,Subsutance Peinter,Clip Studio Peint PRO,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ライティングがしっかり計画されていて素晴らしいです。斜め後ろからの自然光に加え、店内の照明も表現されているので、よりリアルにシズル感が表現できていると思います。レンズの深度設定もおいしさに繋がっています。いくらのハイライトがおいしそう!
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
艶やかさと色鮮やかさで食欲が引き立つ作品になっていると思います。新鮮なお魚と、海鮮丼にあたった光がいかにも海沿いの光であるかのように感じられました。魚介の柔らかさ・硬さなどの質感の表現ができていると、よりリアルさが生まれるように思いました。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
サムネイルでの人目を引く印象は一番強く感じた。海鮮丼という色んな具材を作るのはチャレンジングで苦労が窺える。出来ればもう少しモデルにディスプレイスをかけるなどして、シンプルなアウトラインを崩すなどのひと手間が欲しい。また、イクラの反射もフレネル反射感が弱く、全体的に満遍なく映り込みがあるので、ここももうちょっとケアしていると良かったと思う。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
非常に贅沢な海鮮丼をしっかりと再現できている作品だと思いました。ライティング等も上手なので、具材の生っぽさをもう少し詰めることができたらグッとリアルになるだろうなと思いました。
【株式会社MAPPA/CGI部】
いくらの表現が素晴らしいですね......とても美味しそうで見せ方も素敵です。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
鮮やかな色彩で小さい画像で見えると「お!うまそう!」となります。DOFがいい感じではあるのですが、まだ未処理の部分が目立ってしまうのが惜しいです。ここを出発点としてさらに完成度をあげていって欲しいです。
学生部門・第5位(優秀賞):『ピザ』 獲得点数:16点
縄田壮祐さん(デジタルハリウッド大阪本校)
コンポジター志望です。将来は、国内外問わず活躍できるアーティストになりたいです。
●作品解説
屋外のテーブルに置いてあるマルゲリータピザを制作しました。本物のピザに見えるようにオイルが溜まったような状態も再現しています。
Pizza
I made Margherita pizza placed on an outdoor table. I arranged and added nice amount of oil so that it will look like a real pizza.
●使用ツール
Blender,Photoshop,Substance Designer,After Effects
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
光とかオイル感とかは良いと思います。しかしトーンが渋すぎる。もう少し清潔感のある赤味のあるトーンに仕上げるとぐっとおいしくなりそうです!
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
チーズ好きにはたまらない。オイルの溜まり具合、チーズの伸び具合や生地のもちもち感まで妄想を掻き立てられます。リアルで手をのばしたくなる美味しそうな作品です。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
素晴らしくピザを表現出来ていると思います。 ですが日中のテラスサイドなどで食べているイメージでしょうか? 全体を通してみると少し暗くくすんで見えます。 ピザと周りの色調、光量を調整すると良いと思います。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
ぱっと見の写実感が素晴らしい。ちゃんとカメラで撮ったかのような色収差やグレイン(ちょっと強い気もするが)なども凝っていて、一眼レフカメラの短焦点レンズで撮ったようなボケ加減もいい。木漏れ日の演出も良く、天気のいい日のオープンテラスを思わせる。ここまでいけばもうちょっとカメラを引いて、情景を少し写しこんでも良かったかもしれない。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
晴れた週末の気持ちのいい昼下がり、今日は屋外で。そんな情景を感じさせる1枚だと思う。気持ちのいい木漏れ日を感じさせてくれる。シンプルではあるが、美味しそうと思わせてくれる。オーガニックなライティングとグレーディングで、少し女性っぽさも感じる。モッツァレラチーズが溶け出してソースと一体になっている具合もよい。生地の形状が綺麗すぎるのと、少し均一に火が入りすぎているのが気になる。膨らんだ部分に少し焦げ目などを入れると、よりシズル感が出るのでは無いかと思う。個人的には、もう少し露出が高くても良かったかもしれない。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
チーズの溶けた感じと手に持ったときのアツアツそうな感じが、とてもいいピザだなと思いました!ライティングorコンポジット部分が惜しく、ピザをより鮮やかかつ美味しそうな色合いに見せることができたらより良かったなと思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
構図の取り方が上手く、ピザの膨らみ具合やオイルの溜まり具合が本物のようで、とても美味しそうに見えました。
学生部門・第6位(優秀賞):『カスタードとベリーのタルト』 獲得点数:15点
金澤珠里さん(神戸電子専門学校)
背景モデラーを目指して勉強中です。リアルさや空気感を求めて制作しています。
●作品解説
「頑張った日の自分へのご褒美」というコンセプトで制作しました。イチゴやナパージュの瑞々しさを表現することにこだわりました。頑張ったので食べたいです。
Custard and Berry Tart
I made this with the concept of "a reward for myself after working hard". I was particular about expressing the freshness of strawberries and napage. I did work hard so I want to eat it now.
