>   >  Image Engineが心血を注いだ、映画『チャッピー』のVFX。 Vol.1:マーク・ウェンデル(CGスーパーバイザー)
Image Engineが心血を注いだ、映画『チャッピー』のVFX。 Vol.1:マーク・ウェンデル(CGスーパーバイザー)

Image Engineが心血を注いだ、映画『チャッピー』のVFX。 Vol.1:マーク・ウェンデル(CGスーパーバイザー)

<6>Image Engineを次なる高みへと引き上げた『チャッピー』プロジェクト

本プロジェクトは、ちょうどImage Engineで使用するインハウスツールを刷新しようとしていた時期に行われたという。同社ではツールR&Dにも積極的に取り組んでおり、ノードベースのアプリケーション開発ツールである「Gaffer」をオープンソースで公開している。『チャッピー』でもGafferをベースに、シェーディングとライティング作業のためのシステムを構築。そしてフィジカルベースのレンダラが投入されようとしていた。ルックデヴの段階でこれらは試験導入され、大変上手く機能したため、その後の制作ではより幅広く用いられたそうだ。自社開発の利点を活かし、上述のバージョンの自動管理システムとも上手く組み合わせることができたとのこと。
「『チャッピー』の制作を通して様々なことを学ぶことができました。このままGafferが完全なライティングとシェーディングのシステムとなるよう開発を継続するつもりです。Gafferの今後の展開が楽しみですね」。

映画『チャッピー』VFXメイキング(1)

本プロジェクトにおけるCG制作チームの成果をウェンデル氏は次のようにふり返る。
「各セクションが膨大な量の課題を、優秀なスキルと芸術性でクリアしてくれたおかげで、チャッピーはこれだけ存在感のあるキャラクターになりました。アニメーターたちはシャールトの素晴らしい演技をチャッピーに反映させ、さらに自分たちの芸術性を加えました。アセットとルックデヴのチームはすさまじいディテールと、大量のマテリアルを作成し、どんなライティング環境下でも自然な見た目に仕上げてくれました。ライティングチームは各シーンに合わせた正確なジオメトリ・ライトリグを作り、素早く完全に実写素材とライティングをマッチングさせ、そのおかげでコンポジターは、画的な調整やキャラクターと背景とのバランスに集中することができました。自動化システムを構築させたことで、FXチームは人為的な(アーティスティックな)操作が必要な部分に神経を集中させることができましたし、その他のチームもバージョン管理に時間をロスすることがありませんでした。映像制作においては、事前に投資しておけば必ず大きな見返りが得られるのです」。

映画『チャッピー』VFXメイキング(1)


TEXT_奥居晃二 / TEXT_Kouji Okui
EDIT_沼倉有人(CGWORLD) / EDIT_Arihito Numakura(CGWORLD)
Special thanks to Image Engine & GRAMMATIK

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