<4>3DCGで高める『牙狼<GARO>』特有の様式美
ライティングは瀬賀氏が指標となるルックを作成し、HDRを基にキーライト(平面ライト)2灯のみの意図的にシンプルなシーンを構築。それを共有することで全体のルックが統一された。
MantraによるレンダリングはDOFも入った状態で出力、多くのパスを出すもののベース素材の持ち味を活かし、リフレクションを多少調整する程度に止め、AE上でOptical Flares、Starglow等の光学エフェクトを味付けとして追加した上、Magic Bulletでカラコレを行い完成となる。
4−1:フィニッシング
レンダリングした素の画。第1弾OPは約90秒で60CUTと、カット数が多くなったことからコンポジット作業時はシンプルなレイヤー構成にすることを心がけたという
Magic Bulletでカラコレを施し、粒子の素材やレンズフレアを乗せた状態。今回レンズボケもHoudiniのMantraによるレンダリングの段階で被写界深度のボケがすでに加えられている
エピソードはいよいよ終盤にはいり、オープニングもすでに第2弾に切り替わっているのだが、そちらも第1弾と同様にHoudiniベースで制作された迫力ある3DCGモーショングラフィックスに仕上げられた。
【OP映像②/2ndクール】TVシリーズ『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』/GARO PROJECT #73
『牙狼〈GARO〉-GOLDSTORM- 翔』第2弾オープニング映像より。第1弾よりもヒロイックな曲調に合わせて、黄金騎士・牙狼のキャラクター性をより全面に押し出したビジュアルだ
第1弾OPでも活躍したOpen VDBを使用したAdvect Pointsを発展させ、牙狼の動く軌跡に発生させている
Houdiniによる強力なパーティクル機能を活用し、クライマックスには牙狼がパーティクルで描かれる
『牙狼<GARO>』シリーズ独特の様式美は、日本人クリエイターならではの感性に根づいたものだと思うのだが(海外の映像コンペに出せば、大きな注目をあつめることだろう)、未見の方は本編共々ぜひご覧いただきたい。
TEXT_谷口充大(テトラ) / TEXT_Mitsuhiro Taniguchi (TETRA)
EDIT_沼倉有人(CGWORLD) / EDIT_Arihito Numakura (CGWORLD)
PHOTO_弘田 充 / PHOTO_Mitsuru Hirota
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TVシリーズ『TVシリーズ『牙狼〈GARO〉-GOLDSTORM- 翔』
テレビ東京系6局ほかにて、好評放送中!
原作・総監督:雨宮慶太
監督:雨宮慶太、大橋明、阿部満良、坂部康二、下田章仁、山口義高、松田康洋、横山 誠、山岸一行
VFX・CG:オムニバスジャパン
VFXスーパーバイザー:中川茂之
特別協力:サンセイアールアンドディ
制作:東北新社、オムニバスジャパン
配給・製作:東北新社
garo-project.jp/GOLDSTORM_TV