●使用ツール
MAYA,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
光が素敵です!まさにご褒美タイム?時間の設定がちゃんと表現できていると思います。ケーキ自体も生地、クリーム、ソース、それぞれのテクスチャーがしっかり表現できていておいしそうです。手前に落ちているタルト生地のひとかけらがすごくいい仕事してます!こういう細かな表現が、料理のCGには必要かと思います。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
色合いと光の表現がとてもきれいで、コップしか置いていないのにコーヒーの香りがふわっと香ってくるようなイメージが持てました。タルト本体だけではなく、周囲の雰囲気まで表現できているのがすばらしいと思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
イチゴにかかるシロップの光沢感や、タルトの質感表現などとてもおいしそうです。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
綺麗な配色が印象的ですね。欲を言うと、イチゴの断面の存在感が希薄で、ぼんやりした印象になっています。ここは目がいく場所なので、境界線に近い部分に濃いめの赤を入れるなどして、画を引き締めると良いのではないでしょうか。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
ゼラチン質とタルト生地のシズル感が好印象(美味しそう)です。被写界深度が不自然に見えるので、そこを改善するとさらにシズル感が高まりそうです。
学生部門・第7位(選外優秀賞):『すき焼き』 獲得点数:14点
大嶺太聖さん(九州大学)
フォトリアルな表現に興味があり、フルCGの映画制作やリアルタイムレイトレーシングを活用したxR等、またそれらを実現する技術開発などに関わってみたいです。
twitter.com/mineG5071
www.artstation.com/mineg5071
●作品解説
なかなか身近な人と会えない期間が続いていた時、実家で家族とすき焼きを囲んだ食卓を思い出しました。味が染みてきて柔らかくなる、一番おいしい瞬間にこだわりました。
SUKIYAKI
While stay-at-home period continued where I couldn't meet with close friends and families, I remembered having dinner with my family with Sukiyaki in the middle. I wanted to particularly express the most delicious moments, when the taste soaks right through and becomes tender.
●使用ツール
Blender, Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
思わず「美味しそう!」と声が出ました。いよいよ具材に味が染みてきて美味しい瞬間ですね。湯気や具材、溶き卵など全てがリアルで、グツグツと音まで聞こえてきそうです。素晴らしい!!
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
食品サンプルの様な質感からの脱却は目指したいが、それでも圧倒的な物量や熱気、構図など、バランス良く仕上がっていると感じた。時期的には少しずれているが、それでも皆大好きなもの、贅沢だと感じさせてくれる料理には違いない。個人的には、鉄鍋の方が卵よりも手前に来ている事が気になるが、それは構図の為だと思いたい。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
すきやきの各種具材の質感が非常に素晴らしく、特に野菜類のみずみずしさが非常にうまいと思いました!奥に見えている溶き卵のとろっとした感じもしっかり表現できており、すき焼きの香りが漂ってきそうな贅沢な夕飯を想像できて非常に良い作品だなと思いました。
【株式会社MAPPA/CGI部】
一つ一つ丁寧に作られてとてもおいしそうに感じました。画面の配置も良く、箸を持ったらすぐ肉に手を付けそうです(笑)
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
グツグツグツという音が聞こえてきそうな、シズル感のある繊細な画づくりが良いですね。欲を言うと、鮮やかな奥の卵に目がいってしまうので、主役であるすき焼きの具材の明度と彩度をさらに上げ、具材とダシのコントラストを高くすると良いように思います。
学生部門・第8位(選外優秀賞):『Good morning!』 獲得点数:13点
鈴木優治さん(日本航空高等学校)
メカ系ハードサーフェスモデリングに興味があり拙い技術ではありますが、普段はメカモデリングをしています。 いつか、万人をうねらせる様なハイディティールメカを作り上げます!
