学生部門・第4位(優秀賞):『海岸沿いの老舗食堂名物』 獲得点数:17点
荻野友花さん(OCA大阪デザイン&IT専門学校)
まだ3DCGを始めて一年ほどですが、背景デザイナーになるため沢山の映える作品を作っていくつもりであります。気まぐれに作品公開してるInstagramを見てください。
https://www.instagram.com/me_portfolio_/?r=nametag
●作品解説
この作品を見た方が「あぁ、食べたい......」とつぶやけるほど、いかに新鮮でおいしそうに見えるかを追求しました。特に画面の手前にあるいくらとサーモンのテクスチャは微調整が多かったです。
Speciality of Good old cafeteria along the coast
I pursued on how fresh and how delicious this will look so that those who saw will mutter, "Oh, I want to eat this..." Especially the salmon roe and salmon texture shown in the front needed lots of minor adjustment.
●使用ツール
Maya,Subsutance Peinter,Clip Studio Peint PRO,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
ライティングがしっかり計画されていて素晴らしいです。斜め後ろからの自然光に加え、店内の照明も表現されているので、よりリアルにシズル感が表現できていると思います。レンズの深度設定もおいしさに繋がっています。いくらのハイライトがおいしそう!
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
艶やかさと色鮮やかさで食欲が引き立つ作品になっていると思います。新鮮なお魚と、海鮮丼にあたった光がいかにも海沿いの光であるかのように感じられました。魚介の柔らかさ・硬さなどの質感の表現ができていると、よりリアルさが生まれるように思いました。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
サムネイルでの人目を引く印象は一番強く感じた。海鮮丼という色んな具材を作るのはチャレンジングで苦労が窺える。出来ればもう少しモデルにディスプレイスをかけるなどして、シンプルなアウトラインを崩すなどのひと手間が欲しい。また、イクラの反射もフレネル反射感が弱く、全体的に満遍なく映り込みがあるので、ここももうちょっとケアしていると良かったと思う。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
非常に贅沢な海鮮丼をしっかりと再現できている作品だと思いました。ライティング等も上手なので、具材の生っぽさをもう少し詰めることができたらグッとリアルになるだろうなと思いました。
【株式会社MAPPA/CGI部】
いくらの表現が素晴らしいですね......とても美味しそうで見せ方も素敵です。
【株式会社INEI/富安健一郎(コンセプトアーティスト・代表取締役)】
鮮やかな色彩で小さい画像で見えると「お!うまそう!」となります。DOFがいい感じではあるのですが、まだ未処理の部分が目立ってしまうのが惜しいです。ここを出発点としてさらに完成度をあげていって欲しいです。
学生部門・第5位(優秀賞):『ピザ』 獲得点数:16点
縄田壮祐さん(デジタルハリウッド大阪本校)
コンポジター志望です。将来は、国内外問わず活躍できるアーティストになりたいです。
●作品解説
屋外のテーブルに置いてあるマルゲリータピザを制作しました。本物のピザに見えるようにオイルが溜まったような状態も再現しています。
Pizza
I made Margherita pizza placed on an outdoor table. I arranged and added nice amount of oil so that it will look like a real pizza.
●使用ツール
Blender,Photoshop,Substance Designer,After Effects
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
光とかオイル感とかは良いと思います。しかしトーンが渋すぎる。もう少し清潔感のある赤味のあるトーンに仕上げるとぐっとおいしくなりそうです!
