フランスのアニメーター/リガー/アートディレクター・Pierrick Picaut氏(P2DESIGN)は7月11日(金)、Blenderでアニメーションを高速化するためのアセットライブラリとポーズライブラリの活用方法を解説する動画「How I Made Animation SO Much Faster With This Trick! Pose Library」を自身のYouTubeチャンネルで公開した。
アセットライブラリは、Blenderのデータブロック(オブジェクト、マテリアル、ノード、モディファイアなど)を素早く再利用するための機能。データブロックを右クリックして「Mark as Asset」を適用することでアセットを作成でき、作成したアセットはアセットブラウザから3Dビューにドラッグ&ドロップして使用できる。

ポーズライブラリは、特にリップシンクやボディアニメーションにおいて、手のポーズや表情などをワンクリックで適用できるもの。

ポーズアセットは、コントローラを選択して「Pose」メニューから「Create Pose Asset」を選択して作成する。作成したポーズアセットは、3Dビューのポーズアセットタブから適用する。コントローラが選択されていない場合はポーズ全体が適用され、特定のコントローラが選択されている場合は、それらのコントローラのみにポーズが適用される。なお、ポーズのブレンドや反転ポーズの適用も可能だ。

キャラクターリグをアセットライブラリからインポートする際、デフォルトの「Append and Reuse」ではなく、「Link」の使用を推奨。この方法を用いることでリグがリンクされ、ライブラリオーバーライドを使用してアニメーションを開始できるためだ。

ポーズアセットの利用にはいくつか注意点がある。まず、ポーズアセットはアクションとして保存され、最初のキーフレームだけが読み込まれる。そしてポーズアセットは、選択されたコントローラのカスタムプロパティやBボーンプロパティなど、全ての変換チャンネルをキーフレーム化する。

また、ポーズアセットと現在のリグで異なる回転モード(クォータニオンとオイラー)を使用している場合、ポーズが正しく適用されないことがある。
もしカスタムプロパティがポーズに影響を与える場合、そのプロパティを持つボーンもポーズアセット作成時に選択する必要がある。ただし、これによって不要なプロパティもキーフレーム化される可能性があるため、アクションエディタで必要なカスタムプロパティのみにキーフレームを挿入するという回避策がある。

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