●作品解説
朝起き、妻と談笑しながら朝食をとる直前......というコンセプトのもと制作いたしました。パンやバターもコンセプトに基づき2人分配置しました。 パンの質感に重点を置き、自分なりにリアルな質感を研究し、作品に反映させました。
Good morning!
I made this with the concept of "Waking up in the morning, just about to have breakfast with my wife while chatting ..." I placed two pieces of bread and butter based on the concept.
I focused on the texture of bread, I researched the realistic texture in my own way, and reflected it in the work.
●使用ツール
Blender,Instagram
●審査員コメント 抜粋
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
パンの持つ美味しそうな空気感が作品全体から感じられる素晴らしい作品。 画面全体の色調とパンの色味の調和が心地よく"きっとお洒落な2人の朝ごはんなのかな?"など想像が膨らみます。こんがり焼けたパンの表現も秀逸。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
まず渋い色見のインスタで見られるような雰囲気がいい。と思ったら実際にinstagram(コンポジット)とある。こういう明確なターゲットがあるのは素晴らしい。メリハリのあるライティングでストーリー性も感じる。パンの質感は主にディスプレイスだと思うが、どうしてもそれっぽさが出てしまうので、今後はボリュームにノイズをかけてパン特有の毛羽立ちなどを再現してみるのもいいかもしれない。
【株式会社MAPPA/CGI部】
主役のパンへのフォーカスの当て方や、奥の物と光のボケ感が雰囲気を高めていて、インスタにあがっていそうな「映え」を感じます。パンのボコボコ感も表現力が高く、画の空気感でコンセプトにあったシーン作りができていて素晴らしいです。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
インスタ風なトーンで画面全体で一つのコンセプトを伝えようとしている点が評価できます。パン、ジャムのデザイン、お皿の収まり具合などの構図に気を配ると、さらに雰囲気のある作品になりますね。
学生部門・第8位(選外優秀賞):『冷やしサラダうどん』 獲得点数:13点
伊藤太一さん(中部大学)
大学生でありながらCGジェネラリストとしてモーショングラフィックス、VFXなどの映像制作をしています! Cinema 4Dマニアです!
●作品解説
暑い夏の日に食べたくなりそうな料理をイメージして作りました。 本物をよく観察して細かい質感を詰めていき食欲をそそられるように仕上げました。 製作期間は2日です。
Chilled Udon Salad
I made this with an image of a dish that you might want to eat on a hot summer day.
After carefully observing the real udon salad, I developed the details of fine texture, finishing it to be very appetizing.
It took 2 days to finish this creation.
●使用ツール
Cinema 4D,Redshift,Photoshop,AfterEffects
●審査員コメント 抜粋
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
今後暑くなってくる時期にふさわしい題材で、うどんのSSSが効いた透明感、清涼感が目を引く。個人的には今回の参加作品でこれが一番クオリティが高く感じた。惜しむらくはうどん特有の黄色っぽいスキャッターカラーが足りないことか。これがあればより完成に近いと言える。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
質感としては、もう少しこだわりたかったところはある。例えば、ごまや卵のサイズ感、刻み海苔や、少しSSSが強すぎる麺などだ。ただ、それらはあくまでもCG部分の調整の問題に過ぎず、それを差し引いても美味しそうに感じる1枚だと思う。私が思う料理に必要なものに季節感があるが、それを感じさせてくれる。非常に涼しげで、夏が待ち遠しいと思わせてくれる。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
夏の日のお昼ごはんとして食べたいなと思いました!ガラスのお皿に盛られた冷たいうどんが食欲をそそる作品だなと思います。うどんの透け感等も含め、非常に涼しげで季節を感じる作品だと感じました。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
うどんと半熟たまごの質感が美味しそうです。下面のつゆが硬質に見えるのが残念。
学生部門・第9位(選外優秀賞):『石の皿で食すローストビーフ』 獲得点数:5点
岩波 翔さん(山梨学院大学)
今後も技術向上に精進していきたいと思います。
●作品解説
レストランのメニュー表に実際に使われているような作品をテーマに制作しました。レストランでは、料理や盛り付けだけでなく、食器にも独創的なものが多く、その中で個人的に気に入った石の皿を採用してみました。
Roast Beef on a Stone Plate
I created this with a theme of an image that may actually be used in a restraunt menu. At a restaurant, not only food and how ther're served but also tablewares that they use are unique. Of all that, I chose the stone plate which I personally liked.
