Krysidian氏は7月19日(土)、無料のBlenderアドオン「SMIRK」をGumroadでリリースした。キャラクターの頭部メッシュのトポロジーに囚われず、独立した顔のパーツを自由に作成してアニメーションを作成できるツール。ピクサーのオリジナルシリーズ『ウィン or ルーズ』(Disney+で配信中)からインスピレーションを得て開発された。対応するBlenderのバージョンは4.4以降。

SMIRKでは、グリースペンシルレイヤーをカッターマスクとして利用して「デタッチされた顔のパーツ(Detached Facial Features)」を作成できる。グリースペンシルレイヤーまたは通常のメッシュを透明度制御(Transparent Booleanモディファイアー)に使い、切り抜いた領域をGP Cutterで塗りつぶして透明化する。

▲グリースペンシルレイヤーをカッターマスクとして利用

▲GP Cutterで塗りつぶし
▲Transparent Booleanモディファイアーを追加する

SMIRKが用意する透明度マスク(Transparency Mask)ノードは、シェーダと透明度をシンプルにミックスし、アトリビュートノードをシェーダアトリビュートに接続し、マスク入力とする。ただし、マスクはトポロジーに依存するため、Cutter Rimを使ってグリースペンシルのストロークの周囲にフェイスループを生成して解決する。また、透明化した内部エリアは動的に生成され、キャラクターに合わせてカスタマイズが可能。

▲マテリアルにTransparency Maskノードを追加する
▲マスクのトポロジー依存解消のためにCutter Rimを使ってフェイスループを生成する

提供される.blendファイルには、メッシュマウスのセットアップも付属しており、SMIRKで使用する頂点グループとモディファイアーを確認できる。

.blendファイルには、メッシュマウスのセットアップも付属

■SMIRK - Freeform Facial Features v1.0(Gumroad)
https://krysidian.gumroad.com/l/SMIRK

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