【発酵食スペシャリスト koko.milkcafe.to/yasuyo(ナチュラルフードコーディネーター)】
チーズ好きにはたまらない。オイルの溜まり具合、チーズの伸び具合や生地のもちもち感まで妄想を掻き立てられます。リアルで手をのばしたくなる美味しそうな作品です。
【 西麻布「cocktailante OBORO」owner/山川俊太(cocktail & food creator)】
素晴らしくピザを表現出来ていると思います。 ですが日中のテラスサイドなどで食べているイメージでしょうか? 全体を通してみると少し暗くくすんで見えます。 ピザと周りの色調、光量を調整すると良いと思います。
【StealthWorks. /米岡 馨(代表取締役)】
ぱっと見の写実感が素晴らしい。ちゃんとカメラで撮ったかのような色収差やグレイン(ちょっと強い気もするが)なども凝っていて、一眼レフカメラの短焦点レンズで撮ったようなボケ加減もいい。木漏れ日の演出も良く、天気のいい日のオープンテラスを思わせる。ここまでいけばもうちょっとカメラを引いて、情景を少し写しこんでも良かったかもしれない。
【トランジスタ・スタジオ/秋元純一(CGディレクター・取締役副社長)】
晴れた週末の気持ちのいい昼下がり、今日は屋外で。そんな情景を感じさせる1枚だと思う。気持ちのいい木漏れ日を感じさせてくれる。シンプルではあるが、美味しそうと思わせてくれる。オーガニックなライティングとグレーディングで、少し女性っぽさも感じる。モッツァレラチーズが溶け出してソースと一体になっている具合もよい。生地の形状が綺麗すぎるのと、少し均一に火が入りすぎているのが気になる。膨らんだ部分に少し焦げ目などを入れると、よりシズル感が出るのでは無いかと思う。個人的には、もう少し露出が高くても良かったかもしれない。
【デジタルアーティスト/朝倉 涼】
チーズの溶けた感じと手に持ったときのアツアツそうな感じが、とてもいいピザだなと思いました!ライティングorコンポジット部分が惜しく、ピザをより鮮やかかつ美味しそうな色合いに見せることができたらより良かったなと思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
構図の取り方が上手く、ピザの膨らみ具合やオイルの溜まり具合が本物のようで、とても美味しそうに見えました。
学生部門・第6位(優秀賞):『カスタードとベリーのタルト』 獲得点数:15点
金澤珠里さん(神戸電子専門学校)
背景モデラーを目指して勉強中です。リアルさや空気感を求めて制作しています。
●作品解説
「頑張った日の自分へのご褒美」というコンセプトで制作しました。イチゴやナパージュの瑞々しさを表現することにこだわりました。頑張ったので食べたいです。
Custard and Berry Tart
I made this with the concept of "a reward for myself after working hard". I was particular about expressing the freshness of strawberries and napage. I did work hard so I want to eat it now.
●使用ツール
MAYA,Photoshop
●審査員コメント 抜粋
【株式会社hue/大手仁志(代表取締役、フォトグラファー、シズルディレクター)】
光が素敵です!まさにご褒美タイム?時間の設定がちゃんと表現できていると思います。ケーキ自体も生地、クリーム、ソース、それぞれのテクスチャーがしっかり表現できていておいしそうです。手前に落ちているタルト生地のひとかけらがすごくいい仕事してます!こういう細かな表現が、料理のCGには必要かと思います。
【株式会社エブリー /菅原千遥(執行役員、DELISH KITCHEN カンパニー長)】
色合いと光の表現がとてもきれいで、コップしか置いていないのにコーヒーの香りがふわっと香ってくるようなイメージが持てました。タルト本体だけではなく、周囲の雰囲気まで表現できているのがすばらしいと思います。
【株式会社MAPPA/CGI部】
イチゴにかかるシロップの光沢感や、タルトの質感表現などとてもおいしそうです。
【株式会社ボーンデジタル/尾形美幸(CGWORLD編集者・ライター)】
綺麗な配色が印象的ですね。欲を言うと、イチゴの断面の存在感が希薄で、ぼんやりした印象になっています。ここは目がいく場所なので、境界線に近い部分に濃いめの赤を入れるなどして、画を引き締めると良いのではないでしょうか。
【株式会社ボーンデジタル/沼倉有人(CGWORLD編集長)】
ゼラチン質とタルト生地のシズル感が好印象(美味しそう)です。被写界深度が不自然に見えるので、そこを改善するとさらにシズル感が高まりそうです。