●使用ツール
Blender,PhotoShop
●審査員コメント 抜粋
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
ローストビーフの赤身の表現が秀逸な作品。 レモンや付け合わせも爽やかで見ていて気持ちが良いですね。ですが全体が少し硬いイメージなので、色調中心に改善すると更に良くなると思います。
学生部門・第9位(選外優秀賞):『おそとでオムライス』 獲得点数:5点
秋山 萌さん(デジタルハリウッド東京本校)
現在はデジハリに通いながら、CGクリエイターとしての就職を目指しています。 人の心に響く作品を作ることを目標に、日々勉強しております。
●作品解説
コンセプトは「ものすごく綺麗にできたオムライス」です。 現実では卵をぐしゃぐしゃにしがちですが、CGなら確実に綺麗に作れる!と思ったことがきっかけです。 外出自粛期間のため、外に出たい気持ちを込めてピクニック風に制作しました。
Let's Eat Omlet Rice Outside
My concept is "a very beautifully made omelet rice".
In reality, omelet tend to be more with a scrambled surface, but I thought, with CG I can definitely make a beautiful one!
Under current stay-at-home request, I made it like a picnic style expressing my desire to going outside.
●使用ツール
Maya,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
本物のリアルさというよりはややアニメっぽい描写ではありますが、全体の色合いや、屋外でお皿の縁に映る木の陰や、スプーンに反射されている様子など、細部まで表現されているのが良かったです。
学生部門・第10位(選外優秀賞):『パンとチーズ』 獲得点数:4点
北野真美さん
独学で3DCGを勉強しています。インテリアが好きなので、CGを使った空間表現にとても興味を持っています。
●作品解説
スライスしたバケットにチーズを乗せ、その上からはちみつをかける食べ方をイメージしました。バケットやレーズンはなるべく実物を手元に置いて参考にしながら、質感に注力して制作しました。
Baguette & Cheeze
I imaged a food with "one piece of baguette with cheese on it, and adding honey on top". I tried to create this focusing on texture, by having real baguette and raisins in front of me for reference.
●使用ツール
Blender,Photoshop,Substance Designer
●審査員コメント 抜粋
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
バゲット+カマンベールチーズ+蜂蜜&レーズンという鉄板の組み合わせ。右上の空間にワインボトル&グラスを置き、マリアージュを完成させたくなりました。パン好きの想像力をかき立てる、良い画づくりだと思います。欲を言うと、バゲットのクラストが薄く、幅が均等すぎる気がするので、全体的に少しだけ厚くすると、より美味しそうなバゲットに見えると思います。特に焼成時にパン釜に接する底の部分はほかより厚くなり、色も濃くなる傾向があるので、その点を意識しつつ、美味しいパン屋さんのバゲットを観察してみてください。
学生部門・第10位(選外優秀賞):『ステーキ』 獲得点数:4点
坂田冬士さん(大阪デザイナー専門学校)
現在背景モデラーを目指し、日々勉強しています。主にハードサーフェスモデル制作を得意とします。 現在は主にMayaを使用していますが、これからは他のDCCツールについても勉強したいと思っています。
●作品解説
今回は食べ物ということで特に自分の好物であるステーキをモデリングしてみました。
金属などのハードサーフェスには無い独特の、有機的な食べ物の質感の表現にこだわりました。元から知識としてはあったsssも、それ自体あまり個人的になじみのない機能でしたが今回その表現方法について再確認できたように思えます。
Steak
Since the theme was "Food", I picked my favorite food, Steak, for modeling.
I tried to express the unique texture of organic food, where hard surface like metals do not have. I did have a knowledge of sss but was not that familiar with the function. From this assignment, I think I was able to reconfirm that expression method.
●使用ツール
Maya,Blender,SubstancePainter,V-Ray,ToolBag,AfterEffect,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
肉のシズル感がよく表現できています。欲を言うと、肉とソースの接するラインが直線的でリアリティを欠いているため、ネトッとした液体感が出るような接し方を探求してほしいです。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
ちょっと角張った印象がありますが、ステーキの質感が良いなと思いました。
CGWORLD特別審査員 総評
今回の作品審査に参加していただいた特別審査員のみなさんの採点、総評を紹介しよう。
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大手仁志
株式会社hue 代表取締役/フォトグラファー・シズルディレクター
食の撮影を専門とするスタジオhue代表取締役。30年以上に渡り「食」に関する広告写真、パッケージの写真撮影に携わる。朝日広告賞、カンヌ国際広告フェスティバル、ニューヨークADCなどをはじめ数多くの広告賞を受賞。最も好きな食べ物は餃子。
https://hue-hue.com
【総評】
ご参加された皆様お疲れ様でした。普段写真でシズル表現しているフォトグラファーとして、CGでのおいしさ表現にとても興味がありました。今回皆さんの作品を拝見し、様々な可能性とCG表現での問題点などを確認することができました。私が料理写真を撮影するにあたり大切にしている、おいしさ表現の5つのポイントがあります。今回せっかくなので皆さんと共有したいと思います。5つのポイントとは【立体感】【艶・ハイライト】【彩り】【ライブ感】【空気感】です。このポイントをクリアできるとおいしさ感はグッと増します。是非皆さんの今後の制作活動に活かしていただければと思います。そして料理CGの可能性として、写真撮影では不可能なライブ感があると思います。動きのある劇画チックな表現は広告などでも求められることが多いです。その領域はもしかするとCGの方が可能性あると感じました。料理CGはニッチなマーケットかもしれませんが興味のある方は是非シズル感を追求してください。ゴールの見えない世界ですが楽しいですよ!
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yasuyo
ナチュラルフードコーディネーター/発酵食スペシャリスト
身体に優しい自然食と発酵食を意識した、心ほぐれるごはんと丁寧な暮らしをモットーにInstagramやブログ・YouTubeなどで、お料理や暮らしなどをご紹介。企業のレシピ考案・フードや商品の監修・デザイン開発など多岐に渡るものづくりにも携わる。著書に『のほほん曲げわっぱ弁当』(誠文堂新光社)『美しい作りおき』(永岡書店)『かわいいお菓子』(永岡書店)がある。ちなみに嫌いな食べ物は全くなく、好きな食べ物は数知れず。中でも、豆腐料理やスパイシーなものを好む。
http://koko.milkcafe.to
【総評】
まず率直に、これだけたくさんの素晴らしい作品を拝見する事ができて、感動と感謝の気持ちでいっぱいです。心よりお礼申し上げます。平面のものを立体に、尚且つ食欲をそそる作品に仕上げるのはとても難しい事だと感じていますが、皆さんのひとつひとつの作品からはストーリー性やユーモア、温もり、熱意が感じられとても深く心に響きました。そして何と言っても、どれも美味しそうでたまりません!!リアルにお腹が鳴って我慢も限界でした(笑)。またいつか皆さんの作品が拝見できます事を心よりお祈り申し上げます。この度はありがとうございました。
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山川俊太
西麻布「cocktailante OBORO」owner/cocktail & food creator
料理人や美容師の経験を活かし、アーティスティックで洗練されたカクテルが特徴。2018年の「olmeca altos bandera cocktail competition JAPAN」にて優勝し、同世界大会に出場するなどカクテルコンテストの受賞歴多数。様々なシェフとのコラボレーションや各企業の新メニュー開発、イベントプロデュース等多方面にて活動中。最近、中国茶にハマっています。
【総評】
まずは皆さまお疲れ様でした!! どの作品も熱意の伝わる素晴らしい作品かりでした。 その中で私が得点した作品はプロアマ問わず"CG独特の不気味さ"が無い作品が多かったです。 普段生の食材を作品にしている為やはりそこが1番気になりました。 得点した作品はどれもCGの枠を超えて"単純に美味しそう"と思えるレベルに到達していると思います。 またこれは全体的な感想ですが、食べ物が美味しそうに見える色や角度がやはり存在するので、皆様が次に食品のCGを作る時はその辺りも研究されると良いかなと思います。 この度はこんなに素晴らしい作品達を見させて頂きありがとうございました!!
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菅原千遥
株式会社エブリー 執行役員/DELISH KITCHEN カンパニー長
2012年慶應義塾大学を卒業後、グリー株式会社に入社。事業責任者として女性向けネイティブゲームに従事し、その経験を活かし戦略部門にて子会社や投資先会社の事業管理基盤構築を推進。その後、新規事業の立ち上げを主導。2015年9月、株式会社エブリーを共同創業。2018年に執行役員に就任。好きな食べ物はハンバーグ。
delishkitchen.tv/
【総評】
美味しそうな作品ばかりで、見ていてお腹が空くものばかりでした。料理を作る際に大事なのは、「温度」「色彩」「香り」「食感」を気にすることです。今回はそれらの要素が伝わるかどうかというポイントで審査をさせていただきました。「色彩」については見たままのものなので表現しやすいと思いますが、その他3つのポイントが表現されているかどうかが、良い作品とそうではない作品の大きな差分につながったと思います。見たままのものだけではなく、どういうものを作品の中から感じて欲しいかという事をイメージしながら制作すると、より人の心を動かすような作品に仕上がるのだと思います。
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米岡 馨
StealthWorks. 代表取締役
エフェクト専門会社StealthWorks代表で主要な参加作品はシン・ゴジラ、鋼の錬金術師等。会社立ち上げの前はベルリン、バンクーバーでハリウッド映画に参加した経歴を持つ。各国で多様な食文化に触れたがベルリンでの慣れない海外生活を支えた自宅近くの何気ないピザ屋のマッシュルームピザが一番の思い出。
https://www.stealthworks.jp/
【総評】
今回多数の応募があったが、やはり皆さん楽しんで作っているという印象が窺えた。構図なども料理写真を研究しているようである。やはりご飯の美味しさは湯気や水滴のようなシズル感が肝になって来るが、その辺りまで気が行き届いている作品は、やはり一歩抜きんでているようである。そう考えると食べ物CGはモデリング、ライティングだけにとどまらない総合的な技術が必要とされるので、非常にいい題材だと感じた。
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秋元純一
トランジスタ・スタジオ/CGディレクター・取締役副社長
2006年に株式会社トランジスタ・スタジオ入社。専門学校時代よりHoudiniを使用し続けて現在ではCGWORLD.jpにて「Houdini Cook Book」を連載中。
http://www.transistorstudio.co.jp
【総評】
美味礼讃。私は食が好きだ。非常に好きだ。控え目に言っても、十分に食道楽だと思う。料理は素人だが、作ることも好きだ。それは一種のシンパシーだと思う。CGアーティストではあるが、料理人がこだわる部分に強くシンパシーを感じる。またそれと同時に食を慈しむ事が出来る人間でありたいと強く願っている。CGと料理は非常に似たプロセスがあると思う。CGでいう素材と、料理でいう素材。もちろん違うが、スタートからゴールまでの過程で、どう扱うかに全てをかける。私が連載するHoudini Cook Bookは、料理本だと考えてネーミングしたものであり、当時からそういった思いが強くあった。とてもここには書ききれない位話したい事はあるが、今回の総評としては、全体的にクオリティが高く、シンプルなのに説得力の高い作品が多いと感じた。ただ、意外と季節感などはあまり意識されておらず、オーソドックスな料理のモチーフが多かった事だ。私個人が、何時しか料理と季節を強く結びつけていた事に気が付かされた。また、料理へのこだわりに対して、器に対して意識が薄い事も感じた。美味しいものは、それなりに盛り付けたくなるのが、料理人の性だと思う。私はどうしても、美味しいとは決して味だけではなく、五感に訴えかけるものなのだと思う。
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朝倉 涼
デジタルアーティスト
「Seventhgraphics」を屋号にかかげ、フリーランスのCGクリエイターとして活躍。3DCGによるグラフィック・映像を中心に規模の大小を問わず商業・同人・イベント・その他幅広く活動・制作中。
https://seventhgraphics.info
【総評】
ごはんという非常に難しいお題に対して、皆様様々な工夫でチャレンジしていてとても勉強になりました!昨今の3DCGはある程度簡単に「リアル」にはできても「おいしそう」「食欲がわく」といったシズル感の部分は工夫や研究の部分がまだまだとても多い中で、皆様のモチベーションの高さを感じましたし、自分にとっても非常に刺激になりました!
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株式会社MAPPA
CGI部
弊社CGI部は2014年に立ち上げ、今年で7年目になります。物語に違和感なく溶け込み、作品に寄り添った映像表現を信条としています。「食」がテーマということで、料理好き、食べるの好き、CGも大好き!なスタッフ達で楽しく審査させていただきます。
http://www.mappa.co.jp/
【総評】
学生作品もプロと遜色ないレベルのものが多く驚きました。作者のこだわりや狙いがちゃんと伝わるものは高評価に繋がっています。意外と題材が被らないところに、日本の食の多様性を感じて、面白かったですね。見させていただいてとても勉強になりました!ありがとうございました!
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富安健一郎
株式会社INEI/コンセプトアーティスト・代表取締役
世界中のAAAコンテンツのコンセプトアートを手がけるINEIを牽引するコンセプトアーティスト。ゲーム、映画などのエンターテイメントにとらわれず、都市開発、プロダクト開発などにもコンセプトアートを提供し続けている。好きな食べ物はカタ焼きそば。
ineistudio.com/
【総評】
美味しそう!と感じるかどうかは本能に訴えるものなのです。正解は誰の目でも見つかります。作者自身が本当に美味しそう!と思えるまで表現を諦めなかった作品が高得点を得ていると思います。気になったのは普段どのような食と作品に接しているのかな?という点です。普段から「美味しいもの」(値段の高低ではありません)に接していないと自分の中の「これが美味しい」には気づけませんし、スマホでお手軽にとった写真ばかり見ていると「美味しそうなクオリティの高い絵作りとは」という答えが探せません。クリエイターである皆さんには普段から感動のある食べ物、作品にたくさん触れておいて欲しいと感じました。沢山の素敵な作品を応募いただきありがとうございました。本当は沢山の講評をしたいところですが、次回はもっと腕を上げてシェフになったつもりで頑張ってください。
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尾形美幸
CGWORLD編集者・ライター
CG-ARTS、フリーランスを経て2015年より現職。CGWORLD関連媒体で記事制作を担当。博士(美術)。著書に『CG&ゲームを仕事にする。』、『ポートフォリオ見本帳』(2011)。共著書に『ポートフォリオアイデア帳』、『改訂新版 ディジタル映像表現』などがある。全粒粉を使った天然酵母パンが好きです。
【総評】
「美味しそうかどうか」「技術力」の2点に、「1枚画として美しいかどうか」「ドラマを感じるかどうか」の2点を加え、採点させていただきました。加点と講評をしたのはプロ部門10作品、学生部門10作品です。それ以外の作品にも講評をしたかったのですが、力およばずでした(踏み倒している締切さんが複数ありまして、全方位にごめんなさい)。3Dによる画づくりは、ちょっと気を抜くと、固く、冷たくなってしまいます。ナイフやフォークはリアルだけど、肝心のごはんは美味しそうではなく、どうにもバランスが悪い......という画が、特に学生作品には多かったように思います。僭越ながらアドバイスをするなら、一歩引いて、なんなら立ち上がって、画面全体を俯瞰すると、手を入れる場所の優先順位が見えてくるように思います。
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沼倉有人
CGWORLD編集長
2000年4月より(株)東北新社所属のオフライン・エディターとして、CMやVPの編集を手がける。主な参加作品は、YKK ap『EVOLUTION』VP、第一生命『第一でナイト(2代目ファミリー)』シリーズなど。2005年10月にCGWORLD編集部に加わり、2012年7月より現職。
【総評】
食べ物のCG表現は、生身の人間と同じくらい難しいモチーフだと思います。そうした中、プロの方も学生の方も多くの力作を寄せてくださいました。特筆すべきは学生さんの作品のクオリティの高さ! 私見ですが、プロも顔負けの良作がちらほらありました。日本の未来は明るい!
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